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●命が見えてきている●安楽死●バイオ●延命

2012年08月27日 22時19分36秒 | 色んな情報
●命が見えてきている●安楽死●バイオ●延命
★安楽死(あんらくし) [ 日本大百科全書(小学館) ] .http://p.tl/UmNo
安死術またはオイタナジーEuthanasie(ドイツ語)ともいう。この語源はギリシア語のエウタナーシャeuthanasia(「良き死」または「楽な死」の意)にある。安楽死とは、死期の切迫した不治の傷病者を死苦から解放するために死なせることをいう。安楽死には、傷病者の自然の死期を早める場合(積極的安楽死)と、これを早めない場合(消極的安楽死)とがあり、このうち人の生命の短縮を伴う積極的安楽死については、宗教、哲学、文学、医学、法学などさまざまな分野でしばしば論じられてきた。たとえば文学作品では、トマス・モアの『ユートピア』、R・マルタン・デュ・ガールの『チボー家の人々』、D・H・ローレンスの『息子と恋人』をはじめ、日本でも森鴎外(おうがい)の『高瀬舟』が安楽死のテーマを扱っている。[ 執筆者:名和鐵郎 ]
★尊厳死(そんげんし) [ 日本大百科全書(小学館) ] .http://p.tl/YatG
「必要以上の延命治療を受けず、人間らしい最後を全うしよう」という考え方にたって、回復の見込みのない時点での人工呼吸装置など機械的な延命工作を、あくまでも本人の意志に基づいて辞退、結果的に死を選ぶことをいう。こうした考え方が生まれた背景には、驚異的に発達した現在の医療技術がある。かつてなら死亡していたはずの重症患者が、機械によってただ生かされているに過ぎないという状態もしばしば出現するようになった。
日本では1976年(昭和51)から日本尊厳死協会(当時の名称は日本安楽死協会。本部は東京都文京区)が、市民運動的な活動を続けてきた。「死期を人工的に引き延ばすための措置の拒否」「植物状態での生命維持措置を拒否」「苦痛を和らげるための麻薬使用などは認める」などを唱えている。ただしこうした措置を医療側にとらせるためには、それが間違いなく本人の意志だと知らしめるものが必要になる。そこで考え出されたのが「リビング・ウィル」である。「生前発効の遺言」とでも訳すべきもので、患者本人の意志、判断力が正常なときに、尊厳死を望むことを本人の直筆で署名を添えて同協会へ登録しておくのである。2003年(平成15)時点の登録者は10万3150人。アメリカではほとんどの州でリビング・ウィルを法制化している。[ 執筆者:高三啓輔 ]
★死生学(しせいがく) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
「死」について早くから教育し、心構えができていれば、より人間らしい終末が迎えられるとする学問。死は医療の分野でも日常生活のなかでももっとも忌まわしいものとして考えられてきたが、この考え方が、たとえば濃厚治療などの弊害をうみ、人間の尊厳に満ちた死を妨げているのではないか、という観点から提唱された。上智大学教授(哲学)のアルフォンス・デーケンらが1960年ころから意欲的に先導、理解する人たちもふえている。終末期医療のあり方、尊厳死、安楽死といった概念もこの学問の範囲内にあると考えられる。オランダでは2001年に、国家レベルでは世界で最初の安楽死を合法化する法律が成立し、死生学にも新しい局面が広がることになる。
★バイオエシックス(ばいおえしっくす) [ 日本大百科全書(小学館) ] .bioethics
生命を意味するバイオbio、と倫理を意味するethicsの合成語で、生命倫理あるいは生物倫理と訳すのが妥当であろう。内容的には、生命に関する倫理と、生物学の基本原則にたつ倫理という二様のとらえ方ができる。ここでは、主として前者について述べる。
生命に関する倫理は、これまでは「医師の倫理」あるいは「医療の倫理」とよばれていたものであるが、医療の科学技術化の発展と人権意識の高揚とが相まって、より広い立場から、生命、とくに人間の生命に対する干渉の是非を検討しなければならなくなったという背景をもっている。かつての医療者は、病人、すなわち自分の身体的な問題を自ら解決する手段をもたず、また、そのために不安に陥っていることを特質とする者からの援助の要請にこたえるため、役割上全能の救助者として行動し、それを内面から支えるのを医療の倫理と考えてきた。さらに社会的には、すべての判断や処置を患者のために行うこと、患者のプライバシーを守ることなどを基本にした倫理綱領を同業者相互で確認することによって、業務独占、あるいはほとんど無条件での信頼関係を得ていた。医療の倫理の提唱者でもあったヒポクラテスによる「ヒポクラテスの宣誓」や、世界医師会World Medical Associationが医師としての行動規範を定めた「ジュネーブ宣言」(1948)は、その代表的なものである。
しかしながら、医療が人権にかかわるものであることが認識され、さらに技術的性格が強くなったことから、一方においては患者の主体性が明らかとなり、他方では知識や技術内容の公開性が前面に出ることとなった。このため、無条件の信頼関係は、条件を明らかにしての契約関係に近づいたわけである。これまでは明文化されず、主治医の脳裏にのみあった診療についての判断や意志決定は、論理的に説明することが求められる。たとえば、行動異常のある者に対して強制的な入院、与薬、脳手術などを行うことの当否もその一つである。また、安楽死をはじめ、脳死や植物状態にある患者に対する治療継続の適否、臓器移植、体外受精、出生前診断、人体実験など、これまでの倫理学説でも意見の分かれた諸問題も深くかかわってくる。
最近は、遺伝子組換えや行動科学など、従来の医学の領域を超えた部分で開発される技術が社会的に大きな影響をもつようになってきたため、バイオエシックスの研究は、ますますその重要性を増している。アメリカでは大統領直属の委員会が設けられているほか、多くの医学や生物学の研究組織に倫理委員会が設けられ、基本的原則の検討をはじめ、個別的適用範囲とその管理といった運用面での具体化も進められている。イギリスにもほぼ同様な組織が展開され、実際に活動段階となっている。
なお、生物学の基本原則にたつ倫理という面では、分子遺伝学や動物行動学からの発言がさまざまになされているが、賛否両論あり、一定の方向をみいだすにはまだ時間がかかると思われる。[ 執筆者:中川米造 ]
★自殺関与罪(じさつかんよざい) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
人を教唆しもしくは幇助(ほうじょ)して自殺させ、または人をその嘱託を受けもしくはその承諾を得て殺す罪であり、6月以上7年以下の懲役または禁錮に処せられる(刑法202条)。その未遂罪も処罰される(同法203条)。外国には、かつて自殺を犯罪とする立法例もみられたが、日本では、自殺そのものを犯罪とする立法は存在しない。しかし自殺が犯罪とならないからといって、他人の自殺に関与することは、やはり他人の生命を否定する行為であるから、本人自身が自殺することとは質的に異なる。そこで、自殺に関与する行為を犯罪とする諸外国の立法例は多い。日本の刑法も、嘱託(依頼)・承諾(同意)による殺害行為と自殺の教唆・幇助とを自殺関与罪としてあわせて規定しているが、被殺者の意思に反する殺人(同法199条)より刑を軽減している。
本罪が成立するためには、被殺者が、自殺の意味を認識しうる能力をもつとともに、自由な意思決定に基づき真に自殺をする意思を有しなければならない。したがって、幼児や心神喪失者(たとえば精神障害者)の「自殺」に関与したり、暴行や脅迫により「自殺」させれば、むしろ普通殺(刑法199条)に該当する。ただ、欺罔(ぎもう)(あざむきだますこと)により自殺の意思を生じさせる場合、とくに追死(ついし)の意思がないのに、これを偽って「心中」をもちかけ、相手を自殺させる事案については、通説・判例は普通殺にあたると解しているが、自殺それ自体につき意思を有している以上、動機の錯誤にすぎないから、自殺関与罪にあたるという見解が有力に主張されている。嘱託殺人の場合は嘱託の有無が問題となる。これに関連して「任意的安楽死」すなわち、被殺者の意思による安楽死も本罪の構成要件に該当するが、違法性阻却事由(違法性の認定が排除される特別な事情。違法阻却事由ともいう)にあたるかが問題となる。[ 執筆者:名和鐵郎 ]
★クローン羊(くろーんひつじ) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
親の核と同一の遺伝情報をもつヒツジ。1996年7月にイギリス・ロスリン研究所がその誕生に成功し、「ドリー」と名づけられた。ドリーの誕生は1997年2月に発表された。成長したメスのヒツジの体細胞の核だけを、別の成長したヒツジの未受精の卵細胞の核を除いたところへ移植し、化学処理によって分化と細胞分裂をおこさせ、さらに別のヒツジの子宮に移植して代理母として育てさせ、出産によって誕生させた。この過程のうち、カギとなったのは分化・細胞分裂をおこさせる技術。従来の受精卵分割・核移植などのクローン動物作出技術に対して、この技術を用いると親の遺伝情報をそのまま受け継ぐことができる。さらに、導入する核にあらかじめ有用な遺伝子を遺伝子導入できれば、特定の機能はもっているが、その他は親と同じ遺伝情報の動物を誕生させることが可能になる。実際にロスリン研究所では、1997年7月ヒトのある遺伝子を組み込んだクローン羊「ポリー」の開発にも成功している。これは動物工場に通じる技術である。なお、ドリーは1998年4月、別種のオスのヒツジとの自然交配により「ボニー」(メス)を出産、さらに99年には3頭を産んだが、2003年2月肺の疾患により安楽死処分とされた。その後も、ドリーの開発者であるイアン・ウィルムットIan Wilmut(1944― )は、その技術をベースにヒト・クローン胚の研究を推進していた。しかし京都大学教授の山中伸弥(しんや)(1962― )らが新型万能細胞であるiPS細胞(人工多能性幹細胞)の作出に成功したことが公表された後、2007年、ウィルムットは自らの手法による開発の断念を発表した。[ 執筆者:飯野和美 ]
★クローン(くろーん) [ 日本大百科全書(小学館) ] .clone
同じ遺伝組成をもった細胞または個体の集団。クローンをつくるための繁殖法はつねに非交雑的であるから、これを分枝系または栄養系ともいう。植物の1個体から挿木や取木などによって栄養繁殖的に生じた個体集団を元来クローンとよんだが、動物においても組織培養で1個の細胞から生じた細胞集団を、また菌類や細菌類でも単胞子培養で得られた細胞集団をクローンという。クローンによって得られた細胞または個体集団は、交配による遺伝子の交換がおこっていないので、突然変異がおこらない限り遺伝子型も表現型も一定に保たれている。植物では品種の保存管理によく利用されている。1987年にはアメリカで哺乳(ほにゅう)動物(ウシ)の受精卵を取り出し、機械的に個々の細胞に分割し、各分割卵を発育させてクローンをつくることに成功、96年にはイギリスで体細胞利用によるクローン羊が誕生した。[ 執筆者:吉田俊秀 ]
★クローン牛(くろーんうし) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
親と同じ遺伝情報をもつウシで、1996年にイギリスで作出されたクローン羊「ドリー」と同じように成体(大人)の体細胞から生まれたものと、従来の受精卵分割・核移植によるものとがある。技術的には受精卵クローン牛のほうが古く、1987年アメリカで初めて誕生し、日本では90年(平成2)に誕生した。その後、実用化技術として一部のウシの生産に活用されている。日本でも食肉用としては1993年から、牛乳用としては95年から出荷されている。一方、成体の体細胞からクローンを作出する(体細胞クローン)技術の開発は、1990年代に活発化した。日本では優良家畜の生産にクローン技術を利用するためのプロジェクトが、国や地方自治体の研究機関、民間企業で活発に進められた。その結果1998年7月、近畿大学と石川県で、成体のウシの体細胞を使ったものとしては世界初のクローン牛が誕生した。その後、各地で体細胞クローン牛がつぎつぎに誕生しているが、さらに死産などの発生率や誕生後に死亡する子牛数の低減などの技術的課題に関する研究も続いている。この体細胞クローン技術による家畜の作出技術の開発には、欧米諸国も積極的であり、ウシ以外の哺乳(ほにゅう)動物へも応用されている。クローン牛では、すでに肉質など品質のよいウシの安定生産が可能である。さらにウシ以外では、クローンのブタやヤギも誕生している。2008年現在の課題は、クローン牛やブタの食用としての利用について、「食の安全性」の側面からの検討である。2008年1月、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、「クローン牛やブタは、従来から流通しているウシやブタと同様に食用として安全である」という判断を下した。2008年4月1日、日本の厚生労働省は、「クローン牛やブタの食用としての安全性について」、食品安全委員会に健康影響について評価するように諮問した。[ 執筆者:飯野和美 ]
★体細胞クローン(たいさいぼうくろーん) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
哺乳(ほにゅう)類の成体(大人)の体細胞から生まれたクローン。体細胞としては、乳腺細胞、卵管細胞などが使われている。1997年2月に発表されたイギリスのクローン羊が世界初(誕生は96年)。1998年(平成10)7月には日本で、体細胞クローンによる初のクローン牛が誕生した。クローンとは遺伝的に同一の個体や細胞の集合をさすが、ウシなどの哺乳類のクローンの作出方法の一つとして体細胞を使う方法がある。優れた特性、たとえばウシの場合であれば良質の肉質や高乳生産量のウシを親と定め、その親牛の体細胞をドナーとして、ドナー細胞に特殊な処理をした後に核だけを取り出し、未受精卵の核を除いたところに核移植してクローンを作出する。つまり、受精というプロセスを含まない無性生殖のために、ドナーと同じ遺伝子特性が後代のクローンに受け継がれるはずである。こうして生まれたクローン動物は、高い品質の家畜の生産や実験動物などの分野で応用可能であり、世界的に研究開発が進んでいる。しかし、動物によっては、作出の成功率や食用を目的とした場合の安全性の確認など、未解決の課題もある。[ 執筆者:飯野和美 ]
★バイオテクノロジー(ばいおてくのろじー) [ 日本大百科全書(小学館) ] .biotechnology
特定の物を生成したり、有用な作用・役務を得るために、生体機能を活用して素材を処理する科学技術、ないしその技術体系の通称。1980年代初頭、国際社会に登場した科学技術用語で、日本では生命工学、生物工学などと称されている。時代とともに、その語意、範疇(はんちゅう)・分野に顕著な変化がみられる。それは、(1)社会的見地――知識か応用か、(2)総合的視点――生物分子から集団に至るどのレベルか、の相違による。http://p.tl/Beae
★動物工場(どうぶつこうじょう) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
動物の体内を利用して特定の物質を生産する技術。たとえばウシ、ヤギ、ヒツジなどの哺乳(ほにゅう)動物に、特定のホルモンなどの物質産生に関与する遺伝子を組換え技術によって組み込み、乳汁などのなかに目的の物質を分泌させるといった方法である。海外での研究・開発が先行しており、現在開発が報じられている物質としては、ヒト血清アルブミン、ヘモグロビン、インシュリンなどがあげられる。実際に、2006年8月、アメリカのGTCバイオセラピューティクス社は、クローン山羊(やぎ)に生産させた血液凝固を防ぐ作用をもつヒト組換えアンチトロンビンのヨーロッパにおける販売についての承認を、ヨーロッパ医薬品審査庁(EMEA)から取得した。動物工場の利点は、細胞や微生物を使用した組換え医薬品の生産よりも多量生産が可能なこと、医薬品工場よりも施設設備費や生産にかかるコストが低いこと、などである。一方今後解決すべき問題としては、動物工場として有用な動物の飼育方法の確立や動物の安定化に長期間かかる、動物の飼育・管理は人手と手間がかかり、自動化しにくい、動物を使うために感染やコンタミネーション(汚染)の危険性が高い、などの点があげられる。こうした課題のクリアと、目的物質を分離する方法について収量の向上と効率化が必要である。[ 執筆者:飯野和美 ]
★遺伝子工学(いでんしこうがく) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
ある遺伝子DNA(遺伝子の本体であるデオキシリボ核酸)と生細胞内で自己増殖できるDNA分子を酵素などを用いて試験管内で切断し、つなぎ換えて新しい組合せの遺伝物質をつくり、それを宿主生細胞内に移入して増殖させ、得られる遺伝子およびその産物を利用する技術をいう。組換えDNA実験、あるいは遺伝子操作ともいう。
遺伝子DNAと結合するのに用いられる自己増殖性のDNA分子はとくにベクターvectorとよばれ、遺伝子の運び手として働く。ベクターとしてはプラスミドやある種のウイルスが用いられる。プラスミドは主として大腸菌など細菌類にみられるF因子、R因子、コリシン因子など自己増殖性の細胞質因子である。遺伝子DNAとベクターの結合したものは組換えDNAである。組換えDNAを取り込んで増殖する宿主細胞は組換え体とよばれる。この組換え体を増殖させて目的とする遺伝子を多数複製させることは遺伝子のクローン化gene cloningといわれる。[ 執筆者:石川辰夫 ]

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