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『セブン・デイズ・イン・ハバナ』 (2012) / フランス・スペイン

2012-07-31 | 洋画(さ行)


原題: 7 DIAS EN LA HABANA/7 DAYS IN HAVANA
監督: ベニチオ・デル・トロ 、パブロ・トラペロ 、エリア・スレイマン 、フリオ・メデム 、ギャスパー・ノエ 、ファン・カルロス・タビオ 、ローラン・カンテ
出演: ジョシュ・ハッチャーソン 、ウラジミール・クルス 、エミール・クストリッツァ 、ダニエル・ブリュール
試写会場: ビルボードライブ東京

公式サイトはこちら。 (2012年8月4日公開)


 



ビルボードライブ東京で行われた、「ビルボードダイニングシアター with 7DAYS IN HAVANA~映画『セブン・デイズ・イン・ハバナ』の特別試写会」にクラブBBL会員応募枠で行って来ました。
去年も『ゲット・ラウド』プレミアをこの枠でいただきました。BBLの試写っておしゃれで楽しい企画が多いです。
今回はHavana Clubさんの協賛で、入場者にウェルカムワンドリンクのモヒートが振る舞われました。場内もHavana Club一色。


 





映画自体はハバナの魅力を7つの曜日に例え、7人の監督がそれぞれの感性で映像化したオムニバス、冒頭からハバナの空気満点。


最初の「月曜日 ユマ」は俳優ベニチオ・デル・トロの監督デビュー作となった。 異空間としてしかハバナを捉えられないアメリカ人の戸惑いと、それに続く世界共通の笑いとを対比させ、軽快なコメディとなっている。主人公のジョシュ・ハッチャーソンは期待の若手。


続く「火曜日 ジャム・セッション」。 何とこれに登場するのは本物のエミール・クストリッツァ(笑)。 ハバナ映画祭に出席するためにハバナにやってきた設定だが、このはちゃめちゃ振り、本当は素でやってるんでしょ?と言いたくなるような面白さ。
「俺のクソみたいな人生や映画を喜ぶ奴らに会いたくない。二度殺されるようなものだ!」 彼の動きから言動から、台本ないんじゃないかってくらいピタリとハマっている。
形式ばった世間の評価なんぞくそくらえ、破天荒に流れ込んだジャム・セッションに魅せられた彼はすっかり意気投合し・・・ そしてラストのオチで大爆笑。よく出てくれたなあという気もするけどほんと楽しかった。クストリッツァは監督よりも俳優としての方が断然好きなので余計にそう感じる。


そして「水曜日 セシリアの誘惑」。これは本作の中でもっともインスピレーションを掻き立てられるものだった。 まずセシリア役のメルヴィス・エステベスが素晴らしい。 夢を掴む直前の野心に燃える気持ちと、恋人への想い、裏腹な立場に置かれながらも情熱的に生きるヒロイン。 躍動感のある肢体を武器に疾走する若い女性の美しさを見せつけてくれる。
意外にもここでダニエル・ブリュールが登場、どうしてかと思ったら彼はスペイン語も流暢だったんですね。


「木曜日 初心者の日記」これはいささか単調だった。せっかくエリア・スレイマンを出したのだからもっと風刺があっても面白かったかもしれないけど・・・ そこは短編故に制約もあったのかも。


「金曜日 儀式」いかにもギャスパー・ノエらしい幻想と官能に溢れた映像。 これは元々ハバナでは有名な儀式なのかどうかはわからなかったが、この儀式の持つ神秘性と、少女の通過儀礼を掛け合わせて、イメージを深くさせることに成功している。


「土曜日 甘くて苦い」セシリアも絡み、水曜日編の続編とも言うべき設定。ハバナが持つ厳しい現実を思わせる。


「日曜日 泉」『パリ20区、僕たちのクラス』のローラン・カンテ監督作品。 ハバナに暮らす人々が持つ信仰心と、それにまつわるコミカルなエピソードをたっぷりと描く。ハバナの底なしの明るさとパワーを感じさせた。


あまりなじみのないハバナという土地の文化や、そこに暮らす人々の熱狂というものが全編にわたり流れている。そこに隠された現実や、現実を笑い飛ばすエネルギーの強さ、何度倒れても立ち上がる底なしのパワー、そういった特徴は十分に感じることができる。 ただ7つに分けたのは多かったし、エピソードによっては構成力に差が出たかも。 3~4つくらいでオムニバスに絡めた方が統一性はより強くなっただろう。




終映後、キューバ出身のギタリスト、アレキサンダー・ラボルテによるライブ、そしてそのあと公開記念パーティが行われました。


 



ライブが始まったのがかなり遅かったので、途中で帰ってしまいましたが・・・
キューバではミュージシャンは国家資格なのですね。貴重な演奏を聴くことができました。キューバの雰囲気満点。
お土産にはコースターと、『セブン・デイズ・イン・ハバナ』を曜日ごとにイメージしたグラスをいただきました。 このコースターとグラスが可愛い!
モヒートも猛暑にはぴったり、サービス満点の試写会でした。



★★★☆ 3.5/5点





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4 Comments

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拷問 (まっつぁんこ)
2012-08-04 22:33:18
お酒がダメ状態だったのが唯一の残念な点(笑)
飲めたらもっと楽しめたし、ライブも最後までいられたんですけどね。
映画は雰囲気あって良かったけどお客はあまり入らなそうに思いました。海猿ばかりじゃつまらんのにねえ。
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まっつぁん (rose_chocolat)
2012-08-05 09:53:10
モヒート冷たくて美味しかったですよーー。 ふっふっふ。
ライブ&パーティは最後までいたら23時半くらい?無理。帰ります(笑)
こういう通好みの作品は日本ではどうかなー。なかなかいい線行ってると思うんだけど。
(ちなみにシー○ンキーは私は映画だとは思ってません)
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モヒート美味しそう ()
2012-08-13 14:56:08
こんな試写があったとは知らなかった。残念です。キューバ音楽はブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのライブに行ったことがあり、大好きです。

友人のラテン・アメリカ文学者がよく言うのですが、キューバは社会主義という窓からだけ捉えては逃がすものが多すぎると。それを実感する映画でした。クストリッツァもいいけど、メルヴィス・エステヴェスの歌と輝くような肢体にやられました。
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雄さん (rose_chocolat)
2012-08-14 00:31:54
そうですよねー。こんな試写はキューバ好きさんならどんぴしゃでしょう。
ビルボードライブではこういう洒落た試写を年に1回くらい行っていて、私は会員なので大体当たって参加させて頂いてます。その時によって企画が違うんですけど、今回は間違いなくゴージャスでした。

>キューバは社会主義という窓からだけ捉えては逃がすものが多すぎる
食わず嫌いでは損をする国ですよね。文化も興味深いです。

>メルヴィス・エステヴェスの歌と輝くような肢体
彼女お見事でしたね。これから色々な作品に出てきてほしいです。
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