高粗利の化粧品,一般用医薬品で利益を稼ぎ,低租利の食品,日用雑貨を安売りに回し固定客化を図るドラッグストア業界。その経営戦略は,セルフメディケーションの受け皿となるべく調剤を主体としての専門性指向の企業と,食品を幅広く品ぞろえし安売りを武器にスーパーやコンビニと競い合うと一般性を追求する企業との2極化している。
そんな中にあって,一人我が道を行くのが「ディスカウントドラッグコスモス」を標榜するのが九州を地盤とし四国,中国で470店舗を展開するコスモス薬品 (http://www.cosmospc.co.jp/東証1部 福岡市)である。
同社は,「薬品」を名乗りながら,調剤は全470店舗 (12年10月末)のうち一店のみ。小さな商圏(15,000~20,000人程度)に限定し多店舗展開する小商圏型メガドラッグストア』を指向している。その特徴は,医薬品・化粧品のみならず日用雑貨,生鮮三品以外の食品等の日常の暮らしに必要な消耗品を品ぞろえしている。そして,一般食品の構成比が50%を超える点がユニークである。業績好調で,売り上げは12年5月期121.4%と急伸している。
同社は,「化粧品,一般用医薬品などの高粗利商品に依存する経営は競争力を弱める」と,三年前に化粧品,医薬品の値下げに踏み切っている。それを可能としたのが,ローコスト経営への取り組みで現在も下がり続ける販売管理費である。12年度第1四半期(6~8月)の販売管理費は13.1%。商圏を小さく設定しているので,たくさんの店舗を出店することが可能となり,出店域は東進を続け,兵庫県に17店(12年10月現在)を展開するまでになっている。
出典:コスモス薬品HP http://www.cosmospc.co.jp/ir_shihyo01.html
⇒⇒ 関連ブログ ⇒ 少子高齢化,人口減少時代に適合-コスモス薬品の「小商圏型メガドラッグストア」戦略 1
少子高齢化,人口減少の時代に適合:コスモス薬品の 『小商圏型メガドラッグストア』・2
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小売業界では大きな商圏には大きな店舗,小さな商圏には小さな店舗という考えが常識化している。そんな中で,コスモス薬品(465店舗,年商2,790億円)は,足元の小さな商圏(商圏人口1万人)をターゲットとする『小商圏型メガドラッグストア』戦略を唱えている。
『小商圏型メガドラッグストア』,商圏人口1万人の小さな商圏に可能な限りの大型店(売場面積2,000平米または1,000平米)をつくり,その地域に住む人にとって最も便利の良い店舗をつくるという戦略である。
小商圏での競合業態は,食品スーパー,小商圏型ディスカウントストア,コンビニエンスストア,500平米型ドラッグストア。 これらの競合に対抗する同社のメガドラッグストアは医薬品・化粧品はもとより日用雑貨,生鮮三品以外の食品等の日常の暮らしに必要な消耗品を豊富に取り揃えた店舗となっている。現代人にとって最も重要なものは時間であり,時間の節約こそが消費者最大のニーズ。 それを満たすのが,『小商圏型メガドラッグストア』というわけである。
⇒⇒ コスモス薬品HP ⇒ 『小商圏型メガドラッグストア』
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