
台湾の絵本作家、幾米(ジミー)という人をご存知でしょうか。
「君のいる場所」、「ブルー・ストーン」、「地下鉄」、「君といたとき、いないとき」、「幸せの翼」、「ほほえむ魚」などの作品が日本でも翻訳・出版されています。
彼は、急性骨髄性白血病という大病をした後、40歳のときに初めての絵本を出しました。
その美しくて可愛くてちょっと悲しいような独特の作風と、人の心の奥深くに触れてくるような話は、大人向けの絵本という分野を開拓し、彼の作品は台湾だけでなく世界中の人に愛されています。
ジミーの最新作「星空 The Starry Starry Night」の原画展「幾米星空特展」が、現在台北の華山創意園区で開催中です。
この会場は日本統治時代に建てられた酒造工場の建物群を、そのまま残しながら展覧会やイベントスペースとして使っています。
いわば、建物自体が芸術品で、木枠の窓やタイルを多用した建築の中にとてもさりげなく、ジミーの絵が展示してあります。
絵本の原画ですので、わりと小さめの作品が多いですが、中にはこのように、1枚のフレームに納まらない大きな作品もあります。
この展覧会のもうひとつの特徴は、分野の異なる14人のアーティストたちがコラボレーションしていることです。
音楽やナレーションを使ったマルチメディア作品や、インスタレーションで、ジミーの世界を更にふくらませています。
この部屋も、映像や天井のライトなど、部屋全体がアートであると同時に、原画の展示もしてあります。
まるでジミーのアトリエを再現したような、可愛らしいスペース。
でも、これもアートです。
これもジミーの絵からインスピレーションを受けた、インスタレーションです。
古い建物の雰囲気と相まって、なんともいえない空気をかもし出しています。
建物の2階に上がると、外に出られるようになっています。
この木にキノコが生えたようなものもアート作品。
屋根の上から台北の星空が眺められるので、夜に行くのがお勧め!
この素敵な建築が会場です。
絵本やアート、建築にご興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください。(尾)
幾米星空特展
華山創意園区 中一館(台北新交通システムMRT忠孝新生駅から徒歩5分)
2009年8月8日~10月31日 毎日午前10:00―午後10:00
入場料: 台湾元200元
http://starrynight.jimmyspa.com/
※9月25日(金)の番組「文化の台湾」では、幾米の世界をご紹介しています。
RTI台湾国際放送の日本語番組は、毎日1時間放送です。「文化の台湾」は金曜日の放送開始20分後から始まります。
オンデマンド放送は、当日の夜10時前後に更新され、1週間聴くことができます。
うゎー、1日だけの貸切りの日に当たってしまうなんて、本当にアンラッキーでしたね
でも、人気の画家さんですから、またチャンスはきっとあると思います。
ゆくゆくは、ジミー・アート・センターというのが華山にできる予定だそうです。