東京都医師会感染症予防検討委員会が出されている「感染症豆知識」について、
掲載させて頂きます。
「東医ニュースvol671」の「妊娠と腸内細菌」のお話です。
以下です。
胎児は両親の遺伝情報を持つため母体にとっては”半”同種移植片であり、
母体が妊娠中に胎児を排除しないためには”妊娠免疫”が適切に機能する必要がある。
その不調は習慣流産、胎児発育不全、妊娠高血圧症候群、早産などの原因になると考えられている。
早産の誘因として、まず膣内細菌叢の乱れが注目された。
細菌性膣症が上行性に子宮に波及し、
炎症を惹き起こし子宮収縮や卵膜破綻(=破水)を来たすという病態である。
そこで切迫早産妊婦に対し抗菌剤投与や膣内洗浄が行われるが、
それだけでは十分な早産防止効果が得られないことも多く経験される。
そして近年、子宮とは直接接しない腸内細菌叢の重要性が分かってきた。
2010年に国家プロジェクトとして始まった大規模疫学調査であるエコチル調査から、
味噌汁・納豆・ヨーグルトの摂取と早期早産のリスク減少との関連が示され、
腸内細菌を整えるプロバイオティクスの重要性が注目されてきている。
妊娠の維持には制御性T細胞(Treg)が重要な役割を果たしているが、
クロストリジウム層の一部が酪酸を産生し、腸内でTregを誘導することが知られている。
近年、腸内細菌を整えるいわゆる”腸活”が健康や長寿に良いと注目されているが、
妊娠維持にも有用ということになる。
酪酸菌を含む整腸剤はOTC薬として古くから市販もされている。
これらの比較的安価に入手可能な薬剤が妊娠維持に役立つとしたら朗報であり、
現在妊娠中の有用性に関する前向き研究が進められている。
(分責:山下隆博先生)
というお話でございました。
当院は産婦人科ですので、上記にございますように、
妊娠を希望されておられる方々や妊婦さんには、必要に応じて膣分泌培養検査を行いますし、
妊婦さんの超音波検査時には、適宜、膣洗浄も行います。
参)OTC薬とは、医師に処方してもらう「医療用医薬品」ではなく、
薬局やドラッグストアで買える一般用医薬品と要指導医薬品の事で、一般的に市販薬と呼ばれます。
今朝の朝日(クリニック東空)です。
風が冷たくて寒いですが、陽射しの暖かい一日になりましたね。
掲載させて頂きます。
「東医ニュースvol671」の「妊娠と腸内細菌」のお話です。
以下です。
胎児は両親の遺伝情報を持つため母体にとっては”半”同種移植片であり、
母体が妊娠中に胎児を排除しないためには”妊娠免疫”が適切に機能する必要がある。
その不調は習慣流産、胎児発育不全、妊娠高血圧症候群、早産などの原因になると考えられている。
早産の誘因として、まず膣内細菌叢の乱れが注目された。
細菌性膣症が上行性に子宮に波及し、
炎症を惹き起こし子宮収縮や卵膜破綻(=破水)を来たすという病態である。
そこで切迫早産妊婦に対し抗菌剤投与や膣内洗浄が行われるが、
それだけでは十分な早産防止効果が得られないことも多く経験される。
そして近年、子宮とは直接接しない腸内細菌叢の重要性が分かってきた。
2010年に国家プロジェクトとして始まった大規模疫学調査であるエコチル調査から、
味噌汁・納豆・ヨーグルトの摂取と早期早産のリスク減少との関連が示され、
腸内細菌を整えるプロバイオティクスの重要性が注目されてきている。
妊娠の維持には制御性T細胞(Treg)が重要な役割を果たしているが、
クロストリジウム層の一部が酪酸を産生し、腸内でTregを誘導することが知られている。
近年、腸内細菌を整えるいわゆる”腸活”が健康や長寿に良いと注目されているが、
妊娠維持にも有用ということになる。
酪酸菌を含む整腸剤はOTC薬として古くから市販もされている。
これらの比較的安価に入手可能な薬剤が妊娠維持に役立つとしたら朗報であり、
現在妊娠中の有用性に関する前向き研究が進められている。
(分責:山下隆博先生)
というお話でございました。
当院は産婦人科ですので、上記にございますように、
妊娠を希望されておられる方々や妊婦さんには、必要に応じて膣分泌培養検査を行いますし、
妊婦さんの超音波検査時には、適宜、膣洗浄も行います。
参)OTC薬とは、医師に処方してもらう「医療用医薬品」ではなく、
薬局やドラッグストアで買える一般用医薬品と要指導医薬品の事で、一般的に市販薬と呼ばれます。
今朝の朝日(クリニック東空)です。
風が冷たくて寒いですが、陽射しの暖かい一日になりましたね。