とくおかレディースクリニック~ブログ~

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2009年のインフルエンザを振り返って

2014年10月21日 | 一般医療

2009年は、
新型インフルエンザが世界的に大流行しました。
それに伴い、
日本においても、
同じく2009年に新型インフルエンザが大流行しました。

世界保健機関(WHO)は、
世界的流行病(パンデミック)であることを宣言し、
警戒水準を”フェーズ6”に引き上げた年でした。

この年は、
「新型インフルエンザワクチン」の接種対象者が限定されました。
各医療機関は各地域の医師会に申請をし、
「新型インフルエンザワクチン」の数が限定納入される事態でした。

「新型インフルエンザワクチン」の供給量には限りがある為、
当面は国産ワクチンを医療機関限定とし、
最優先の接種対象者は、
医療従事者、糖尿病、喘息などの持病のある人や、妊婦、
1歳~就学前の小児、1歳未満の乳児の両親を合わせた1900万人限定。
当院は、私達医療従事者が優先して接種する事なく、
「この限定数をどのように扱うか?」と真剣に考え、
当院でご懐妊された方=妊婦さんを優先に接種していきました。

この年、
「新型インフルエンザワクチン」を作る為、
通常の”季節性インフルエンザワクチン”も不足した年となりました。
いつもの数が納入されませんで、
「何とか数をまわして下さいよ!」と、
提携している数社の卸さんにお願いした事を思い出します。

普段、当たり前のように買える(キヨスクでも売っている)マスクが、
どこの薬局さんに行っても売り切れ状態で買う事すら出来ない状況となりました。
マスクの有難みを思い知った年でした。

この年の「新型インフルエンザワクチン」配布前に、
日本産科婦人科学会も、
厚生労働省・新型インフルエンザ対策推進本部宛に、
『新型インフルエンザワクチンに対する要望』の書面を提出しております。

内容は(一部抜粋にて)、以下となります。

  日本産科婦人科学会では
  「妊婦(110万人)ならびに産後6か月以内の婦人(55万人)への
   新型インフルエンザワクチンの優先的な接種」を要望致します。

  〇 妊婦は新型インフルエンザに罹患すると重症化しやすく、
    また死亡率も高い可能性がある。
    ~外国文献~は省略

    ~途中省略~
  〇 ワクチンの安全性について
    季節性インフルエンザワクチンに関しては、
    妊婦に対する安全性と有効性は既に諸外国において確認されている。
    その為、季節性インフルエンザワクチン接種に関して、
    妊婦は、0.5歳~5歳児、50歳以上成人、喘息・糖尿病・心疾患合併人、
    医療従事者、感染機会の多い職場での従事者らと共にワクチン接種を受けるべきとしている。

    ~途中省略~
  〇 生後6か月以内の乳幼児がインフルエンザ感染をすると重篤化することが、
    季節性インフルエンザで確認されているので、乳幼児と密接なコンタクトを取る
    分娩後6か月以内の婦人へのワクチン接種が勧められる。    
    ~以下省略~


このような経緯もあり、
2009年のワクチン不足の状況下において、
妊婦へも「新型インフルエンザワクチン」が限定量まわってきたのだと思います。


ですので、
いつでも必要量が供給される訳ではありません。
今年は例年通り供給されているので大丈夫ですが・・・。

インフルエンザの予防接種に関わらず、
ご自分で何が必要かをよくお考えになられて、
予防出来るものは、しっかりと予防しておかれる事が大切なのだと思います。


ーby事務長ー


とくおかレディースクリニック



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