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Blue Moon Cafe

~since1999~

アバヴだ

2017年01月12日 | 瑠璃色ノート
「お姉ちゃんの小っちゃかった頃って前髪ON眉で、今の時代先取りしてたよね。」と風花。

ONっていうよりAboveだね、と言うと「・・・何?その、、、なんとかバブって・・?」

Aboveも知らないのか。さすがゆとり世代。

ONは物体に接している時の上部、Aboveは平面上の離れた上部、Overは空間上部。

ONだと眉スレスレでAboveはおでこのココら辺、Overはこんな感じと手振りで説明する。

風花は全部英会話はONで済ませ、Aboveを聞き取れなかったのではないの?

「授業でもハワイ(研修)でも出てこなかったよ。」もしや死語か?なわけないか。

私の学生時代はオンザ眉毛、もっと短い前髪をAboveザ眉毛、と言っていたことを話す。

「面白~い、今度みんなに聞いてみようっと。えーっと、、なんだっけ、アバ・・?」

アバーー・・ダーーケダブラーー!ハーリー、、ポター、、「ぬ!ヴォルデモートっ!」

とひとしきり最後の死闘を繰り広げ、「チガウ違う、スペルは?アバab・・」との問いに

ナダル。ケバブ。アブダカダブラ。と迷走させ、自力で正解に辿り着け!というこの親心。
 
ちなみに、お姉ちゃんの前髪がなつめちゃんやクレラップ少女みたいにAboveだったのは、

前髪が目に入るとか視力が悪くなるのが心配のあまり、いつも母が切り過ぎてたからダカラ。

ドライビングmissデンジャー

2017年01月11日 | 瑠璃色ノート
寒波到来。凍った雪道でブレーキ踏んだら、ズルルルーと嫌な感じの横滑り。おっと!

これがタイヤが滑るって感じか、ブレーキ踏む時は気をつけなきゃ、と初めて実感する。

去年は今よりもっと下手で余裕が無かったので、事故を起こさなかったのが奇跡みたいだ。

もし夫が助手席に居たら、「車間距離もっと取って!」だの「急ブレーキかけんな!」

「もっと前からスピード落として!余裕持って止まれ!」「前の前の車の動きも見て!」

とかなんとか怒りっぱなしなんじゃないかな、と思う。

わかってるよ、と口答えしようものなら、さらに怒られるだろうなあ、とか思う。

こんな風に、多分こんな時はこんな風に言うだろう、するだろうと想像できることが

胸の中で生きてる、だとか、ずっとそばに居るってことなんだろうな。

本当は居ないのに。

なあ、車なんて運転するの止めてくれよ、会社勤めなんてしなくたっていいだろ?

お前は家で安全にのんびり暮らしていてくれれば俺だって安心なんだ、頼むよ、、、

と前みたいに言うだろうなあ。でも、妄想の産物には、私も車も、止められないの。

冬色物語

2017年01月08日 | 瑠璃色ノート
「手袋わすれたー」と走って玄関戻ってきた風花に

そんな!デートなら手袋なんて要らないよー、

お母さん、これまで手袋なんてしたことないよ。

いつだってお父さんが自分のポケットで手温めてくれたもん!

過去の記憶とこれからの未来に、お互い少し照れる。

昨秋、人生初めて出来た彼と、初々しい今年初のデート。

手は片方しか温まらないのか、否、方法は幾通りもある。

それは誰かに聞いたり教えられてするものじゃなく、

二人の間で出来上がっていくものだから教えない。

冷たい氷のような手で会う、から始まるストーリー

きっとこの先、心を温める思い出になる。

私はすること無いので、ハンドクリームでも塗ってみる。

インドの洗礼

2017年01月07日 | 瑠璃色ノート
インドから帰国した風花の体調が、一週間経ってやっと回復した。

腸チフスかもしれない、赤痢かもしれない、と泣いてたのが嘘みたいだ。

滞在中からお腹を下し続け、二度ほど高熱でダウンしげっそり痩せて、

ヨガの達人みたいな体型になって帰ってきたが、ともかく無事で良かった。

インドへ行くのは、風花が大学入る時からの夢だった。

私もインドには前から憧れていたので「よし、行ってこい」と大賛成。

しかし聞くと見るでは大違い。不衛生極まりないゴミ箱のような街。

物乞いや物売りの子どもや大人に毎日まとわりつかれながらの研修で

道端に死にかけの動物や人間が寝ていて、ガンジス川では火葬や水葬。

食べては下し、食べることが苦痛になって日本は天国みたいに思えたと

そんな過酷な毎日で、帰国してからも下し続けて苦しんだけど

「行ってこれて良かった、本当に良い経験させてもらった。」

インドの子どもみたいに澄んだ瞳で言った。

「でも、もうインド行くことは無いな、多分」とも。

新人OLオールドレディ

2017年01月04日 | 瑠璃色ノート
20年ぶりにフルタイムで働くOLになり一年半。今では随分仕事に慣れたが、当初は

ワードは少々使えるが、エクセルはてんでダメだし、パワーポイントは初めて見るし、

ドキュワークスにスキャナーにPDFにTIFFに果てはCADまで入り乱れる職場。

コピー機からパソコン、ネット、メール等ひとつひとつ年若い先輩達に教わる恐縮の日々。

(使えねえオバサンだなあ)とか思われてるだろうなあ、と思いつつ謙虚に初心に帰って

分からないことは理解するまで聞いて、二度と同じ質問をしないで済むように

新しいことを覚えたらメモする、という20年前よりレベルアップした二度目の新人。

さらに、忘れないうちにワードに清書して、項目別に『お仕事マニュアル』を作成。

この先、高校出たての真っ白な新人後輩が入社して来ても、コレで一目瞭然。引継完了。

明日は誰かに教える立場になると思って取り組むと、緊張感持って覚えられるよ、と

風花に先輩風を吹かせてみたりする。

出来ないと言わない、二度同じことは質問しない、同じミスはしない、経過は都度報告

最後は必ず誰かにダブルチェックしてもらう、と念には念を入れ、慎重に速やかに、と

努力はしているが、ミスは出る。オーマイガー。そのミスを上司が相手先に謝らねばならない

無力さと「大したことないよ」とフォローされる申し訳なさとで居たたまれなくなる。

そんな時は、異業種OLで新人教育係が板についてきた長女に泣きついてみたりする。

ノンストップ・アクション

2017年01月03日 | 瑠璃色ノート
「スピード」みたいな映画とかドラマとか何かでよくあるシーンの

ものすごいスピードを出す乗り物の運転手が銃弾浴びたり頓死で倒れて、

暴走するので急遽操縦も分からないまま運転席で運転を引き継ぐ、みたいな

きゃーー、誰か止めてー、どう進んだらいいのー、どうやって操縦するのー

と絶叫しながらとりあえずハンドル握って、応援や救出を待つ、的な状況。

夫が居なくなって、私がそんな風に人生の運転席に移動して狼狽の日々。

映画ならヒーロー参上。操縦方法を教えてくれたり、窓から乗り込んで来て

運転を代わってくれたりするものだが、これは映画のそれじゃないので

助けは来ないし、一人実践で操縦を覚えていくしかないと覚悟を決める。

実際私はペーパードライバー歴が長く、運転が苦手で、怖いし、嫌いだ。

夫はとても運転が好きで上手だったし、全て任せていれば安心で快適で

私はずっと助手席で夫の行くところについて行けば良いんだと思っていた。

一昨年車を買って、二十数年ぶりに運転を始め、毎日車通勤している。

ちょっとずつ上手になって、車道の流れに乗って行動範囲を広げて、

目的地とルートを決めて一人で行くことにも、ヘタなりに慣れてきた。

ホントは助手席に戻りたい。でも、今の車で助手席に乗ったことは無い。

心はまるで革のようで

2016年12月31日 | 瑠璃色ノート
病気は周りの人の心も疲弊させる。

なので、夫が不治の病でも友人知人、双方の両親にさえ間際まで内緒にした。

喜びは分け合えば増え、悲しみは分け合えば何分の1かに減るとか言うけど

私達の悲しみを相手に持ってもらう時間は出来るだけ短い方が良いと思ったのだ。

娘達も同様に苦悩と秘密を抱える素振りも見せず、健気に明るく普通を貫いた。

余命宣告されて死と隣り合わせの日常を、平穏に笑顔で普通をやり通す生活は

心が固くカサカサになってボロボロになって擦り切れていくような感じだった。

悪条件下で酷使する革の帯紐が摩耗し風化していくみたいに。

いよいよ隠し通すのが難しくなり、夫の知人らには病気を開示し、沢山の人から

励ましや慰めの言葉や品物をいただいたが、私の悲しみが減ることは無かった。

減ることが無いなら誰とも悲しみの共有なんて出来ない、したくないと思った。

そんな水臭く偏屈な私は、悲しみを抑えすぎて感情機能不全になったけど。

風化した心にもう一度水分と潤いを与えて磨きをかければ、また元通りになる。

簡単なことでは無いし時間もかかるし、深い傷やなんかは残るだろうけど、きっと

それが味とかになってしなやかさや艶やかさを取り戻していくんじゃないか、と。

そんな希望はある。

ブランク後の初体験

2016年12月29日 | 瑠璃色ノート
仕事納めの後は、毎年恒例の温泉一泊付きの社員全員揃っての大忘年会。

宴会場でコンパニオンさんのもてなしを受けながら、食べて飲んで一年の憂さ晴らし。

部屋はホテル仕様のダブルルームに1人という贅沢。去年は旅館で一部屋3人だったから

ホテルの部屋で一人で寝るのって、OL時代に東京研修に行った時以来だ。

いつもなら足元で丸くなる猫が居ないし、ベッドは広いし、乾燥してるし空気が臭い。

「・・もう一回お風呂行って来ようかな、、髪の毛タバコ臭くなっちゃったし・・」とか

独り言をつぶやいては、狭い空間で落ち着くような落ち着かないような夜を過ごす。

「落ち着いたら旅行とか一人で楽しめば良いんじゃない?」と多くの人から助言されたけど

一人で観光地回ってホテルに泊まって、一人でご飯を食べて、一人ベッドで寝て起きて、

朝食バイキングも一人って、そんなのしたこと無いから、持て余してしまうんじゃないかと

楽しい図が想像出来なくて。結局ホテルの1人部屋では予想通り心もとない思いをしたわけで。

一人旅が今後私の趣味になるとはまだ思えないけれど、その練習は出来た。のかなと。

二人暮らし

2016年12月24日 | 瑠璃色ノート
(オカーサン、オカーサン、フーカ何処?お部屋にも居ないよー、どこに行った?

フーカと遊びたいの、ガブってしてケンカして遊びたいの。フーカは?おーい!!

オネーチャンも居なかったー、お部屋に居ないのどうして?オネーチャンにアイタイ、

おうちのどこにも誰も居ないねー、誰か居ないかー!どこにいるー?あれ~?あれ~?)

と、ウチのオス猫(8歳)は家中をパトロールしてみては「んな~~?んな~~?」と

疑問形で何かをしきりに私に訴えかけてくる。

そうだね~、誰も居ないね、風花は今インドにいるの。インド。お勉強で。

お姉ちゃんはお嫁に行ったの。

ん~、わかんないよね~。でもオカーサンが居れば良いよね、

と、話しながら溺愛し、なでまくっていると、すっかり何もかも忘れてしまうネコ。

(ほらほら、見てみてーー、ゴロリンするよ~、ゴロり~ん、ゴロり~ん、

ホラお腹だよ、オカーサンの好きなお腹のふわふわだよ~、両足ピーンでにゃにゃんってしたよ)

上手なゴローンだね~、いいね~、上手だね~、

お腹もふわふわだね~、はい、ゴローン、伸び伸び伸び~~ん、上手だね~

と、永遠に猫なでを繰り返す。

無題

2016年12月22日 | 瑠璃色ノート
長女は朝の通勤途中のバスの中で、突然涙が出て止まらなくなることがある、と言っていた。

なんなんだろうね、バスの中で号泣・・って、ね。

と笑っていた。

私も風花も笑ったが、それぞれに心当たりがあることに黙って(・・ふ・・)とうつむく。

あの娘達の父親が死んだ日のことを、詳しく思い出したりしない。

ただ、忙しかった、とだけ記憶を拾う。 体はクタクタに疲れていて思考力も低下して

とにかく次から次へとやることいっぱいで、寝る間もなかったな、という感じ。

22日に亡くなって、イブにはお通夜でクリスマスがお葬式。

悲しかったことは覚えているが、どんな風に悲しかったのかは思い出さない。

出産が痛かったことは覚えているが、どんな痛みだったのか忘れてしまうのと同じだ。

あれから2年。会社へ向かう通勤の運転中に別に何も悲しくもないのに涙が出てきた。

なんなんだろうね、と娘達と笑いたくなった。