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Blue Moon Cafe

~since1999~

りゅうしゃん

2021年03月20日 | 瑠璃色ノート
『可愛い砲』抱えた長女がやってくる。

娘婿が「さあ、るーさん家ついたよ」と玄関で靴を脱がせていると
「りゅうしゃんちついたねぇ」とぴょんぴょん跳ねながら万歳する。
(もう私あ『りゅうしゃん』に改名するよ)というくらいの愛らしさだ。

コロナ禍での子育ては大変だ。買い物はおろかどこにも連れていけない。
1歳8か月で遊びたい盛りの娘のあり余る体力を消耗させるために
隔週でお互いの実家を訪れる。外食代わりのお昼ご飯と手土産持参で。

上着を脱ぎ靴下も脱いで身軽になった可愛いミサイルが発射される。
仏壇に駆け寄り「ジッジ、ヤッホー」とリンを盛大に鳴らし続ける。
リンを鳴らしながらお唄を歌い、踊り、次々と新芸を披露してくれる。

すると突然始まる点呼
「ぱぱー!」はいっ「ままー!」ハイッ(揃って手を上げて次を促す)
少し恥ずかし気に「りゅうしゃーん」ハイ!!可愛いが追い付かない。

「両手で円を作って見せると顔をスポっと入れに来るんだよ」と長女夫婦。
試してみると次々に顔をはめ込みに来る。レッサーパンダ級の可愛さだ。

午睡のサインが出たので、ハイタッチとハグして「オザマシマッター」と
帰って行った。『可愛い千本ノック』を受けた後のような幸せな疲労感。

部屋から閉め出された事件

2021年03月07日 | 瑠璃色ノート
独り暮らしなのに「締め出し」をくらった。

洗濯(コインランドリー)と給油・洗車を終えて、自宅の鍵を開けたら『ガッン!』
内鍵がかかっている。緩んだ内鍵が閉めた振動か何かで留め金を咬んだみたいだ。

(くすん)

日曜で管理人さんは居ないし、両隣りもどうやら不在だし最悪旅行中かもしれない。
(お隣のベランダから乗り越えて自分ん家に入る目論見は潰えた。危険だし違法だし)

ふかふかに乾いた洗濯物を畳みながら録画のドラマと映画を観る幸せな午後の予定が
もう夜まで家に入れないかもしれない。
というのは絶対困る!

スマホで検索したら『U字ロックを開ける方法』というYouTube動画が出てきた。
荷作り用のナイロン紐を買いにマツキヨに走り(ウチは築深物件だけど目の前
コンビニとマツキヨなのは超便利なんだよなあ)と、建物見上げて溜息をつく。

早速動画を見ながら試してみるが、動画みたいに簡単にいかない。
何十回と試してみてもU字ロックの先端まで紐が届かないせいでうまくいかない。
管理会社の担当と繋がり「紐を使った解除の経験があるので夕方までには伺えます』
とは言われたけれど、話しているうち自力でやるのが一番手っ取り早いと覚悟する。

立ちっぱなしで足腰も疲れ、当たって砕けていると脱力感と疲労感が増してくる。
苛立ち、泣きたくなり、手も凍え。ふと。全部取り払って最初からやり直してみる。
あれ?と思った瞬間理解した。紐をくぐらす向きが逆だった。
分かった途端ドアが開いた。
15時のリビングは陽光にあふれ、明るく暖かかった。
次から内鍵解除はお手の物だ。そして同じように困っている人の助けにもなれる。

夫もいない。恋人も男友達もいない。だけど私は大丈夫だ。この先も多分。

個のままでいい

2020年04月25日 | 瑠璃色ノート
2018年は迷走していた。
なかなか新たなパートナーに巡り合えないことに苛々して、自分は人として『欠けている』『備わっていない』存在みたいで、『恵まれない』『惨め』な気がして仕方なくて。

努力が足りないんじゃないか、とか、待ってるだけではダメなんだ、と、今思えば切羽つまっていた。
40代なら『アラフォー世代+α』に無理矢理とどまっているから少し余裕だけど、50超えて51とか52ってそういうギリギリの細道を歩いてるみたいなトコがある。

なので決心してマッチングアプリ登録。砂漠で砂金を探すような大変さで、ヘンな人が多かった。
何人かと会ってみていろいろアップダウンはありつつ、見た目も性格も悪くない人とお付き合いに踏み切ったわけだが、結果的に4カ月余でフェイドアウトした。

顔も体も稼ぎも悪くない。とにかく私のことが好きで積極的にリードしてくれる頼もしい人、という条件には合っていた。会うと楽しませてくれる。好きでいてもらえるのはありがたいな、と思う。
だけど、悪くない、嫌じゃない程度の心持ちだと、ちょっとした負の要素が足を引張る。
やはりその他の欠点全てを帳消しにするくらいの「好き」という特別な『何か』が必要なんだな、と学んだ。

コロナ禍に突入し、会い続けるのに気が進まない私の態度に、LINEが途切れてそれっきり。
もう早起きLINEに毎朝返信しなくていいし、週末の誘いを断れない憂鬱な日々も終わり。
そしたらものすごく清々して解放感で毎朝起きる度幸せで「あースッキリ」という感じ。

マッチングアプリで会うのも、最近では飲み物に薬を入れられることもあるそうで怖い。
私は個のままでいいや。欠けてないし足りている。2年間迷走してたどり着いた答え。

ifー(畏怖)

2019年03月01日 | 瑠璃色ノート
心を読む人の存在を信じている。

(今向こうから歩いてくる人は人の心が読める人かもしれない)

とか思ってしまう。

昔読んだ小説のせいかもしれない。眉村卓とか筒井康隆とか。

だからどんな男性にでも心の中で(カッコいい)とつぶやいて

女性だったら(かわいい・美人・個性的)と脳にすり込んで

すれ違ったり、相手を見るようにしている。

『自分が嫌だな、と思うと同時に相手からも嫌われている』

この心理の裏工作、というか自己防衛本能、かもしれない。

思ったままに人を見ないで良いところを探してにっこり微笑む。

私の笑顔に嘘は無い。

どうか心を読む人に出会いませんように。



冷蔵庫から始まる物語

2019年02月09日 | 瑠璃色ノート
新年。初売りで新しい冷蔵庫を買って、キッチンの配置換えに伴う断捨離。

4人家族分の食器を捨てて、食器棚も処分。(業者引き取り処分費用8000円)

食器棚兼家電ラックには、長女が本棚として使っていたスチールラックを代用。

スペース広々。気持ちいい。惜しいけど使っていないものは捨てるに限る、と実感。

蛇口が壊れた洗面台も、すったもんだ3時間新品リフォーム。新しいって素敵だ。

次女が一人暮らしをしたいと言い出し、長女は6月に里帰り出産を希望するので

大型家具の処分を含めたリフォームと、住み替えを目標に不動産へ相談に赴く。

マンションの売り買いは困難が押し寄せてきて、嵐の中の小舟みたいな気分。

(誰か助けてくれないかなあ)とか思う。

そんなこと思っても誰も助けてくれないんだよ。

(誰か私を幸せにしてくれないかなあ)とか夢見てみる。

そんな夢見てたって誰も私を幸せにしてくれないんだよ。

自分を幸せにするのは自分ただ一人。自分の幸せを人任せにしちゃダメなんだ。

うん。わかってる。弱い自分ともう一人の自分。繰り返されるエブリデイ。

最近自分との対話にちょっと疲れている。

今年の一文字

2018年12月27日 | 瑠璃色ノート
レンタルDVDが再生出来なくなったレコーダーの不調が始まりだったか

夏の始めに冷蔵庫のアイスが溶け出し、テレビが突然点かなくなった。

レコーダーはDVD再生を諦め、冷凍食品や氷を保存するのを諦めたのだが

テレビは買い替えた。高額家電を自分一人で購入するのは初めてで緊張した。

築27年のマンションは半年かけて大規模修繕工事が行われた。

冬になって灯油を買って電源入れたファンヒーターから恐ろしいほど異音。

洗面台ではちょろちょろと、やがてじゅわじゅわ蛇口から水が漏れ始めた。

ファンヒーターは会社で使わなくなったものを譲り受けて寒さをしのいだ。

だけど、蛇口が壊れた洗面台は放ってはおけなくて修理業者を呼んだ。

見積もり3万5千円。蛇口交換だけで高いものだな、と納得しかけたが

ホームセンターで洗面台丸ごと交換でコミコミ5万円のを見つけて即決。

1月初めに取り替えることにして、それまでは元栓を開閉して使用する。

給湯器もキッチンも、水回り関係はとにかく27年分老朽化している。

来年はまず冷蔵庫を買い替えて、ついでに食器棚とレンジも処分しよう。

今年を漢字一文字で表すとしたら「老」かな、「朽」かな。来年は「新」

そういう年にしたい。

3人家族の終わりの日

2018年12月22日 | 瑠璃色ノート
待ち合わせのレストランに向かう道すがら。寒空を見上げると、満月だった。

4年前の今日は雪がふりしきる夜空を娘達と見上げた。天国に続く道を探して。

あの夜も満月だったんだろうか。と考えているうちに視界がぼやけてきた。

仕方ないなあ。悲しくないのに出る涙はきっと反射反応だ。

普段はすっかり忘れているのに、冬になると衝撃の余波みたいなのがやってくる。

命日ダメージを軽減するには、戦友である長女と次女と顔を見合わせて喋るに限る。

年に一度の超贅沢な食事に娘達の笑顔がはじけて、次から次へ笑い話に花が咲く。

食べて喋って笑っていないと崩れてしまいそうになるんだ。心も身体も気持ちも。

今年は、超人気フレンチレストランをM氏のツテで予約。命日だとはふせて。

「毎年お嬢さん達とディナーって、そこに娘婿が加わるってことは?無いの?」

と訊かれて、ハッとしながらも、ああ、と、なんとも言えない気もちになった。

娘婿を加えて、家族をアップデートする、それは当然の流れのようにも思える。

いつまでも夫と娘達と4人家族のチームを引きずっている私は無限ループの中。

一人減った3人のチーム戦ではなく、長女には新しい家族が出来たわけだし、

私はいつまでも娘二人の支えをあてにしてはダメなんだ。これからは個人戦だ。

そう心に決めて、美味しいディナーを食べた。喋って笑って。一緒に夜空を見た。

命の鎖

2018年11月22日 | 瑠璃色ノート
結婚して2年経つ長女が妊娠した。

嬉しい気持ちよりも先に安堵感。つまりホっとした。

(私は無事子供を産める人間を生み育てた)任務が解かれた、みたいな。

この世の家系図を空中に浮かべると宇宙みたくなる。気がしないか?

命の鎖同志が引き合い手繰り寄せ合いまたそこで一つの鎖が作られ綿綿と連なる。

それは途中で途切れても、はるかずっとずっと先の方で枝分かれしては別の鎖で繋がって

大きな螺旋を描いて。まるでDNAの螺旋みたいに現在まで続いているんだ。

もしかしたら、私たち人類はたった一人のイブの遺伝子を運んでいる一個の生命体なんじゃないか?

なんてね、孫が可愛いなんてちっとも想像つかない私だけれど、めでたいと思う。

孫が出来たって!?ついにおばあちゃんね、嬉しいでしょお婆ちゃん、なんて言われたくない。

(けっ)とか思う。

この欠如した私の遺した遺伝子も、いずれ有り余るソレを持った遺伝子と結びつき

きっとどうにか補われる。その可能性の塊が発生することを祝うそういう気持ちにはなる。

首がネックなんだ

2018年11月03日 | 瑠璃色ノート
「こいつ、女性のトシを一発で当てる通称=女性の年齢診断士」

 と紹介された人は長身で、驚くほど実の兄に顔や雰囲気が似ていた。

 昔は相当モテただろうな、というのが見てとれる40歳バツイチ。

 兄と同じタイプのハンサムは見慣れていてトキメクことは無いが

 周りの女性達の歳を次々と言い当てて、最後に私の横に座り、そっと

 私の実年齢を耳元でささやかれた時は(!)さすがにビックリ。

 なんでわかったの?!

 「まあまあそんなことよりLINE交換しましょう、また飲みましょう」

 と、屈託のない笑顔であれよあれよという間にスタンプ押す羽目になり

 登録名を見たらまたしても(!)兄と同じ名前だった。

 兄と同じタイプでしかも同じ名前だなんて。全然タイプじゃないけど

 後で「あいつ、手と首見ると女性のトシが判るんスよ」と謎が解け

 見れば見るほど可哀そうな手と首をなんとかせねばと入念なケアに励む。

 シワが薄くなれば若返る。そんなことは無いって解ってるんだけど。

チャラにして前に進む

2018年10月21日 | 瑠璃色ノート
同い年のセンパイに、自由人が集うクラブ的なBARに連れていったもらった。

普段私が行っているOLや主婦やサラリーマンしかいない飲み屋とは大違い。

業界人やらサーファーやらミュージシャンやら皆一匹狼『個』売ってます的な。

すでに「顔」である彼女に多くの人が寄ってきて内輪な話で盛り上がる。

ねえ、こちらはルーさん。未亡人なの。でもご主人の死後に裏切りが発覚して

傷ついているの。と会う人ごとに紹介してもらったおかげで「未亡人?」「未亡人!」

「未亡人って初めて見た!」と未亡人の神輿に乗せられわっしょいわっしょい状態。

「未亡人かあ、最高じゃん。バツイチと未亡人は全然っ価値が違うよ!。

バツイチが例えばルイヴィトン・・だとすると、未亡人はエルメスだからね。」

そうだよ、るーさん。私だってバツイチなんかじゃなく未亡人になりたかったわよ。

未亡人っていうのはもの凄い武器なんだから、上手に使わなくっちゃ勿体無いよ。

再婚して結婚生活上書きする?幸せな姿を見せつけて復讐するため恋愛をする・・なんて

いまだにずっとご主人を背負ってるのと同じことだよ、重いよ、重すぎる女はモテないよ、

もう許して忘れて前に進むの。その裏切りが発覚したからこうして若返って身綺麗にして

現役復帰を果たしたワケでしょ。その裏切りにも感謝して区切りをつけるの。

「そうだよ、まずさアその髪短くしてサ、茶色にして」「そうそう、もっと軽く、明るく」

黒髪以外の自分は想像できない。が、自由人達に口々に勧められるとそれもアリかも。

夫を許すことはできないけれど、チャラにする。発想の転換。開眼。「・・でさあ・・」

「定期的に抱かれといた方がいいよ」圧倒的存在感のボスが眼鏡の奥から目配せする。