Nice One!! @goo

観たい映画だけしか観てません。今忙しいんでいろいろ放置

『フェイシズ』 (2011) / アメリカ・フランス・カナダ

2012-05-15 | 洋画(は行)


原題: FACES IN THE CROWD
監督: ジュリアン・マニア
出演: ミラ・ジョヴォヴィッチ 、ジュリアン・マクマホン 、サラ・ウェイン・キャリーズ 、マリアンヌ・フェイスフル
観賞劇場: ヒューマントラストシネマ渋谷

公式サイトはこちら。


同じ日にミラの『エターナル』が観たかったので、それじゃ一緒に観ちゃいましょうとミラ祭りにしちゃった。
ただ結論から言うとこちらの方が断然私は好きかも。


相貌失認という障害があることは今回初めて知りました。
遺伝性・後天性、どちらも発症することがあるらしく、今回の映画の場合は頭を強く打ったことによる発症でしたが、誰にでも起こる可能性があるわけです。 頭を強打した影響で、人の顔を認識する部位が損傷されてしまうからだそうです。


人間の顔を認識・識別する機能は側頭葉・後頭葉に偏在する「顔領域」と呼ばれる部位に依存しているとされ、この脳神経が何らかの原因で機能障害を生じることにより相貌失認に至ると考えられている。 ・・・wikiより


顔というのはその人を表す象徴的なもので、もしそれが区別できなかったらと考えてみるとわかるが、大切な人だとわかっているのにその人の顔が分からない辛さ、顔を見る度ごとに違う人に見えてしまう切なさ。自分の不甲斐なさと共に周囲の理解のなさも、ことごとく苦しみの種になってしまう。
また認識できない相手にしてみれば、いつも自分のことをわかってるんだかそうじゃないんだかが不明で、適当に相槌を打たれていたり場合によっては無視されているように感じたりということもあるそうで、本作の中にもその心境は再現されていました。
顔のパーツはわかるものの、それが合わさって「顔」となった場合に認識できない。 であれば小物や服装、髪型、声で見分けるしかない訳なんですが、そういう要素が変わってしまったならば再度認識できなくなる・・・という症状もエピソードに生かされていました。

事件の影響で相貌失認になってしまったアンナ。 周囲はわかってあげているようでも、いざ自分が認識されていないとわかると、その反応は様々である。 ブライスのように失望して心ない言葉を浴びせる者もいるだろう。
原題の"FACES IN THE CROWD"を想像してもらうとわかるように、群衆の中から自分にとって大切な人を見つけることが、この症状を持つ方たちにとっては至難の業なのかもしれない。 だが同時にその中にも自分を理解してくれる人がいると確信したい希望も含まれている。
土壇場でケレストがアンナのために取った動作。 これは彼女の心に寄り添わないとできないことであり、それだけ彼はアンナを深く愛したのだろう。 誰が自分の味方なのかを表面で判別することは難しい。そして自分の大切な人がこのような症状を持ったとしたら、どこまで寄り添ってあげられるのか。愛した人に寄り添うことの美しさを感じた作品でした。
ミラの演技はこの役をとても深く理解しているように見えました。 またアンナの不安や症状を的確に表現するために、1つの役に何名ものスタントを起用して(ブライスに至っては15名!)、細かく描写するなど工夫が見られます。


★★★★ 4/5点





最新の画像もっと見る

12 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (みえこ)
2012-06-05 09:45:53
そんな病気があるのですね~私も初めて聞いた病名です。
怖い病気ですね。
なかなかの高評価の映画なのですね(^^)
返信する
みえこさん (rose_chocolat)
2012-06-05 16:39:07
私も初めて聞いたよ。でも苦しんでいる方もいらっしゃるんだなって。
その苦しみはよくわかりました。
返信する
掘り出し物。 (BC)
2012-06-12 22:33:34
rose_chocolatさん、こんばんは。

【未体験ゾーンの映画たち2012】って
愛すべきB級な掘り出し物がありそうなんだけど、まだ1本も観ていない。。。
この作品も面白そうだね。
返信する
BC。さん (rose_chocolat)
2012-06-15 15:04:14
えっと、これはそのシリーズじゃないんですよね。一般公開です。
未体験ゾーンは『エターナル』の方ですよ。

とは言っても、あくまでB級ですから、全てがあたりとは言えないかな。
私は未体験ゾーンシリーズでは『ある娼館の記憶』が好きですね。
返信する
こんばんは♪ (maki)
2012-10-06 22:53:11
コメントありがとうございました

アンナが鏡に向かって何度も顔をこすり付けたりするところ、彼女の苦しみが伝わってくるようでよかったですね
それとケレストのラストの行動は、「ヒゲ認識」があったとはその時は彼はわからないものの、元の姿に保とうとする愛情表現だと私も思います
もう一捻り欲しい脚本がちょっと残念ですね
返信する
makiさん (rose_chocolat)
2012-10-07 07:40:42
>もう一捻り欲しい脚本がちょっと残念
なんですよねーこれ。あまりにも最後が雑だったので・・・

でも、アンナが苦しんでいる様子は切なかったです。
愛しているのに愛せない、みたいなね。
返信する
こんにちは♪ (yukarin)
2012-10-19 12:51:28
古い記事にすみません~
私も「相貌失認」というのは初めて知りました。
最愛の人も、自分の顔も認識できなくなるなんて怖いですよね。
アンナの苦しみがすごく伝わってきて切なかったです。
ミラの演技はとても良かったですね!
返信する
yukarinさん (rose_chocolat)
2012-10-19 14:50:14
女性にしてみたらとても悲しい話じゃないかと思いました。
なのでこの映画、男性にはあまり評判がよくないんですね。それもわかる気がします。
男性にしてみたら、女の顔なんて整ってれば何でもいい、みたいな思想がありますからね(苦笑)でも女性はそうじゃないです。
ミラはその心情をよく汲み取っていたと思いますけどね・・・。
返信する
TBエコーありがとうございました (せつら)
2012-11-11 19:44:31
相貌失認という障害を題材にしたサスペンスで面白い設定ですよね
サスペンスとしてはハリウッドでは王道とされるパターンですけど
ミラさんの顔が認識できないという苦悩がよく描かれていてよかったです。
返信する
せつらさん (rose_chocolat)
2012-11-11 20:55:10
はじめまして こんばんは。
コメントありがとうございます。

>顔が認識できないという苦悩
相貌失認という症状は詳しくはないのですが、自分の大切な人が認識できないというのは辛いでしょうね。
返信する

post a comment