六畳間の中心で涙を流す NEW

ルーキー選手の、プロ入り一年目を振り返る

2023年ルーキー回顧10 松尾 汐恩(大阪桐蔭3年)捕手

2023-11-30 10:20:35 | 状況説明

松尾 汐恩(DeNA1位)捕手 (大阪桐蔭出身)

蔵の入団前評価:☆☆☆(上位指名級)

 

高校球界屈指の打力を誇りながらも、捕手を務める選手でした。また、地肩の強さもA級で、そういった素材は数年に一度しか史上に出てこないと高く評価した選手です。そんな、松尾選手の一年目は、二軍で 104試合(343打数) 7本 51点 打率.277厘 と、高卒ルーキーとしては破格の成績を残します。特に、捕手としても68試合に出場しての、この数字は見事です。

まず、104試合・343打数 を無事経験できたこと。それだけの体力・基礎力がすでにあったということでしょう。ファームで5本以上を残せば長打力があるとみなせる中で、高卒ルーキーが7本の長打力も見事です。それでいて、高卒ルーキーの目安である打率2割どころか、大卒ルーキーの目安である打率2割5分を大きく上回る打率.277厘も破格です。ディフェンスでは、なかなか春先はスローイングが乱れることが多く、刺せませんでした。しかし、シーズン終盤にはその辺も改善されて、かなりの確率で刺せるようになってきています。何事も貪欲で、吸収力の早さや野球への姿勢は、ここ数年の高卒野手でみたことがないタイプ。油断することなく精進し続けられれば、球界を代表する捕手になるのではないかという期待が膨らみます。

もう少し数字を細かくみてみると、343打数で三振33個。三振比率は、9.6% は、ルーキー云々を抜きにして二軍全体でも最高レベルかと。20%を切れるぐらいであれば、一軍も視野に入れられるといつも書くのですが、これが10%を切るルーキーを殆どみたことがありません。それだけボールと思った球がストライクと判定されたり、打てると思った球が当たらなかったという、レベルのギャップをあまり感じなかったということではないのでしょうか。四死球22個で、四死球率は 6.4% と低めです。しかし、打率はある程度残せているので、ボール自体が見えなかったのではなく、早いカウントから積極的に打ちに行った結果だと考えられます。

こと高卒ルーキーとしては申し分のない一年だったと評価できますが、ディフェンス面・打撃でのさらなるレベルアップなど、一軍定着にはやらないことも多いはず。油断することなく今後も取り組めれば、2年目での一軍での起用・定着も充分見えてくるのではないのでしょうか。もうそれほど、ファームでやれることは少ないように感じます。

蔵の印象:◎ (さらなる精進ができれば)