rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

遠近法大好き、パオロ・ウッチェロ

2012-09-24 20:56:01 | アート

サン・ロマーノの戦い


聖ゲオルギウスの竜退治


聖ゲオルギウスの竜退治

ルネサンス初期の画家パオロ・ウッチェロは、遠近法が大好き。
槍や道に畑、馬でさえも、なんでも遠近法を示す道具としてしまう。
とにかく、寝ても覚めても遠近法のことを思い、まるで遠近法に恋しているかのよう。
傍から見れば、理解不能かもしれない。
遠近法ばかりに囚われないで、人物や主題をもっと練り込み柔らかに描ききれというかもしれない。
しかし、彼はそんなことにはお構いなし。
彼が描きたいように絵を描いた。
当時や、その後しばらくは、顧みられない不遇のときを得たとしても、ウッチェロはそのこだわりゆえに唯一無二の個性を獲得した。
じっくりと見れば見るほどに、絵が醸し出す独特の空間に嵌ってしまう。
モチーフの扱い方に面白くなる。
”サン・ロマーノの戦い”の三部作の中で一番好きなのは、ロンドンのナショナル・ギャラリー所蔵のもの。
ルーブルとウフィッツィにある物は、この目で見たのだが、残念なことにナショナル・ギャラリーは画集でのみ。
自分では、愛情を込めて”ピンクのサン・ロマーノの戦い”と名付けている。
ともすると、おもちゃ的なウッチェロの作品は、愛すべき”小鳥の囀り(ウッチェロ)”のように憎めない絵。
ただひたすらに、”遠近法、遠近法”と囀り描いたに違いないと思わせる純真さがにじみ出ているように見えはしまいか。

雨の日曜日に聴くモーツァルト

2012-09-23 11:50:52 | 音楽たちークラシック
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Mozart Piano Concerto #21 In C, K 467, - 2. Andante

甘く切ないピアノの音が、彼岸の雨降る日曜日を慰めてくれる。
心穏やかに家族と語らい、あるいは音楽に耳を傾けながら読書するもよし、温かい飲み物で日ごろの疲れを癒すもよかろう。
古来、どの地域においても、春分秋分の時期は、天文的に宗教的に強く意識されてきた。
昼と夜の長さが等分され、暖気と寒気の変わり目は、この地球に棲む生き物にとって大きな意味を持つのは言うまでもない。
今年の秋分の日は、例年の23日ではなく22日、116年ぶりに一日早い。
これは、地球の公転が、きっかり365日とならないことによるずれの修正。
あわただしい毎日では、見過ごしてしまい、疑問にも思わない、経済的には瑣末な事柄ではあるが、雨の降る彼岸の日曜日、想いを別に向けてみてはどうだろう。
自分の目線を変え、一息入れるにはもってこいの日ではなかろうか。
モーツァルトが、彼岸の彼方から此岸の我々に、音楽の香油を注いで、心と体を癒すよう導いてくれる束の間のひと時。

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Horowitz plays Mozart piano concerto 23 2nd mov

広がる大草原と青い空、モンゴル:ウランバートル

2012-09-22 23:10:29 | 街たち
「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」騎馬民族の国モンゴルの首都ウランバートル。
アレキサンダー大王を凌駕するするほどの一大帝国を築き上げた、初代皇帝チンギス・カンの国。
今も伝統的な移動テント”ゲル”での生活を保ちながら、遊牧生活を送る人がいる国。
どこまでも続く大草原と隣り合う大空は、騎馬民族のためにあるかのようだ。
遊牧生活を営むものたちは、3歳から馬に乗り、人馬一体となる訓練を積む。
しかし、現代化は急速に進み、ウランバートルには高層ビルが立ち並び、一般的な大都市へと変貌している。
昨年は、世界の中で経済成長率が第2位となるほどの発展をしている。

まずは、グルメ。
「アーロール」は、ヨーグルトの水気を切り、天日干しにして作る、酸味が効いた乾燥ヨーグルト。
「アイラブ」は、馬乳を発酵させて作る伝統飲料。
子供の頃から飲んでいて、健康な体になるといわれている。
ただし、飲みすぎると酔っ払うらしい。
モンゴルは、羊の肉が一般的。
「ホルログ」は、羊の肉を焼いた石で表面に焼き目をつけ、それから柔らかくなるまで1時間煮込む。
味付けは、塩と少しの香辛料のみで、肉の旨みを堪能できる。
「ホーショール」は、羊のミンチを包み込んだ大きな揚げ餃子。
モンゴル定番のファストフードで、肉汁たっぷりみんな大好きな食べ物。
最近の流行は、「モンゴリアンバーベキュー」。
巨大な鉄板で、セルフで選んだ具材を勢いよく調理人が焼いてくれる、アトラクション性の強いもの。
その昔、遠征をしていた兵士達が、盾を鉄板に剣をヘラに見立てて肉を焼いたという逸話からヒントを得たとか。
北海道グルメに、ジンギスカンがあるが、チンギス・カンは時を経て、海を越え遠征してきたのだろう。

ナランホル市場は、何でも売っている市場。
日用雑貨や食品は当たり前だが、ゲルや馬の鞍などなんでもある。
そこには、モンゴルの特産フェルトも。
ウランバートル郊外に、フェルト作りの体験できる施設があるので、自分だけのフェルトの小物を思い出に作るのもよいだろう。

モンゴルの伝統スポーツに、今ではよく知られているモンゴル相撲は、男性のスポーツ。
女性のためには、コントーション、軟体芸がある。
中国雑技団に並ぶとも劣らないその脅威の柔軟な体。
モンゴルの人特有な体質ではなく、地味な練習の積み重ねで獲得するのだという。

都市化の進んだウランバートルでも、「毎朝、ミルクを空に撒く」習慣は、頑なに守られているらしい。
遊牧民であったとき、自然の恵みに感謝する儀礼として馬乳を天に向かって捧げていたのだ。

ヨーロッパに向かう飛行機の窓から、なだらかな丘がどこまでも続いく大地を眺めた。
時々ある機内アナウンスと飛行機の航路に照らし合わせ、その大地はモンゴルなのだと思い見ていた。
騎馬隊が、隊列を生して駆け抜けた昔を想像しながら。
一律な価値観が世界を席巻してる昨今、騎馬民族の末裔達は、本当に幸せなのだろうか。
何年か前に、報道特集のような番組で、モンゴルの明と暗をやっていた。
資本主義経済の副産物によって、価値観が大きく変わり、人々の暮らしが殺伐としたものになってきているというもの。
孤児が増え、飢えと寒さに苦しんでいるとも。
国家の近代化における過渡期にありがちだとしても、複雑な心境になった。
人間の幸福とは、一つの物差しで測りきれるものではないと思うが、なにが最良かを言い切る自信は毛頭ないのであった。
それでも、大平原と空は、まだしっかりと存在しているのが譲れない救いだろう。

突然の秋

2012-09-21 23:17:25 | つぶやき&ぼやき
昨夜から、すうっと涼しくなった。
気象予報の予測どおり、カチッと秋に切り替わったのだ。
昼間こそ、突然の秋にうろたえながらも懸命に鳴くセミの音がするが、夜の主役はコオロギやマツムシにバトンタッチ。
まったくもって、今年の気候は激しい。
こうも急に気温が下がると、体の緊張がかたんと解けて、やる気はあるのに体は重くついてこない。
ねこも、朝ごはんを食べたあと少しの間庭に寝転んでいたけれど、今日はその後、ねこの姿を見なかった。
きっと、涼しくてよく寝られるからと、誰にも邪魔されないところで寝ているのだろう。

食欲の秋とはよく言ったものだ。
台所で煮炊きをするのが苦行だった夏を過ぎ、涼しくなった秋には、”稔りの秋”だけではなく気軽に料理できるようになるからだと思う。
あの酷暑中は、献立を考えるのですらうんざりしていたのだ。
刻み物が多く、しかも煮る料理などもってのほかの夏だった。
スパゲティー類も敬遠していたのだが、今ではちょちょいと作ってしまえる。
大のパスタ好き家人は、大喜び。
今日に引き続き明日も、オリーブオイルとニンニクベースでパスタを食べたいと、聞こえるようにつぶやいていた。

突然の秋は、様々な影響をどっさりと投げ込んで、今ここにどっかと座っている。

成長と環境

2012-09-20 23:12:54 | 随想たち
中くらいの人が、なにを思ったか突然こう言った。
「あの詩人のおっさんが死んじゃう映画を、また観たいな・・・」
いったい何を差していっているのか戸惑ったが、すぐに見当が付いた。
「”シラノ・ド・ベルジュラック”の映画ね。」
1ヶ月前くらいに、自分のためにDVDを借りてひとりで観ていた。
残すところ三分の一あたりでやってきた中くらいの人は、はじめ何の気なしに観ていたのだが、そのうち面白くなったようだった。
もっとも、初めから見直すには至らなかったみたいで、まだこのような映画を観るには子供なのだと思っていたのだ。
ところが、間をおいてからのこの言葉に、中くらいの人の成長を感じた。

小さい頃には、たくさんの本を読み聞かせし、いつしか読書の楽しさをわかって欲しいと願いをかけていた。
やがて大きくなり、読み聞かせをしなくなってからの中くらいの人が手に取るのはマンガばかり。
それでも、同じものを繰り返し飽きることなく読み込んで、せりふやシチュエーションを自在に会話の中の例えに使うまでになったのを良しとして、あえて本を読みなさいとは言わなかった。
中くらいの人が小学6年生の頃、一学年上の友達との交流の中で、本を借りて読むようになった。
いわゆる”ライトノベル”のシリーズ物。
それからは、自分で読みたい本を探し出しては貪欲に読みふけり、その本の傾向も次第に長編へと移り変わっていった。
時には、「どんな本が面白いのか」「オススメの本はないか」などと、本の話題を振ってくるようになった。
今は、部活動に時間と体力を割いているから、なかなか集中して本を読むことができないと残念がっている。

音楽も、自分で好みの曲を探してきては、良く聴かせてくれる。
または、私や家人のCDコレクションを物色しては、どれが気に入っただのと話もする。
さすがに、クラシックには興味をもてないようだが、邦楽洋楽の新旧を問わず、興味を抱いているようだ。
ここ数日は、家人と似た趣味の”ディぺッシュモード”がカッコイイといっている。
それから、”トレイン Train"や”ザ・フレイ The Fray”がお気に入りのアーティストだとか。

「こうなりなさい」とか、「こうしなさい」とか、あえて言わなくても、生まれてこの方過ごす環境は、子供の成長に大きく影響を及ぼす。
それは、大海原を航海する時に道しるべにする夜空に輝く星星のごとくに点在するもの。
直接、人格形成や職業選択などにつながるというものではない。
しかし、心を豊かに、人生に深みを与えるものとして、有効に作用すると思うのだ。
人には、目に見えないけれど心のゆとりがなくては、たのしく楽なばかりばかりではない人生を渡っていくことは難しいだろうから。

だから、中くらいの人が、自分でいろいろなものに興味を抱き、楽しさを追求していける最近の姿を見て、何かほっとしている自分がいるのだ。

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The Fray - You Found Me - Acoustic

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Train - Hey, Soul Sister