今回ご紹介するのは、TFジェネレーションズよりディセプティコン航空参謀“スタースクリーム”。レッド、ブルー、グレーの基本カラーはそのまま
踏襲していますが、赤い部分が多く派手な印象を受けます。マッシブな手足が特徴ですが、腰部分がややガニ股気味なのがちょっとイヤ。でも
まぁ、カラーリングに助けられてそれなりにかっこよく見えます。そして両手に持った、デラックスクラスにしては大掛かりな武器も特徴。
ご尊顔拝見…なんだそのニヤケ顔は。一見普通のスタースクリーム顔に見えますが、頬がこけているので何となく
老け顔と言うか、やつれた顔にも見えます。スタースクリームのイメージは身の程知らず…もとい“若き野心家”です
が、この顔から若さは感じ取れんなぁ。明石屋さんまっぽいと言うか。
バックカードの設定は、“サイバトロン星で戦争が始まる前、センチネルプライムの護衛を担当する位の立派な戦士だった。が、メガトロンの反乱直後に辺境に配属され、それが納得いかず何時しか名誉ある戦士は強欲な男へと堕ちていった。そしてメガトロンと出会い、航空参謀の地位を餌にディセプティコンに寝返った。武器は火力と連射に優れたスクラップメーカー砲”と書かれています。
そう言えば、初代スタースクリームもディセプティコンに入る前は科学者でしたっけー。戦場にいる方が性に合ってるから兵士になったんでしたよね。配置転換が彼の運命を変えてしまったようですが、スタースクリームだけに元々そうなる素質が有ったとしか…。
ここで少し語ります。
完全新規造型のスタースクリーム、本当に久しぶり…。2008年に発売されたヘケヘケ版スタースクリームがありましたが、その後に展開されたユナイテッドには登場せず、本来のデザインラインでのスタースクリームは5年ぶりです。それまで一切無かったんですよね…ムービーやプライムと言った、正規デザインラインから外れたものはいくつかありましたけど。一応プライムの年にマスターピースでスタースクリームが発売されていますが、あれは元デザインが有っての物だし、オルタニティ版スタースクリームは車だし。2010年度に出版された書籍“TFジェネレーション”に掲載されている描き下ろしコミック“TFユナイテッド”、これはタイトル通りユナイテッドキャラの登場するものですが、その中に当時は発売されていなかったこのスタースクリームがチラっと登場します。どうやらこの時点でデザインは完成していた模様。
可動は平均レベル…まぁこの胸を見ればバルキリー変形するのは分かると思うので推して知るべし。
首、肩、上腕ロール軸、肘二重関節、手首回転、股関節ボールジョイント、膝、爪先が下方向にのみ可動(ただし変形の為の物でポージ
ングに役立つものではありません)。肘の二重関節と手首は有りがたいですが、それ以外は特筆すべき点は。
と思ったのですが、首はこれまでのスタースクリームだと襟が干渉または隠れて真横を向けない(又は顔が隠れる)
事が多かったですが、今回のスタースクリームは襟が背中側にズレていて真横が抜けているので、首360度回転&
真横を向いても顔が隠れません。そしてよく見ると、胸部に初代アニメで使用していたミサイルポッドと思しきディテ
ールが有ります。
ここで可動について一つ注意点。肩を動かす際、肩から斜めに伸びているフィン状のパーツ、これが背中の翼に引っ
かかる時が有ります。翼は塗装されているので、考えなしに動かすと塗装面を引っ掻き剥がれる恐れが有ります。
二の腕の形状にクセが有り、スペース司令官同様に武器を持たせるとこの様になってしまいます。二の腕が干渉して
グリップがしっかり入らない、その結果銃身が前に傾く。浅く入れれば今度はグリップが抜けやすく…。
しかし幸い手首が回転するので、画像の位置から90度回して武器を持たせ対処しましょう。
または、武器についているもう一つの5ミリジョイントを使います。こちらはグリップが長めなので、二の腕の干渉部分
に武器が接触しても充分グリップを握れます。ただ、真上に肉抜き穴の面が向いてしまいますが…。
もう一つ、可動の注意点を。股関節は普通に動きますが、太腿と背中側に有る凸ジョイントがぶつかり、これ以上は
上げられませんです。太腿を回してジョイントを避ければさらに上げられますが、今度は塗装面をジョイントが引っ掻
く恐れが出てきます。気を付けていればいいんですけど、そうしなきゃならんのが煩わしい。
側面から見てみると、翼と二の腕と脹脛に5ミリジョイントがあります。ここ最近のTFは使わない5ミリジョイントを設け
る物が多いですが、美観を損ねない程度ならばプレイバリューが広がるので私は歓迎します。
背中側には特に5ミリジョイントは有りません。足首付近にそれっぽい物が有りますが、これは変形時に使うものなの
で使えません。そもそも径が5ミリではありません。
背中中央に有る三角形の青いパーツを外すと、その下には3つ並んだ5ミリジョイントが。これは取説には記載されて
いない隠しギミックで、私も他のレビューサイトで初めて知ったクチです。
武器はバックカードにも記載されている様にスクラップメーカー砲、元々ゲームの方で今回のスタースクリームが使用
していた武器だそうです。3連装大型ガトリング砲、一言で言えばそんな感じ。ギア部分を回せば、それと一緒に銃身と
内部のグレー部分が回転します。TFリベンジで飽きるほど使われていた穴開きメックアライブと同様ですが、このギミッ
クの本命は銃身が回転する事なので、内部メカだけが回っていたあれよりはずっと良いです。でもガトリング砲なら、ビ
ーストウォーズでやってた“ボタンを押すとスプリングで回転!”とかのギミックも見たかったかな。今後に期待。
5ミリジョイントが複数有るので、手に持たせるだけでなく二の腕に付ける事も可能です。
左右で連結すればダブルガトリング砲に!こうすると左右のギアが噛み合うので、片方を回せば両方とも回転する様になります。
これは見た目もギミックも派手で面白く、中々の好ギミック。肘が二重関節になっていたのは、この両手持ちをさせる為だったのですね。
ビークルモードは戦闘機、スタースクリームの名を持つTFではお馴染みのモチーフ。今回は海外ゲームに登場する
地球に来る前の姿ですが、ビークルモードでもSFメカとなっております。武器が大きいのは良いんですけど、翼が小
さいのと機首が短いので若干寸詰まり気味。
ぶっちゃけ、コレに見えるんですよね。コレはギミックの都合とか有りましたけど、こちらは…。
武器を外すと、機首の短さは解消されましたがやはり翼が小さく迫力に欠ける。
デザイン自体はそれなりにかっこいいのに勿体無い。
ロボットモードで紹介した背中の5ミリジョイント、恐らくビークルモードでこんな風に使う為の物と思われます。しかし…?
狭い間隔で5ミリジョイントが二つ並んでいた事を考えると、恐らくこうするのが正しい形なんじゃないかと。
思った通り、武器に二つ並んでいる5ミリジョイントの間隔と一致します。ただし、これも取説には記載されていません。
変形シークエンスに入ります。機首の赤い部分を180度折り曲げ、翼を上方向に折り曲げます。
機体後方に有る、ノズルと本体を接続していたジョイントを外します。
機首裏側に有るヒンジに沿って、ノズル部分ごと下画像の様に180度移動させます。
ノズルから、ロボットモードの爪先を引き出します。
続いて機体後方。中に収納されていたロボット両腕を引き出します。
そのまま、折り畳まれていた肘を真っ直ぐ伸ばします。その際に上腕ロール軸を回し、腕を前方向に向けておきます。
腕を出し終えたら、機体をヒンジに沿って折り曲げます。ここまでの流れから見て分かる様に基本はバルキリー
変形、その場合だとこの部分はコの字を左に90度傾けた様な形に曲げるもんですが、このスタースクリームは
そうでは無くL字型に曲げるのが特徴です。
視点を真正面に移し、上画像で一番上だったヒンジを90度曲げてジョイントで固定、首を180度回転させて正面に向けます。
そして胴体のこの部分、これを折り曲げて定位置に合わせ変形完了です。
オーソドックスなバルキリー変形ではありますが、地味ながら変わった事をやっています。
最後にスクラップメーカー砲を手に持たせて変形完了。
総評としては、ギミック自体は原始的とは言えスクラップメーカー砲が中々面白い。
単体でもそれなりの大きさ、ガトリング砲の説得力、回転、合体で左右連動回転、5ミリジョイントも多く融通が利く。
でもスタースクリーム本体は、出来は決して悪く無い、そしてこれと言った弱点も無いんですけど(微妙に動かしにくい所は有りますが)どうも微妙
に物足りなさを感じます。スクラップメーカー砲を持たせる為に肘を二重関節にした、ちょっとだけ捻ってある変形パターン、特徴はあるんですけど
スタースクリーム本体の設計上の特徴ってそれくらいしか無いんです。
あとは見た目が判断材料ですが…かっこいいと思えたなら買っても良いでしょう。ただ、不健康そうな顔はもう少しどうにかしてくれ。
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