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吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

小川培地 その2

2013年05月09日 06時21分06秒 | インポート

 遡ること30年前の話である。救命センターに勤務して間もない頃であった。週1回アルバイトの病院にいっていた。医局から紹介されたその病院は埼玉の奥のほうの町にあった。池袋から私鉄の準急で1時間ほど乗り、とある駅でおりるといつもそこには病院からの迎えの車がきていた。その病院は車で20分くらい郊外に向かった約100床程度のいわゆる老人病院であった。病院周囲には木々が生い茂り、のどかで見渡す限り畑が続いた見晴らしのよい病院であった。慌しい救命センターでの診療の中で週1回だけ落ち着いたのどかな診療ができる病院である。しかし落ち着いたとはいうものの、最新の大学の救急医療からくらべると何とも活気がなく時代に取り残された感じもしたのである。実働勤務医は自分を含め3名ほどであった。その病院の2階の病棟の一角ではいつも何十枚もの胸部レントゲン写真を黙々と見続けている白髪で高齢のドクターがいらっしゃった。