KAMELOT / Poetry FOR The Poisoned

　
アメリカのメロディックパワーメタルバンドKAMELOTの9thアルバム。

前々作「The Black Halo」で歩み始めたダーク路線が、前作「Ghost Opera」で急激に加速。
「もうこれ以上はヤメテ！」的、期待を込めてレコード針を落とす。

#1「The Great Pandemonium」
厚みを持ったドラムの響きとギターの刻みが飛び込んでくる。
更に女性の「オ～～、ア～～」と化け物みたいな声（これがゲスト参加『SOILWORK』のビヨーン・ストリッドかな？）が被ってきて、瞬く間に闇黒の世界へと引きずり込まれる。
ダークな雰囲気は相変わらずだが、艶やかなロイ・カーンの声が暗さの中に華を添える。
そして何より2'40からの哭(な)きのギターがかなり良い。

#2「If Tomorrow Came」
緩急つけた俺好みの曲。
うんうん、これはいいぞ、今回はいいぞ。
前作から一転・・・とは言わないまでも、そのまま闇黒の中を彷徨い続ける作品でないことは確かだ。

#5「Hunter's Season」
派手なギターソロ・・・と思ったらゲストのガス・Gによるプレイだった。
やはり、ここまでやるとスカっとする。
ゲストでも何でもいいから、こんなギターソロをKAMELOTに求めたい。
曲は早いテンポの中にも哀愁を感じられて素晴らしい。

#10～13組曲「Poetry FOR The Poisoned」（PT1～PT4）
結構良いが、残念ながらライナーノーツにあるような「最もプログレッシブな曲」には感じられなかった。
も少しメリハリのある・・・5th「Karma」のElizabeth: I～Elizabeth: IIIのような展開に起伏のあるものにできなかったか。
どこか一本調子に感じるのは、俺の耳のレベルの低さか、聞き込みが足りないからか・・・。

#14「Once Upon A Time」
アルバムラストを飾る曲。
疾走というほど早くはない。
個人的に早くなくても良いのだが、最初のうちは輪郭のボヤけたハッキリしない曲に感じた。
サビに持ってくタイミングを急ぎ過ぎてる気がするのだ。
聴き込んでかなり良く感じてきたが、それでもキラーチューンと呼べるのかは疑問。

おまけだが、ボーナストラックの#15「Thespian Drama」はテンポの速いインスト。
日本盤で「締めくくり」となるこの曲は、もしかしたら日本人的に重要なものになるかもしれない。

　1.　The Great Pandemonium
　2.　If Tomorrow Came
　3.　Dear Editor
　4.　The Zodiac
　5.　Hunter's Season
　6.　House On A Hill
　7.　Necropolis
　8.　MY Train Of Thoughts
　9.　Seal OF Woven Years
10.　Poetry FOR The Poisoned PT.1 Incubus
11.　Pt.2 So Long
12.　Pt.3 All Is Over
13.　Pt.4 Dissection
14.　Once Upon A Time
15.　Thespian Drama (Japan Bonus Tracks)

全体的に完成度が高く好きな作品となった。
何よりも、前作を聴き終えた時の不安を取り除いてくれた事にホッとした。


このアルバムを含めた最近のCDローテーションは

Ⅰ.　ANGRA / Aqua
Ⅱ.　IRON MAIDEN / The Final Frontier
Ⅲ.　DELIRION / Lotus
Ⅳ.　KAMELOT / Poetry FOR The Poisoned

の4枚を「Ⅰ→Ⅱ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅰ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅳ」のペースで聴いている（・・・Ⅱどこに消えた？ハハハ・・・）

10～11月に All Ends と Allen / Lande の新作が発売される。
まだ継続してたのか！？嬉しい誤算。
どちらもお気に入りなアーティストだけに、来月以降も楽しみなラインナップだ。