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アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

エリック・カール「はらぺこあおむし」

2011-02-25 00:02:42 | 本たち


中くらいの人がまだ一歳くらいの時、「ギュスターブ・モロー展」をどうしても観たくて一人で出かけ、帰りがけ池袋のリブロによって何か子供が喜びそうな本はないかと探してみた。
幼児書コーナーには、色とりどりの楽しそうな絵本が並べられていた。
端から丁寧に本を見る。
赤い顔の緑の体が鮮やかな青虫が眼に飛び込んできた。
手にとってページをめくると、小さな卵をお月様が見守るシーンから始まり、あおむしが一日ごとくだものに穴をぽちりと開けながら食べ進み、最後にはケーキやサラミなんでもありの大食漢になって蝶に孵化するシンプルな設定。
でも、子供にはなんとも楽しいあおむしの行動と、本当の穴の開いたくだもののページが日ごとに一個ずつ増える分、ページの幅が広くなって重なりあっていく見た目の分かりやすさが、お決まりの物語が進んでいくさまに期待と安堵感を味わい、安心してできる冒険を存分に楽しめるそんなところに、この本の魅力があるのだと思う。
来る日も来る日も、日に何度となくこの本は活躍した。
小さい人も、もちろん「はらぺこあおむし」が大好き。
そうだ、この本を買うにあたって気をつけたことがある。
ページに穴が開いているので、子供のほとんどはこの穴に指を差し込んでみるだろうから、大判の薄い紙ではたちまち破れてしまう。
だから、小型の分厚いボール紙の版にした。
大正解、おかげであれほど酷使された「はらぺこあおむし」は、今も原形を留めている。
この本は、自分と子供たちにとって大切な本であり続ける。
大切に、ずっと持っていよう、かけがえのない素晴しい思い出と共に。

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