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『ヴィダル・サスーン』 (2010) / アメリカ

2012-05-09 | 洋画(あ行)


原題: VIDAL SASSOON: THE MOVIE
監督: クレイグ・ティパー
出演: ヴィダル・サスーン 、マイケル・ゴードン 、マリー・クワント
試写会場: 京橋テアトル試写室

公式サイトはこちら。 [2012年5月26日公開]


webDICEさんのご招待で行って来ました。 ありがとうございます。
奇しくもこの試写の翌日、ヴィダル・サスーン氏逝去の報が入りました。
映画でもとても撮影当時82歳とは思えないくらいの溌剌とした姿を見せてくれていただけに信じられなかったが、ニュースによると3年ほど前から白血病を患っていたとのことで、全く映画の中ではわからなかったし予期できない死でした。ご冥福をお祈りします。


本作を観たならば、撮影当時82歳で実にかくしゃくと歩き、そしてセクシーでありスタイリッシュでもあり、今もなお世界中にその名をとどろかせている氏が亡くなったとは思えないに違いない。映画の中でも、それほど氏の存在は生き生きとしており、とめどなく次の構想を話す姿はまるで修行を始めた20代の青年のようだ。


作品ですが全編にわたってヴィダル・サスーンの自伝となっているため、相対的に多少の賞賛傾向があることを考慮したとしても、後味がいいものとなっている。 それは一重に彼自身の生き方に所以しているのかもしれない。
不遇な少年時代を跳ね返したかのような成功。その裏側にあったのは彼のたゆまぬ努力であった。
女性たちにとって、手入れが簡単でスタイリッシュな髪型というのは理想であり、それを体現したことによって彼は女性たちから悩みを減らしたのかもしれない。 世界中の女性たちに喜びを与えることによって、同時に成功を収めていく過程はあたかもシンデレラ・ボーイのよう。
サクセス・ストーリーを地で行ったヴィダル・サスーン。常に時代に何が必要か、そして自分は何をなすべきか。そのことだけをひたすら考え続けた若き彼の努力の結果は、後世に残るであろう「ファイブ・ポイント・カット」を生み出し、世界中に彼の名を知らしめたことだった。元々の才能は努力によって浮かび上がり、不動のものとなっていった。


映像で語られる告白の中には成功話もあるが、身を切られるような辛さも彼はさらけ出してくれた。離婚や近親者の死といった大きなショックを受ける出来事があったとしてもなお彼は進み続けた。どんなに辛いことがあろうとも決して道を逸れずに、笑顔を絶やさず前に向かって歩き続けた人生。それがヴィダル・サスーンそのものであり、またこの映画に好感を持てる要素となっている。
冒頭とラストのすっきりとした立ち姿には一分の隙もなく、エンドロールの細部にまでこだわった作り。最後までヴィダル・サスーンらしさを貫いた作品、ファッションに興味のある方ならどこかで大きくうなずく場面があることだろう。


★★★★ 4/5点



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2 Comments

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こんにちは♪ (ひろちゃん)
2012-05-24 14:35:59
CMでその名を知らない人はいないんじゃないかと思うヴィダル・サスーン!
美容師さんに興味があるので(笑)ちょっと気になりましたが、ドキュメンタリーっぽいのはそう得意じゃないからと、WOWOW待ちにしました^^

あっ!もう始まってると思ったら、試写会!
これから公開なんですね。
そして、ご本人は、最近亡くなられたんですね(驚)

オシャレには疎い私ですが、roseさんの感想で
かなり観たくなりました♪
彼の前向きに歩く、歩いて来た人生、観てみたいと思います^^

PS.今頃ですが(汗)先日は、7周年のお祝いわざわざありがとう!嬉しかったです♪
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ひろちゃん (rose_chocolat)
2012-05-24 17:55:16
ヴィダル・サスーンは日本じゃ超有名なんですよね。製品とかサロンとかで。
よかったら観ていただきたいなーこれ。
きっと元気をもらえると思いますよ。
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