ビーナスの誕生
アレクサンドル・カバネルは、19世紀の活躍したフランスのアカデミズムの画家。
神話や宗教、歴史をモチーフにしたものと肖像画を得意とする。
柔らかな光に浮かび上がる優雅なフォルムの人物は、いかにもフランス的印象を与える。
それが表面的美しさばかりを際立たせてしまい、単なる装飾美術品として軽んじられる傾向がある恐れもあるだろう。
けれども、それも美術のひとつのありようでもある。
精神性が重く満ちているものが、最高ではないはずだ。
単純に美しいことも必要だと思う。
「きれいに描いて何が悪い?」
こうカバネルが言い放っているように思えてならない、「ビーナスの誕生」なのである。
オフェーリア
エコー