ところがその2人組の女性は興奮しステレオスピーカーのように店員をまくし立てている。おそらく周囲の声など聞こえずに店員を攻撃しているのである。この勢いなので店員も「順番をお守りください」とも言えずに困惑している。あとの順番を待っている人は一応に気分を害した表情をしている。そりゃそうだろう。 しかしそのときハッと我に返った。うちでも患者さんの順番を厳密に守っているだろうか? 処置の内容や病状の緊急度で順番が前後することはよくある。その都度きちんと受付事務がお待ちの患者さんに対して説明しているだろうか? 順番待ちの人、特に患者さんは敏感である。幸い家電店での老年クレーマーのような患者さんはうちにはいらっしゃらないが、もって自分の身を律することが必要であると気がついた。まさに反面教師だった。えっ? その後の老年クレーマーはどうしたかって?