【フランス映画祭2014】『バツイチは恋のはじまり』 (2012) / フランス

原題：　Fly Me to the Moon / Un plan parfait
監督：　パスカル・ショメイユ
出演：　ダイアン・クルーガー、ダニー・ブーン、アリス・ポル、ロベール・プラニョル

【フランス映画祭2014】『Fly Me to the Moon』ページはこちら。

『バツイチは恋のはじまり』公式サイトはこちら。（2014年9月20日公開）

イザベルは、イケメン歯科医師の彼氏ピエールとパリ郊外で同棲中。出会った頃と変わらず優しいピエールとの安定した生活は周囲も羨むものだった。付き合って10年、二人は自然と結婚を考え始めていた。
しかし、イザベルにはその結婚になかなか踏み込めない理由があった。それは「一度目の結婚は必ず失敗する」というイザベルの家系に代々伝わるまるで呪いのようなジンクスだった。結婚式を数ヵ月後に控えたイザベルは、ピエールと結婚する前までに何とかして、バツイチになる決意をする。そして、そのパートナー探しの旅に出ることにする。意外にもその"カモ"はすぐに見つかった。デンマーク行きの飛行機でとなりの席に座ったジャン＝イヴという旅行ガイドの編集者。お調子者で、女性にまったくモテなさそうなこの男こそイザベルが探していた"バツイチ"の相手には完璧だった。ピエールとの結婚のため、パリ、ケニア、そしてロシアへ...。理想の相手とは正反対のジャン＝イヴとの最低でそして最高の婚活旅行が始まった。（フランス映画祭公式サイトより）


ダイアン・クルーガー、大好きな女優さんなんですよね。彼女の作品は未公開のものでもなるべく上映があれば行くようにしてます。
才色兼備というか、多国籍の役ができる女優さんって少ないじゃないですか。そういう才能が好きですね。
今回は彼女は完全なるコメディエンヌ。それも見事にこなしていて、美しさもちゃんと見せ場があったり、ファッションショー的な役割も果たしていたりして、見る側も笑いが絶えず、完全に楽しめていました。この映画祭でも観客賞受賞しましたから。

最高のパートナーと最高の結婚をしたい、それはどの女性でも思うこと。そして自分がその条件に限りなく近づいてきたんだから、ここで完璧にしたい。でも自分の家に代々伝わるジンクスなのか、誰も最初の結婚では幸せになれず2回目以降幸せになっている・・・ということは「1度誰かと離婚しないといけない」という無理難題をこなさねばならない。そこでイザベルはがんばっちゃうんですよね。

とにかくせわしなく自分の「目標」のために世界を駆けずり回るイザベルと、彼女に振り回されるピエール。イザベルが勝手にピエールの旅行先にくっついて来て、いろいろやっているだけなんだけど、気が付くとイザベルのペースになっちゃってますね。このやり取りが圧倒的に面白い。世界各地の観光的な要素もあって、特にアフリカでの映像は（のんびりとこんなところに来る人も珍しいとは思うんだけど）CG使ってても面白いですよね。ライオンとかはもうCGでしょ！ってわかってても、ダニー・ブーン流のお笑いで十分楽しめる。
そして目的である「１度離婚してから結婚する」も、あれがそうだったの？的な展開で面白いですね。最初はフィアンセと自分のことばかり考えていたイザベルが、次第にピエールに惹かれていく、でもジンクスには従いたい・・・　結末はどうなるかは映画でご覧ください。

終映後のトークには、ダニー・ブーン氏が登壇。彼はコメディアンとしてだけではなく、監督や脚本も取り組んでおり、その目線から語られる映画の話も意義深かった。
「心から来る笑いを大切にしたい、そのためには真摯にそのシチュエーションを生きること。なので下品な笑いは好きではない」とのこと、非常に納得。日本でも恐らく好感度が高い作品となるでしょうね。


★★★★☆　4.5/5点