とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

7月のラボ便り

2022年07月05日 | ラボ便り
7月のラボ便り

皆様、こんにちは。

梅雨が想像以上に早く終わり、毎日日差しがジリジリと痛く感じる位暑いですね!
くれぐれも熱中症にならないように、気をつけてお過ごし下さい。

今回のラボ便りでは、無精子症についてお話します。

無精子症とは、精液中に精子が確認できない状態です。
一般的に100人に1人位の割合で無精子症の男性がいらっしゃるとされています。
無精子症は大きく2つに分けることが出来ます。

*閉塞性無精子症
精子は精巣内で作られているが、
精子が射出されるまでの通り道(精管や精巣上体管など)が閉塞している為、
精液中に精子が確認できない状態

*非閉塞性無精子症
精子が精巣内で作られていない、もしくは精子を作る機能が低下している状態

無精子症の原因として、それぞれ以下が挙げられます。
*閉塞性無精子症
・精管の閉塞(幼少期のヘルニア手術後、パイプカット手術後、先天性の精管形成不全など)
・精巣上体での閉塞(精巣上体炎など)
・射精管での閉塞(炎症や外傷など)
*非閉塞性無精子症
・先天的なもの(染色体異常や遺伝子異常または原因不明のもの)
・後天的なもの(抗癌剤治療や放射線治療、ムンプス精巣炎(おたふく風邪感染後の精巣炎)

無精子症かどうかを調べる為には、まず精液検査を行います。
そこで精液中に精子が確認出来なかったとしても、
一回で判断するのではなく、数回再検査を行って診断します。

※射精のたびに精液中に精子が確認できたり出来なかったりする"隠れ無精子症(Cryptozoospermia)"のような場合もあります。
また、並行してホルモン検査や睾丸(精子を産生している精巣)の診察を行い、
閉塞性無精子症なのか非閉塞性無精子症なのかを推定し、治療方針を決めていきます。

射精が可能で精液が出ているからといって、必ず精液中に精子が存在するとは限りません。
無精子症の方の割合は、不妊治療をされている方々では100人に1人の割合よりも高いとされています。
また、無精子症ではなくとも、精子の数が少ない乏精子症や運動性が悪い精子無力症などの、
精子の所見に問題がある方が、これから妊娠を考えていこうとしている男性の7〜8%に認められるという報告もあります。
まだ精液検査を一度も受けられていないという方は、早めに受けられることをおすすめします。


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