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映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

クリムゾン・タイド [私的オールタイムベスト(洋画)第7位]

2005-04-06 07:38:07 | 過去に観た映画
オールタイムベスト洋画第七位
・・・いや、もちろんこの映画が、オールタイムベストに値するほどの素晴らしい映画とは思ってない。
10点満点で8点くらいの映画だ。しかし、こういう8点くらいのハリウッド娯楽アクション/サスペンス/戦争映画のおかげで僕は映画ファンをやっていられるのだ。だから8点くらいのハリウッド映画を代表してランクインさせた。
監督はリドリーの弟、トニー・スコットだ。最近のトニーは面白い「エネミー・オブ・アメリカ」「スパイ・ゲーム」「マイ・ボディガード」・・・リドリーみたく大物ぶらないのがいい。

この映画をランクインさせた理由がもう一つ。
僕はジーン・ハックマンという俳優が(ユンファの次くらいに)好きで、この作品は彼のベストアクトだと思ってるからだ。そりゃ「フレンチ・コネクション」「フレンチ・コネクション2」「ポセイドン・アドベンチャー」「ミシシッピー・バーニング」「許されざる者」だっていい。「地獄の七人」みたいなどうしょうもない映画ですら感動させる。「目撃」では合衆国大統領まで演じた(エロくてワルくて小心者の大統領だが)
でも、「クリムゾン・タイド」こそ、彼の頂点と信じて疑わない。
デンゼルを完全に食っている。かっこよすぎ。
といっても、この映画を失敗作とした時、その原因の一翼を担っているとも言える。
この映画は反戦ではないまでも、軍隊というもののの抱える矛盾とかジレンマとかそういうものを描こうとしていたと思う。少なくとも脚本段階では。そこでゴリゴリの叩き上げ軍人艦長とハーバード出のエリート副長との対立を描いたわけだが・・・ジーンがデンゼルを食い過ぎて、ジーンばかりが印象に残ってしまう!!!
同じことはハンス・ジマーの音楽にも言える。今や売れっ子のジマーだが、彼の最高傑作は「クリムゾン・タイド」だ。しかし彼がこの映画で奏でた、熱く愛国心を鼓舞する軍隊音楽は核攻撃に反対するデンゼルを無視してジーンのためだけに奏でているみたいだ!!

以下に、ジーンの名演とジマーの名曲が奇跡の様に融合した最高のシーン。原潜アラバマ出航前のジーン演説シーンの台詞全文を掲載する。
落ち込んでじっくりと元気を取り戻したい時は「男たちの挽歌」を観る僕だが、手っ取り早く3分くらいで元気を取り戻したい時は、「クリムゾン・タイド」のこのシーンだけ観ることにしている。

ラムジー艦長(ジーン・ハックマン)の演説 全文
DVDの英語字幕と吹き替え日本語より

ラムジー「アヒルどもよ。ロシアでトラブルだ。
  Ramsey: "Little ducks, there's trouble in Russia.
    それで喚ばれた。
    So they called us.
    だから我々は行く。
    And we're going over there
    ただし、最も凶悪な殺しのマシーンに乗ってだ。
     and bringing the most lethal killing machine ever devised.
    その気になれば、
    We're capable of launching more fire power,
    戦争の歴史を塗り替える程の強力な兵器を発射できるのだ。
     than has ever been released in the history of war.
    目的はただ一つ。祖国を守るためだ。
    For one purpose alone: to keep our country safe.
    我々は国防の最前線に就き、同時に最後の防衛線となる。
    We constitute the front line and the last line of defense.
    諸君に望むことは、最善の努力だ。
    I expect and demand your very best.
    それができない者は、空軍に入ってもらいたい。」
    Anything less, you should have joined the Air Force."

(笑いが起こる)
(ハンス・ジマーのかっこいい音楽が始まる)

ラムジー「最高司令官は大統領であるが、
  Ramsey: "This might be our Commander - in - Chiefs Navy,
    これは私の船だ。
     but this is my boat.
    それに乗る以上は私に従ってもらいたい。
    And all I ask is that you keep up with me.
    それができない者は、
    And if you can't
    ケツの辺りに刺激的な感覚を覚えるであろう。私の蹴りが入るからだ。」
    that strange sensation you'll be feeling in the seat of your pants will be my boot in your ass!"

(笑いが起こる)

ラムジー「ミスター・コッブ!」
  Ramsey: "Mr. Cob?"
コッブ 「はい、艦長」
  Cob: "Yes, sir!"
ラムジー「この船の名前を知っているか?」
  Ramsey: "You're aware of the name of this ship, aren't you, Mr. Cob?"
コッブ 「よく知っております!」
  Cob: "Very aware, sir!"
ラムジー「それは誇り高い名前であるか?」
  Ramsey: "It bears a proud name, dosen't it, Mr. Cob?"
コッブ 「誇り高い名前であります!」
  Cob: "Very proud, sir!"
ラムジー「乗組員は優秀であるか?」
  Ramsey: "It represents fine people."
コッブ 「極めて優秀であります!」
  Cob: "Very fine people, sir!"
ラムジー「偉大な国に住む者か?」
  Ramsey: "Who live in a fine, outstanding state."
コッブ 「偉大なる国の者であります!」
  Cob: "Outstanding, sir!"
ラムジー「そこは世界に冠たる国であるか?」
  Ramsey: "In the greatest country in the entire world."
コッブ 「世界に冠たる国であります!」
  Cob: "In the entire world, sir!"
ラムジー「この船の名はなんだ?」
  Ramsey: "And what is that name, Mr. Cob?"
コッブ 「アラバマであります!」
  Cob: "Alabama, sir!"
ラムジー「気合いを入れろ!」
  Ramsey: "And what do we say? "
ラムジーとコッブ「ゴー! バマ!」
  Ramsey & Cob: "Go 'Bama!"
乗組員全員「ゴー! バマ!」
  All crew: "Roll tide!"
ラムジー「艇長、乗組員解散!」
  Ramsey: "Chief of the boat, dismiss the crew."


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