生活をたのしむ 街みどり・庭みどり

緑の暮らしの専門家がお届けする、一人ひとりの毎日の暮らしをもっと嬉しく、幸せにする、カフェのような心地よいみどりをご紹介

街ナカみどり 芝離宮庭園

2015-12-12 06:00:07 | 街ナカみどり
【心地よいみどり123】

おはようございます。
昨日は水たまりができるほどの雨でしたね。
落ち葉が鮮やかな色となり、いつもの歩道が楽しくなります。
雨もいいですね。




今回のみどりは浜松町駅の目の前にある
旧芝離宮恩賜庭園のみどりをご紹介します。



東京モノレールや大門、バス乗り場、増上寺のある反対側は
よく利用しますがこちら側(芝離宮)は初めて訪れました。

ちなみに増上寺の景色はこのような賑わいある場所です。

昔は門前町として栄えていたのだろうな…という雰囲気が
漂っています。なかなかの魅力ある空間です。

また、東京タワーとのコラボが新鮮です。








その栄えている側とは異なる、ゆっくりと時間が
流れているのが、旧芝離宮恩賜庭園です。


1678年幕府老中の大久保 忠朝が「楽寿園」として造った庭です。
幕末には紀州徳川家の芝屋敷となり、明治に宮内庁が所有して芝離宮と
なりました。

もともとは大名や将軍家、皇族が癒やされていたみどりです。

池泉を中心とした回遊式の大名庭園です。
小石川後楽園のような西湖の堤や中島、9000平米の広さの
池である大泉水があります。


これはこれで素晴らしいのですが、

街ナカの伝統的な庭園は今の建物とデザインが合わないので、
どうしても違和感を感じます。

なぜ、増上寺と東京タワーは良くて、
ここはダメなのだろう…と考えてしまいます。



風景になるべくバックの背景が入らないようにと
努力しますが難しいですね…





ここの庭園の見せ場である灯篭です


池に映りこむビルが邪魔だと考え、
横にズレると、。なんだか……という景色になりますね。



こじんまりとした庭園ですから、
ゆっくりと歩いても30分程度で散策できました。




10月桜や水仙が咲いています。
花が咲く周りは植物の刻む時間が流れています。



目の前、近景を目で追う、楽しむ現代の日常の視界、動線と

広がりがある視界が見えてしまう大名庭園では
今の街の作りが合わないのですね。

遠景でも美しい街のデザインがされていたら、
このようには感じないのですが…

もう少し取り囲むみどりが多ければ調和できるのでしょうが…
今の庭の景色を老中の大久保さんが見たら嘆くでしょうね。

昔はビルの景色ではなく、青空だったと思います。

過去と未来をつないでいる「みどり」ですので、
是非、このやるせない気分をご体験ください。





【心地よいみどりの方程式】

◾️庶民が立ち入れない場所だった秘密のみどりが、
誰でも体験できる場所として、浜松町駅の隣にある

◾️都心の景観は、今の時代、近景が主役となっている

◾️本来、遠景の景色も楽しむ場所はみどりの壁がないと、
雰囲気が台無しとなる