吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

忠臣蔵 その3

2012年01月20日 06時45分47秒 | インポート

江戸の町も仇討ちを後押しする風潮になってきた。しかしいよいよ仇討ちをすることになった場合、問題はその際の大義名分である。これは難しい。片手落ちの不公平判決とはいえ、浅野の即日切腹の沙汰は将軍綱吉が出したものである。これから事を起こすとなると将軍のこの裁定に対して「不公平だ。おかしな判断だ」といちゃもんをつけたととられかねない。一方、「仇討ち」とはいうものの吉良が直接浅野を殺害したわけではないため、吉良に対して仇討ちが成り立つのであろうかという疑問も生ずる。不公平といわれるが吉良は幕府の裁定に黙って従っただけである。吉良は仇討ちの相手に自分がなるなんて夢想だにしなかったであろう。「えっ何で俺が悪いの?拙者は切り付けられながらも刀は抜きませんでしたよ。しかもあの時、殿からお褒めの言葉も頂きました。恨むのは幕府の裁定であって拙者じゃないでしょ」と吉良は思うであろう。彼も被害者なのである。