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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

狭山事件 再審へほのかな光

2009年12月16日 | 人権保障と平和
 我々の世代の実務法曹では、狭山事件と,
名張毒ぶどう酒事件が、長く再審開始決定のない、不当なえん罪事件として知られていたのですが、みなさんは、ご存じでしょうか。
 よかったら、ウィキペディアで狭山事件、読んで見てください。

 ポイントは、無学と差別です。


 この証拠開示勧告は大きいです。証拠開示とは検察官の手許にあるけれど、裁判所には証拠として出していない証拠を見せなさい、ということ。

 証拠があるのに検察庁が裁判所に提出していない・・・となれば、被告人に有利な証拠である可能性は高いですよね!

 しかも、裁判所が勧告をしたということは、事実の解明に一歩積極的に乗り出したということで、ひょっとしたら、再審開始決定につながっていく分岐点になるかもしれません。

 足利事件といい、地道な努力を何十年も続ける弁護士たちに敬意を表すると共に、日本の刑事裁判が『暗黒司法』と呼ばれ続けていることを思い出さずにはいられません。


狭山事件:東京高裁が検察側に初の証拠開示勧告
毎日新聞 2009年12月16日 

 埼玉県狭山市で1963年、女子高校生が殺害された「狭山事件」で、強盗殺人罪で無期懲役が確定し、仮釈放された石川一雄さん(70)の第3次再審請求を巡り、東京高裁(門野博裁判長)は16日、検察側に証拠開示を勧告した。対象は(1)殺害現場とされる雑木林で血痕の有無を調べた報告書(2)雑木林近くにいた男性の証言に関する捜査記録(3)石川さんの筆跡鑑定に使われた文書(4)石川さんの取り調べ時のメモ--など。

 狭山事件の再審請求で、証拠開示勧告は初めて。

 弁護側は06年、これらの開示を求めたが、東京高検は今年10月、血痕調査報告書について「見当たらない」、その他は「存在を明らかにする必要はない」との意見書を出した。

 確定判決では、自白に基づき雑木林が殺害現場とされ、被害者方に届いた脅迫状と石川さんの筆跡が警察の鑑定で一致したとされる。一方、雑木林近くにいた男性が「人影も悲鳴も見聞きしていない」と証言したことが明らかになっている。

 弁護団は会見して「いずれも開示されれば、自白が虚偽であることを示すポイントとなる証拠。勧告は画期的」と評価した。高裁は血痕調査報告書について、不存在なら理由の説明を求めたという。石川さんは「検察は隠すことなく、すべての証拠を速やかに出してほしい」と語った。

 東京高検の大野重国公判部長は「裁判所の勧告には重みがある。来年5月予定の次回協議までを目安に適切に対処したい」と述べた。【安高晋】


写真は共同通信。狭山事件の第3次再審請求審の三者協議を受け、記者会見する石川一雄さん=16日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ

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