Blue Moon Cafe

~since1999~

チャラにして前に進む

2018年10月21日 | 瑠璃色ノート
同い年のセンパイに、自由人が集うクラブ的なBARに連れていったもらった。

普段私が行っているOLや主婦やサラリーマンしかいない飲み屋とは大違い。

業界人やらサーファーやらミュージシャンやら皆一匹狼『個』売ってます的な。

すでに「顔」である彼女に多くの人が寄ってきて内輪な話で盛り上がる。

ねえ、こちらはルーさん。未亡人なの。でもご主人の死後に裏切りが発覚して

傷ついているの。と会う人ごとに紹介してもらったおかげで「未亡人?」「未亡人!」

「未亡人って初めて見た!」と未亡人の神輿に乗せられわっしょいわっしょい状態。

「未亡人かあ、最高じゃん。バツイチと未亡人は全然っ価値が違うよ!。

バツイチが例えばルイヴィトン・・だとすると、未亡人はエルメスだからね。」

そうだよ、るーさん。私だってバツイチなんかじゃなく未亡人になりたかったわよ。

未亡人っていうのはもの凄い武器なんだから、上手に使わなくっちゃ勿体無いよ。

再婚して結婚生活上書きする?幸せな姿を見せつけて復讐するため恋愛をする・・なんて

いまだにずっとご主人を背負ってるのと同じことだよ、重いよ、重すぎる女はモテないよ、

もう許して忘れて前に進むの。その裏切りが発覚したからこうして若返って身綺麗にして

現役復帰を果たしたワケでしょ。その裏切りにも感謝して区切りをつけるの。

「そうだよ、まずさアその髪短くしてサ、茶色にして」「そうそう、もっと軽く、明るく」

黒髪以外の自分は想像できない。が、自由人達に口々に勧められるとそれもアリかも。

夫を許すことはできないけれど、チャラにする。発想の転換。開眼。「・・でさあ・・」

「定期的に抱かれといた方がいいよ」圧倒的存在感のボスが眼鏡の奥から目配せする。

どうでもよくない人

2018年10月14日 | 瑠璃色ノート
貴方は何もわかっていない、なぜ私が決死の思いで家から外に出て夜の街にきて

自分をエサに釣りをするようなそんな真似をするのか そうせねばならないのか

貴方は何も知らない全然わかっていない、と私はムキになって語気を強めた。

だって「今でも貴女は亡くなったご主人のことを忘れられずにいるのでしょう」と

さぞかし愛し愛されていたことだろう、とM氏は一人で納得しようとしているので。

他のどうでもいいような人から言われるのなら、しおらしく曖昧にしておけば

勝手に解釈して必要以上に近寄ってこないので否定はしないでおくのが常だが

今夜はお酒が入っているとはいえ、無防備な人にボールをぶつけるようなことをした。

先日一人に打ち明けてしまったせいで、秘密の箱の鍵が壊れてしまったみたいだ。

あってはならない遺品と一枚の写真のせいで、私は疑問と怒りにのたうち回り

ついには夫との28年間をキリトリ別の場所に保存し、出会う前の二十歳から

人生をやり直していること、新たな愛を掴み夫に幸せのリベンジをすること、

夫とのことはもう前世の記憶のようなもので、これっぽっちも未練などないこと、、

全ての元凶である夫の秘密を話してしまった。失敗だったか?かもしれん。