縄文時代 3章-5 「縄文時代の主な遺跡」☆

(1)縄文時代の主な遺跡

①三内丸山(さんないまるやま)遺跡・・・青森県
１９９４年、この遺跡の発掘で、それまでの野蛮的で定住せずに狩猟生活をする
縄文人のイメージが覆されることとなる。
ここでは、縄文前期～中期の1500年間にわたって、500人を超える大集団の、
文化的な定住生活の様子が伺える。
巨大な土地は区画整備され、居住区、広場、墓場、ゴミ捨て場を備え、栗の栽培も
行われ、直径1メートルの柱を6本使う巨大な大型建物跡、500戸を越す竪穴式住居跡
が発掘されている。
また、遠方地との交易も認められている。

②大森貝塚・・・東京都
１８７７年明治時代に、米国人のモースが発見し、日本の考古学がここから
始まった。日本で初めて、科学的な手法で発掘調査が行われた場所である。

③亀ヶ岡遺跡(かめがおか)・・・青森県
精巧な文様や、黒、赤の漆で飾られた縄文晩期の多様な土器が大量に出土した。
有名な遮光器土器もここから出土している。
東日本に分布する「亀ヶ岡式土器」の名称の由来となる。


④大湯環状列石(おおゆかんじょうれっせき)・・・青森県
縄文後期の遺跡で、2つの環状列石(サークルストーン）が2つある。
「日時計」の役割と、共同墓地とする説が有力である。

⑤尖石(とがりいし)遺跡・・・長野県八ヶ岳山麓
標高約1000メートルの台地にある、縄文中期の大規模集落遺跡。
「縄文のヴィーナス」と呼ばれる女性土偶が完全な形で出土した。


⑥鳥浜貝塚・・・福井県
縄文草前期の日本海側貝塚。くし、弓などの木製品や、漁業用縄製品も多数出土した。
ヒョウタンやエゴマなど、栽培植物の種もあった。

⑦津雲(つくも)貝塚・・・岡山県
縄文後期の人骨170体以上が出土した。
多くが「屈葬」され、成人は「抜歯」されたあとが見られる。

⑧福井洞穴(ふくいどうけつ)・・・長崎県
縄文草創期の約1万2千年前洞穴から「細石刃」と一緒に、「隆起線文土器」「爪形文土器」
が出土した。それまで、縄文初期の土器は、文様が入ってないとされていたのを覆した。

⑨上野原遺跡・・・鹿児島県
縄文早期の、約9500年前の日本最古の大規模な集落遺跡。

⑩夏島貝塚・・・神奈川県
縄文早期の貝塚で、「夏島式土器」はそれまでの土器編年を改めさせた。
活発な漁業活動が確認された。

⑪堀之内貝塚、姥山貝塚、加曽利貝塚・・・千葉県
貝塚は、いずれも「馬蹄形=U字形」