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大きな世界の小さな部屋

まぁ色々とヲタ趣味に関した話題をうんたらかんたらと…あと動物ネタなんかも。

見た目より凄い

2007年08月04日 22時48分38秒 | 映像作品
皆さん知っての通り、私はトランスフォーマーが好きです。そして、第一作目をリアルタイムで視聴し夢中になったクチです。少年だった私は、あの頃知人と「TFを実写にしたらどんな感じだろうなー?見たいなー。」というテーマで雑談した事があります。その時は着ぐるみロボという答えしか出ませんでしたが(本当はストップモーションアニメという現在では絶滅した手法もありましたが、その知人が映画好きでは無かったので伏せました)、それから十年以上経過しビーストウォーズというフルCG作を見て、これなら人物を実写にしてTFをCGで作り合成すれば実写化も可能なんじゃないか?と当時思ったものです。

そして、ついにそれが実現する日が来たのです。ああ、ビーストウォーズ時代の自分に教えてあげたいです、お前さんの考えは間違ってなかった。そして少年時代の自分に教えてあげたいです、君の夢は叶うよって。

で、本日から公開がスタートした映画、見てきました。この日の為に買ったミュージックレーベルのMP3プレイヤー内蔵サウンドウェーブと、同じくミュージックレーベルのフレンジー&ランブルを携えて。シアターに入り、スクリーンを前にして初代TFの主題歌を聞きながら万感の思いにふけりつつ、一人のシリーズファンとして心の中では盛り上がっていましたとも。まぁ、それはTFの新作が見れるって事であり、実は作品的には期待半分不安半分ってトコだったんですけどね。ダンクーガノヴァの時みたいに、「どうせまた…」という気持ちもありましたし、なによりスタースクリームのデザインに代表される「作り手のTFへの愛の無さ」が伝わってきますから。

で、公開初日というだけに詳しい内容は伏せますが、映像作品としては普通に楽しめる堅実な作りだったんじゃないかと。シリーズへの愛が無いとか言いましたが、意外に所々に原作ファンへのサービスもちゃんとありましたよ。主人公サムがヒロインに向かって言った台詞“君は見た目より凄いものを持っている”と司令官の台詞“彼らは我々同様に見た目以上の力を秘めている”って台詞、これTFの定番キャッチコピー“More than meets the eye!”の事ですよね?そして中古車センターに入ってきたバンブルビーの隣に置いてある中古車が、旧作バンブルビーの姿だった黄色のフォルクスワーゲンだったとか。そして個人的にポイント高いのが、覚醒したメガトロン様がスタースクリームに向かって

「また失敗したのかスタースクリーム、この愚か者がッ!」

と言ってくれたトコ(´∀`)アヒャヒャヒャヒャ
本当、これでもう少しメカデザインに愛があれば…。

そして最も懸念していたのが、TF各キャラクターの描写でした。ただでさえTFシリーズっていうのはキャラが多い、しかも今回は劇場作品とTVシリーズと違い時間が限られています。だから、キャラ描写に費やせる時間がどの程度あるのか、そしてどの程度描写されるのか…?TFは体こそ機械ですが心は人間と全く変わらないというのが重要なトコです、だからその辺が時間の都合もあり疎かにされるのではないか?しかし実際に見てみるとこちらもそんな事は無く、それぞれがちゃんと描かれてました。人類の味方である勢力オートボットだと、言葉こそ発声装置の破損で喋れないバンブルビーも、サムがデート中にムード盛り上げる為の音楽をかけてあげたり、犬に襲われたサムを無言で助けてあげたりとナイスガイっぷりを披露。司令官は原作にあったフレンドリーさが無くなり固い感じになってしまったのが残念でした、ジャズは原作だと音楽好きのクールガイでしたが本作では威勢のいい軽い奴、でも仲間思いの士官に。原作ではパーティー好きの医者だったラチェットは、常に冷静ですが反面遊びを許容出来る部分もある親しめるキャラに(中盤以降は空気でしたが)。無骨で早合点しやすいタフガイなアイアンハイドは、早合点こそしませんでしたがそんなに変わらず…いや無骨さが強調されややオヤジ風味になっていた気が。武器を自慢したいが為にサムに銃を向けるシーンなんか、特にお気に入りのワンシーンでした。

オートボットの面々は兎も角、思ったとおり敵対勢力ディセプティコンのキャラ描写はかなり残念でした…なにせその大半が台詞なんか殆どありません。ちゃんとキャラクター描写がされてたのって、単独行動で頑張っていたフレンジーとメガトロンくらいじゃないでしょうか?一応バリケードには多少なりとも台詞ありましたが、キャラクター性を見せる程じゃありませんでしたし、デバステーターやボーンクラッシャーやブラックアウトなんか召集命令に返事する位しか台詞ありませんでしたし、スコルポノックに至っては台詞一個もありませんでしたし。スタースクリームに至っては…こいつは原作ではディセプティコン兵士と聞くと真っ先に名前が挙がる位に知名度の高いキャラで、その若さからくる野心から何度もメガトロンを裏切っては失敗し“お許しくださいメガトロンさま~!”というのが定番だった下克上野郎だったのに、本作では“ちょっと目立つ雑兵”扱いで出番こそ多いが終始戦ってるだけでロクに喋りゃしない、そして裏切りもしない。忠実なスタースクリームと行ったらアニメシリーズ“トランスフォーマースーパーリンク”のナイトスクリームもそうでしたが、こいつの場合は単に時間の都合で裏切らせる暇が無かったんでしょうね。こいつだけは無傷で映画は終わりましたから、次回作に期待しましょう。ちなみに、前日譚に当たる小説「ゴースト オブ イエスタディ」では、ディセプティコン側のキャラクター描写きっちりとフォローされてるらしいです。買ったけどまだ読んでないんですよ。

それと個人的に気になったのが、この映画は“良くも悪くも期待を裏切る”ってトコですか。予告編とかにあった映像を見て、多くの視聴者が“きっとこれはこういうシーンなんだ”と思ったと思います、しかしそれがことごとく外れるんですねー。例えばプールの前に立つ一人の女の子、その目の前にプールからその巨体を現すTFというシーン。TFへの知識の無い一般人は誰もがこの怪物が女の子を襲うと思った事でしょう…ちなみにこのTFは先ほどご紹介したアイアンハイドつまり人間の味方なので、襲うどころかそのまま歩いて去っていってしまうんですよ。個人的な要望ですが、出来ればここで女の子に対して“悪いな、驚かせちまって。直ぐに出て行くからこの事は内緒にしてくれ”とか言わせて欲しかったんですが…そういうのがTFの味なんだし。そして住宅地が一斉に停電になり明かりが消えるシーン、これTFが地球にやってきた(隕石に変形して落下して来た)時の影響で停電になったと私は思っていたのですが、実際はオートボットの面々がサムの家に来た時にラチェットが電線に引っかかって転び、その時の感覚を“面白いからお前もやってみろよ”と勧められたアイアンハイドが同じ事やった結果だったとか…っつーか何やってるんだお前ら

本作ではCGで描画されているTF、その為にアニメや実写では出せないダイナミックなアクションや複雑極まりない無茶な変形を魅せてくれます。しかし、CGならではの悪い点も見受けられました。なにせ動きがスピーディーすぎて、目まぐるしく動き回るもんで何が起きているのか把握しにくかったです(特にフレンジー)。だから、この辺はDVD買って変形シーンも含めてじっくり見直してみるつもりです。

基本的にTFというのは、善と悪のロボット軍団による戦争です。ですが、日本ではそれでは“幼稚”という印象を与えるのを避ける為か、エイリアン侵略映画として宣伝されておりオートボットの事については全く触れられていませんでした。ですが、実際見てみるとかなり早い段階にサムはオートボットと遭遇し、中盤では軍人とオートボットが協力しはじめ、後半は普通にこれまでのシリーズ同様に善と悪の戦争になりました。そしてマイクロン伝説、スーパーリンク、ギャラクシーフォースと近年放送されたTVアニメでは“戦争を想起させる”という理由から避けられてきた派手な市外戦も存分にやってくれたので、益々あの本作の持ち味を捻じ曲げた宣伝の仕方には腹が立ちましたね。

総評から言うと、ダンクーガノヴァの時の様にがっかりする事は無い、まぁ言いたい事は色々とありますが普通に楽しめる娯楽作として仕上がっていると思います(アレと比べちゃ流石に失礼か)。TFが好きな人もシリーズを知らない人も、一度劇場に足を運んでみてください。尚、個人的には吹き替え版がお勧めです…司令官を旧作同様に玄田哲章氏が演じてるって事じゃ無くって、目の前の機械がいきなり異形のロボットに変形し驚いている所、さらにそいつが流暢に人間の言葉で喋りだすという二度に渡るビックリ感、これを味わって欲しいのです。


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3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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次回作にも期待。 (TF馬鹿一代。)
2007-08-05 13:54:11
ごきげんようでござる。
拙者も初日に日本語吹き替え版を観賞したでござるが、今回の映画は、「パールハーバー」の様な駄作では無いでござるが、トランスフォーマーを知らない人が観た方が楽しめた作品である事は間違いないでござるな。
次回作はメガトロンの逆襲!「トランスフォーマー対G・Iジョー」を製作して欲しいものでござる(笑)。
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私も見てきました。 (さいとうひとし)
2007-08-05 19:27:24
ディセプティコンズ側の描写に関しては、
初見の観客さんたちにも「オートボット陣営との属性の違い」を
わかりやすい対比で見せるという点で
残念ではありますものの、あながち誤った選択でもなかったかなぁ、と思っております。
あの徹底した「アイアンモンスターとしての異質さ、異形ぶり」の感触というのは
これまでのTFの文脈とはまた違った意味で心躍るものがありましたねぇ、
市井のいち怪獣ファンとしましては(笑)。

それと……ジャズ、ああ、ジャズよ……(ほろり)。
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Unknown (ALE)
2007-08-11 21:54:01
TF馬鹿一代。さま>
ごきげんようです。やっぱり原作付き作品となると、最低でも原作ファンは釣れるけど叩きやすいのもまた原作ファンな訳で…。色々と言いたい事はあれど、個人的には新作TFでありながら「G1の匂いがする」というのはポイント高いです。あとは、たまーに出てくる下ネタが無ければ。あ、次回作にはパワーグライドやグリムロック出して欲しいトコ。

さいとうひとしさま>
ああ、そう言われてみればそういう手法もアリかと。時間も限られてますし…しかしやっぱりそういうのだと物足りないですねぇ。差別化と言っても、大本を辿ればオートボットもディセプティコンも同じ種族なんだから、あんまりディセプティコンを“単なる怪物”扱いはしないで欲しいのがG1ファンの正直な気持ちです。

キャラ的には面白かったけど、一番出番が少なかった気がするんですがジャズ…声はギャラクシーコンボイ総司令官なのにねぇ。

なんにせよ、個人的には気に入った映像作品ではあるのでDVDも買いますよ。あ、公開中にもう一回くらい見に行くかも。
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