rock_et_nothing

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生きようとする命の力強さ、セミの抜け殻、長崎原爆慰霊日

2012-08-09 11:58:10 | 随想たち

セミの抜け殻 9/8/2012


最高点まで 9/8/2012

今朝、発見したセミの抜け殻。
枯れてしまった楓の木の一番天辺に、その抜け殻は吹きつける風をものともせずしがみついていた。
それは、生きようとするセミの生命力の強さの現われに思えた。

これとはちがう杉の木の幹に、やはり羽化したばかりのセミの抜け殻と傍らに飛び立つころあいを見図るセミの成虫が止まっていた。
かれも、羽化に成功できた強運の持ち主。
時には、殻を脱ぎ捨てる途中で力尽きたセミを見かける。
土の中から這い上がり、高さ1メートルに満たないところで羽化を始め力尽きる者。
2メートル以上上りはしたものの、羽化の三割がたで精根尽き果てる者。
その道半ばに倒れる者のさまは、さまざまである。
運良く成虫になり飛び立てたとしても、鳥に襲われ食われる者もいれば、生命としての意義を全うして命果てる者もいる。

生きるとは、なんと難しいことなのだろう。
生、つまり受精した瞬間から、常に死は待ち構えている。
幾多の困難を乗り越え、意思とは関係なく運だけを頼りに命は続いていくのだ。
いつなんどき消えるかわからない命を十分に生き抜かなくては、先に消えた者に対して申し訳ない。
生きていく条件や環境は、めまぐるしく変わって、難易度が増すにしてもだ。

セミの抜け殻に、生き抜こうとする命の強さと大切さを見せ付けられた。

今日は、長崎の原爆投下による死者への慰霊の日。
「天災は、人の手でどうにもすることができないけれど、戦争は、人の手で起こすもの。だから、絶対に戦争を起こしてはならない。互いの命を殺戮しあってはいけない。」
先日、広島の被爆体験をした女性の言葉を聞いた。
まさに、その通りではないか。