ある日看護師がこんなことを耳元でつぶやく。
「年齢の割りに悪いんだって」
「・・・」
なんてことを言うのだ。
これから治療をとわずかな希望と計り知れない不安を
抱いている患者に言う言葉なのか?
これがこの病院では普通のことなのか?
こことは限らず、入院というものがそういったものなのか?
あまりにも悲しくて夜を泣き明かす。こんなことが3日間続いた。
涙はいくら出しても枯れないと知ったのはこの時だった。
そんな重い気持ちから救ってくれたのは、
同室に入院している先輩方だった。
いろいろな話をしているうちに、たくさんのこと、そう、病気のこと、
病院のこと、家族のこと、ドクターのことなどを教えてもらった 。
このおかげでだいぶ気分が晴れた。
そうでなければ右往左往するだけだったでしょうから。
しかし、この後経験することは、予測など及ばない
とてつもない世界だった。
自分が崩壊してゆくのがわかるくらいだった。