上下ともクリックしてくださると大変うれしいです。
イスラエル軍は2024年9月1日、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファの地下トンネルで、イスラム組織ハマスに拘束されていた人質6人の遺体を収容したと発表しました。
イスラエル軍は自分たちが人質を発見する直前にハマスに殺害されたと主張し、イスラエル保健省は
「6人は至近距離から銃撃され殺害された」
との検視結果を明らかにしていますが、正直言ってイスラエル政府のこれまでの発表は嘘だらけで、ガザの学校を攻撃しても病院を攻撃してもハマスの基地があったと言い募ってきたので信用できません。
国連安全保障理事会がバイデン政権が提出したガザ停戦案をやっと採択。ロシアは棄権(呆)。イスラエルとハマスはこのチャンスを生かして共に直ちに決議を受け入れ、即時停戦・人質解放・ガザ地区再興を始めるべきだ
ハマスが2023年10月7日にイスラエルに越境攻撃をして子どもや女性や外国人を含む1200人を殺し、200人以上を拉致した蛮行は決して許されない戦争犯罪です。
そしてハマスがいまだに人質を解放せず、イスラエル軍が迫ってきたら6人の人質を殺したのだとしたら、これも許すことのできない誘拐・監禁であり殺人です。
しかし、国連安保理決議でまで求められた停戦・人質解放交渉を遅らせてきた責任は、政権維持のために戦争継続に固執してきたネタニヤフ政権にあります。
なぜなら、ハマス側はイスラエル軍の撤退と恒久的な停戦がなされるならば、人質は解放すると早い段階から言い続けてきたからです。
ハマス幹部はカタールの衛星放送局アルジャジーラに
「6人の人質は生きて帰ることができたかもしれない。(停戦案に合意しない)ネタニヤフ首相に人質死亡の責任がある」
と述べました。
拉致と殺人の犯人が言うのは盗人猛々しいとはいえ、これはハマスの言う通りで、ネタニヤフ政権がハマス殲滅にこだわらずに停戦・人質解放交渉が合意していれば、もうとっくに人質は解放されていたはずで今回の人質殺害を防げたことは確かです。
国際司法裁判所(ICJ)がイスラエルにガザ地区ラファへの攻撃を直ちに停止するよう暫定的な措置命令。ネタニヤフ政権が「慎重さを伴う限り軍事侵攻の継続を認めるものだ」と独自の解釈を強弁し空爆で35人死亡
この人質6人の死についてとうとうイスラエル市民の怒りが爆発しました。
ガザ侵攻が始まってから最大規模の抗議行動が起こり、商都テルアビブでのデモの規模は30万人弱、他の約40か所でも計約20万人が抗議活動を行ない、各地で何十人もの逮捕者が出ています。
私は一瞬、ハマスの蛮行に対する抗議行動かと思ったのですがそうではなく、市民の怒りは停戦努力を怠ってきたネタニヤフ政権に向かっているそうで、首都エルサレムでは首相官邸周辺で抗議デモが行われ、参加者が道路を封鎖するなどしています。
テルアビブのデモの様子。
また、イスラエルの労働組合「ヒスタドルート」は 9月1日に人質解放を実現するよう政府に圧力をかけるとして、イスラエル全土でストライキを呼びかけ、テルアビブ近郊の主要空港が9月2日に一時閉鎖されるなどしています。
ストライキ中の労働組合の集会。
イスラエルのネタニヤフ政権が4日連続でガザの学校を攻撃。国際司法裁判所(ICJ)の軍事行動停止命令やアメリカが提唱して可決された国連安保理の停戦決議を無視するイスラエルに世界は経済制裁をすべきだ。
これに対して、ネタニヤフ首相は声明で、ハマスに「代償を払わせる」と強調していますが、もうネタニヤフ首相がハマスを悪魔化して戦争で政権維持を図る策動は成功しないでしょう。
【#イスラエル戦争犯罪】イスラエル軍がレバノンの首都ベイルートでヒズボラ幹部を空爆・暗殺。イランの首都テヘランでハマス最高指導者を暗殺。ネタニヤフ首相は自分の権力維持のために戦争拡大しか考えていない。
さて、これに対して、この死亡した人質6人のうちの1人がイスラエル国籍だけではなく米国籍も持っていたため、アメリカのバイデン大統領は
「打ちのめされ、激しい憤りを感じている」
として、ハマスに
「犯罪の代償を払わせる」
と宣言し
「残りの人質を解放させる合意の締結に向けて昼夜なく取り組む」
と言いましたが、アメリカが支援するからイスラエルのガザ侵攻は維持できているのであり、ハマスに犯罪の代償を払わせると言い出したらネタニヤフ首相と言っていることは同じです。
また「人質を解放させる合意の締結」のための努力をするなら、それは戦争継続にあくまで執着しているネタニヤフ政権を説得すべきです。
バイデン米大統領がイスラエル軍によるガザ侵攻をジェノサイドと認めず、イスラエルに10億ドル以上の武器を売却する方針を議会に通知。バイデン氏とトランプ氏から選ぶ大統領選ではババしかないババ抜きだ。
そして民主党の次期大統領候補であるカマラ・ハリス副大統領はもっと勇ましく(-_-;)、Ⅹで
「ハマスは邪悪なテロ組織」
「今回の殺人でハマスはより多くの米国人の血を手につけることになった」
「私はハマスの相次ぐ残忍な行為を強く糾弾する」
「イスラエルおよびイスラエルにいる米国国民に対するハマスの脅威は除去されるべき」
とネタニヤフ首相以上に過激なことを言っています。
アメリカがイスラエルを支援し続けてきたから今の悲劇がある、という自覚がまるで足りません。
自分が大統領だったら10月7日の奇襲攻撃もなかったと自己アピールに努めるトランプ候補は論外ですが、ハリス候補もこれでは大統領選挙には勝てても、世界中でアメリカ合衆国が戦争を起こしまくる現状は変えられないでしょう。
On October 7, Hersh Goldberg-Polin — an American citizen — was taken hostage by Hamas terrorists. He was just 23 years old, attending a music festival with friends. We now know he was murdered by Hamas.
— Vice President Kamala Harris (@VP) September 1, 2024
Doug and my prayers are with Jon Polin and Rachel Goldberg-Polin, Hersh's… pic.twitter.com/vHSGbWgUjr
イスラエルのネタニヤフ首相がアメリカ上下院で演説。ガザで無差別殺戮を行ない、国際司法裁判所からは攻撃を差し止められ、国際刑事裁判所に逮捕状が請求されているネタニヤフ容疑者に演説させるアメリカは異常だ。
アメリカの産軍複合体はウクライナという新たな「市場」を見つけた。第二次大戦後、世界中で戦争をしまくり、イスラエルによる武力行使を放置するアメリカに、ロシアによるウクライナ侵略を非難する資格はない。
ベトナムにも一兵士として従軍した社会派映画監督として知られるオリバー・ストーン監督に、ベトナム三部作と呼ばれる有名な「プラトーン」などの作品があります。
わたくし、公開当時からこれらの作品が不満で、保守派映画監督クリント・イーストウッドの「アメリカン・スナイパー」について書いた批判記事もあるのですが、ストーン監督もイーストウッド監督も、米兵がこんなに大変だったという話ばかりで、米軍に殺されたベトナム人民やイラクの市民たちの苦しみは全く描きません。
「アメリカン・スナイパー」 クリント・イーストウッド監督が描かない、「狙われる」イラクの人々の苦悩
大好きなトム・クルーズがベトナム戦争で下半身不随になり反戦運動に身を投じる米兵役の「7月4日に生まれて」も、ベトナム人はどんだけ死んで、どんだけ身体障害者になったと思っとんねん、枯葉剤まで撒きやがって、と思って白けて観てました。
今回6人の人質が亡くなったのは本当にお気の毒ですし、彼らの死の原因となったハマスの拉致もネタニヤフ首相の蛮行も許されることではありません。
しかし、イスラエル軍のガザ侵攻で4万人以上が亡くなり、そのうち1万数千人は子どもたちだというのに、「たった」6人が亡くなっただけでこのデモとストライキ。
自分たちの政府に抗議して立ち上がったイスラエル市民は素晴らしいけれど、あなたたちの国の政府と軍が4万人も人殺ししていることについては何も思わないのですか、と言いたくもなります。
今ではすっかり親露派のオリバー・ストーン。
オリバー・ストーン オン プーチン
上下ともクリックしてくださると大変うれしいです。
2024年9月2日(月) 12:02
国際
イスラエル保健省は1日、イスラエル軍がガザ南部ラファの地下トンネルで発見した人質6人の遺体について、死因を特定するため検視を行ったことを明かし、その結果を公表しました。
それによりますと、6人はいずれも至近距離から複数発の銃弾を受けたことにより死亡したということで、「ハマスのテロリストによって殺害された」としています。
こうしたなか、イスラエルでは政府に対する抗議の声が相次いでいます。
イスラエルの有力労働組合は、去年10月の戦闘開始以降初となるゼネストを2日に実施するよう呼びかけました。政府に停戦合意を迫ることを目的としていて、主要空港も閉鎖される見通しです。
また、テルアビブでは人質の早期救出のためにネタニヤフ首相に対して停戦合意を求める抗議デモがありました。
地元メディアによりますと、デモにはおよそ30万人の市民が参加し、一部で警察との衝突も起きています。
「米国人人質の死亡」に…ハリス氏「ハマス糾弾」 トランプ氏「ハリスの責任」
9/2(月) 10:45配信
中央日報日本語版
米国のカマラ・ハリス副大統領 [写真 カマラ・ハリス フェースブック]
米国二重国籍者を含むハマスに拘束されたイスラエル人の人質6人の死亡をめぐり、米大統領候補が異なる立場を表した。
民主党大統領候補のカマラ・ハリス副大統領は1日(現地時間)、自身のX(旧ツイッター)で「ハマスは邪悪なテロ組織」とし「今回の殺人でハマスはより多くの米国人の血を手につけることになった」と主張した。
続いて「私はハマスの相次ぐ残忍な行為を強く糾弾する」とし「イスラエルおよびイスラエルにいる米国国民に対するハマスの脅威は除去されるべき」と声を高めた。
ハリス副大統領は「バイデン大統領と私はガザ地区に拘束された米国人をはじめとするすべての人質を解放するという約束に対して揺らぐことはない」とし、死亡した人質の一人、米国二重国籍者ハーシュ・ゴールドゴールドバーグポリンさんの遺族を慰労した。
共和党大統領候補のドナルド・トランプ前大統領は自身のソーシャルメディアのトゥルース・ソーシャルで「米国の力とリーダーシップの不足でハマスにより殺害された米国市民ハーシュ・ゴールドゴールドバーグポリンさんをはじめ、イスラエル人の人質の無意味な(senseless)の死を悼む」とコメントした。
続いて「はっきりと言うが、ハリス同志と腐敗したバイデンがひどいリーダーであるために発生した」とし「これはリーダーシップの総体的な不在」と非難した。
また、アフガニスタン軍撤収過程でテロで米国兵士が犠牲になったことに関連し「13人の米国人の生命を奪ったアフガニスタンでの軍撤収状況と同じく、カマラとバイデンの判断は生命を危険にしただけでなく、決して起きてはならない不必要な死に対して直接的な責任がある」と主張した。
トランプ氏は以前にも「イスラエルでの人質事態は、カマラ・ハリス同志が弱くて無能であり自分が何をするのか分からないために発生した」と激しく非難しながら「私が大統領だったならイスラエルの10月7日の事態は絶対に起きなかったはず」と強調した。
先月31日にイスラエル軍はガザ地区南部ラファの地下トンネルで自国の人質6人の遺体を収容したとこの日、明らかにした。人質は昨年10月7日にハマスがイスラエル南部を奇襲した際に拘束され、イスラエル軍はこの日6人全員の身元を確認して遺族に通知した。このうちハーシュ・ゴールドゴールドバーグポリンさんは米国とイスラエルの二重国籍者。
上下ともクリックしてくださると大変うれしいです。
https://www.aljazeera.com/news/2024/9/1/israel-recovers-bodies-of-six-captives-held-in-gaza
この中にイスラエル政府の発表も書いてありますが、その一方で、
Senior Hamas official Izzat al-Risheq said the six captives were killed in Israeli air strikes. Al-Risheq also blamed the United States for its “bias, support and partnership” in the 11-month war on the besieged territory.
とも書いてあります。宮武嶺さんが言う通り、イスラエル政府の発表をそのまま信じてはいけないですね。
考えれれるのは、
ハマスが解放したとの声明はないので、捕らえていたハマスの兵士は解放後、全員死亡したのではないか、自分たちの死を前に開放したのではないかということ。
自分の保身のために殺戮を続ける点で、プーチン容疑者もネタニヤフ氏も同じだと思います。