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吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

詐欺師 その2

2017年05月09日 05時51分14秒 | 日記
 付き添いの警官に耳打ちされた。「今回も逃げようと企んでいると思いますよ。でも、気にしないでください。逃げたら逃げたでいいですから」と何ともユルユルの感じ。

 さて、レントゲンで針金が食道にある。これは内視鏡で異物鉗子でつかめばすぐ除去できそうである。「じゃ、今すぐやりましょう」と言ったら、その詐欺師はちょっとあせったような態度であった。
 そりゃそうであろう、いつものように「開腹手術でとりましょう」とこの詐欺師は期待していたのであろうが、しかし今すぐの内視鏡で異物摘出されたら直後に警察に逆戻りになってしまうからだ。

 ちょっと間をおいて「いっいや、理由は今は言えないが明日内視鏡してくれ」と言い出した。おそらくこのまま入院して夜中に逃亡する予定なのであろう。まあ警察からも「逃げられてもいいですよ」とお墨付きをもらっているので、「まあどうでもいいや」と思っていた。
 とりあえず「このまま時間を置いておくと異物は食道から胃~腸へ移動してしまう。今すぐなら手術ではなく内視鏡で簡単にとれるのでいますぐやりましょう」と型のごとく勧めた。もちろんごく当たり前の話である。
 でもこの詐欺師にとって今すぐ簡単に針金を取られてはまずいのである。このまま、何もせず入院に持っていきたいわけである。