ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

11月に読んだ本

2013-12-01 00:21:01 | 読書
11月に読んだ本は21冊でした。

◆東京バンドワゴン
◆シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン (集英社文庫)(小路 幸也)
TVドラマが面白いので、原作も読んでみました。
ドラマは、とにかく多部ちゃんがカワイイ。それと我南人の玉置さんがはまり役ですね。だいたいドラマと原作の小説を比べると、ドラマのほうが見劣りするものですが、この作品に関しては、ドラマもけっこうイケてると思います、といったら作者の小路さんに失礼でしょうか。
中身の深さはともかく、こういう下町のホームドラマ、好きです。

◆海辺のカフカ (上)(下) (新潮文庫)(村上 春樹)

15歳の家出少年、田村カフカと、少年時に記憶を失った初老の男、ナカタ。全く何の関係もない、不思議な話が交互に語られ、近づき、やがて絡み合っていくのは「1Q84」と同じ。
メタファーねぇ。まあ、話は分かりにくいメタファーに満ちているんだけど、でも、まあ、ミステリーじゃないんだし、それぞれが思うように読めばそれで良いんじゃないのでしょうか。
要するに、カフカ少年の成長物語でしょ。ちょうどエヴァンゲリオンが碇シンジのそれであるように。
そう思ってしまえば、シンプルに面白かったです。

◆俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈6〉〈7〉 (電撃文庫)(伏見 つかさ)

アニメ二期放映分です。んー、アニメが思い出されます。
この辺は面白かったですからね。
6巻は沙織の回とか、サイドストーリー的な話。
7巻では、黒猫が京介にアプローチ?、それがきっかけで桐乃のブラコンが抑えきれずに溢れだす。
桐乃は報復に家に付き合っている男を連れてきて、今度は京介のシスコンが爆発。
こんな人たちが実際に友達にいたら、絶対引くと思います。

◆終物語 (上) (講談社BOX)(西尾 維新)

待ちに待ったファイナルシリーズ第3作は、今までの物語シリーズとは変って米澤穂信さんの古典部シリーズのような展開、忍野扇がホータローに重なりました。
老倉育、せっかくのニューキャラもこの巻で退場、でも、おかげで忍野扇が黒幕がということがはっきりしました。こんなにあっさりと暦クンを誑し込んでいたとは!
中学校で撫子ちゃんの下駄箱をいじってたから、囮物語の仕掛人だったことも決定。忍野メメの甥っ子というのもどうせ嘘だろうし。
逆に、ここまで怪しいと、実は味方でしたなんてどんでん返しが必ずあるんだろうな、なんて思ってしまう、それほどに怪しすぎます。
今回は羽川翼の活躍がうれしかった。暦ハーレム陣営で頼りになるのはやはり羽川翼だな。

◆どこから行っても遠い町 (新潮文庫)(川上 弘美)
私の実家も都心から地下鉄で15分くらいの商店街の中にありました。魚春やロマンみたいな店があって、街の雰囲気もよく似てるかな。
住人も、平凡ながらそれなりに波乱万丈の人生を生きていて、それをうちの母親とかがよく噂してた。やはり似てるなぁ。
読後感は悪かったです。目標、自主性、自分の人生は自分が決める、そういう気概を持たない人たちに、自分が全く共感できないからです。
でも、本当は、もしかすると少しだけ自分もこの小説に出てくる人々に似ていて、それを認めたくないだけなのかもしれません。

◆海と毒薬 (新潮文庫)(遠藤 周作)
私の父が「子供心に、自分の人生は25歳までだと思っていた」と言っていたのを思い出しました。
B29に爆撃され、たくさんの日本人が殺されるのを目の当たりにする。そのB29に搭乗員の捕虜を人体実験の検体にすることを、自分は抵抗感を感じるだろうか。私は全く自信がない。もしかしたら捕虜に対し復讐心を感じるかもしれない。
これはその場を体験しない人が非難したり、裁いたりできる問題ではない。この小説は、もし自分がその場にいたらを自問するためのフィクション、踏絵みたいなものと認識しました。

◆翔ぶが如く〈5〉 (文春文庫)(司馬 遼太郎)
外圧に対抗できない幕府を暴力的に倒し成立した明治政府も、その指導者たちは、ある者は革命戦のさなかに倒れ、あるいは下野し、この時期の政府が思想的にも、人材的にも、驚くほどにからっぽ。
その政府を、大久保利通が一人で切り回していた。明治政府、綱渡りだなー。清国との交渉、大久保さんすごい。
それにしてもこの小説、主人公はいないし、トリビアな余談は多いし、読むのが結構大変。月に1冊ペースで、やっと半分です。

◆僕僕先生 (新潮文庫)(仁木 英之)
『狼と香辛料』の中国版みたいな、ライトノベルっぽい小説でした。
時は流れ、神や仙人の時代から、官僚が実務を司る時代になっていく。新しい時代の担い手は、時として伝統的なものに対してとても非寛容だったりするわけです。
でも、僕僕先生、圧倒的で超絶的な力を持っちゃっているから、追い詰められたり、身の危険があったりはしない。その辺が、楽しいけどやや深みのない作品になっている理由なのかな。

◆仮面の告白 (新潮文庫)(三島 由紀夫)
三島由紀夫のヰタ・セクスアリス、もーほー、それもかなり真性です。
これがもし自らの真実を書いたというのであれば、冷静な自己分析力と、精緻な表現力、そしてあっぱれなカミングアウトぶりです。
自分が異常であることとの葛藤とそれを覆い隠すための苦しい演技、筆致に迫力があります。
それにしても、「花ざかりの森」といい、これといい、初期の三島由紀夫の作品は観念的で分かりにくいです。

◆イン・ザ・プール (文春文庫)(奥田 英)

表紙買いでしたが、「勃ちっ放し」を読んで、ああ、これは、昔、フジTVのノイタミナ枠でアニメ化されていたやつだな、と思い出しました。患者も変なら医師も変。でも、どっちがわかるって言えば患者の方かな。伊良部医師の思考回路、全然理解できません。
面白すぎて一気読みしました。

◆蛍川・泥の河 (新潮文庫)(宮本 輝)
芥川賞、って感じでした。
行き場もなく泥の河を上下する船上生活者の子連れ売春婦、貧しさから抜けられないみじめさとつつましさの共存、こういう人たちって時代とともにどこへ消えていってしまったのだろうか。
「蛍川」は蛍に縁どられた淡い恋、でも、父と親友の死の直後だけに、圧倒的な蛍の描写は幻想的というよりも不気味です。

◆異邦人 (新潮文庫)(カミュ)
無関心、無感情、他人と違う自分を取り繕おうともせず、破たんし、でもその運命を傲然と受け入れるムルソー、私には理解できませんが、一方でそんなにすごいことなのかなという気もします。
単純に異邦人=異教徒みたいな意味合いにも感じますが、ベースになっているキリスト教の文化が自分には実感として備わっていないので、ムルソーの特異っぷりがイマイチピンとこないのかも。

◆有川浩脚本集 もう一つのシアター! (メディアワークス文庫)
小説「シアター」のスピンアウトものかなと思いきや、これ、実際に上演されたんですね、羽田千歳役は沢城みゆきさんで。
HPをチェックしたら、劇団子さん、今は活動中止しているみたいですね。残念。見たかったなー。
折れるんだったら、全力を出し切って折れる、なんでもそうですよね。
これで、有川浩さんの文庫本、全部制覇しました。シアター3の発売、楽しみに待っています。

◆甲子園が割れた日―松井秀喜5連続敬遠の真実 (新潮文庫)

個人的な好き嫌いで言えば、私は明徳のこの監督を全く好きにはなれません。
高校は教育の場で、教育は学校や教師のためではなく、生徒の将来のためになされるもの。それは部活といえども例外ではない。
クロもシロと言うように教えたり、社会通念上「否」とされるような行為を生徒が無感覚に受け入れてしまうような教育はすべきではない。
今の社会で必要とされる人は、理念や自分の考えを大切に出来る人で、自分の考えを持たせない教育は社会的にも評価されない。子供が可哀想。
松井選手は、終始さわやかで、やはり頂点を極める選手はハートが違う。

漫画が2冊。基本、漫画は読んだ本に入れていないのですが、これは普通のものとちょっと違うので。

◆気まぐれコンセプト クロニクル(ホイチョイ・プロダクションズ)

PCもケータイもなくって、夜六本木や銀座でタクシーに乗れなかった時代、確かにありました。
1000ページ近くにも及ぶ大書、バブル前夜→バブル→バブル崩壊、ここまで来るともはや現代史です。
宴会芸で○○毛を燃やす、私は広告業界ではありませんが、実際に行われているという話は実際にそれを見た人から聞いたことがあります。

◆新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 台湾論(小林よしのり)
歴史的に中国を宗主国としてきた韓国と、化外の地と言われていた台湾、この二国に対し、日本は、基本的に同じ統治をおこなったはず。
なのに、なぜここまで国民感情が違ってしまうのか。
台湾は日本を映す歴史の鏡。あの時代に日本のしたことを、自虐でもなく、正当化でもなく、冷静に、客観的に評価してみたい。一人の日本人として。

◆そして、メディアは日本を戦争に導いた(半藤 一利、保阪 正康)

新聞は最初っから軍部に沈黙を余儀なくされたのではない。発行部数を増やすために、商売で、満州事変を、国連脱退を、五一五事件をはじめとするテロを進んで擁護し、気が付いたらどうにもならない事態になっていた。
戦後、連合国が戦争責任を軍部のみに問うたとき、新聞社は口を拭って尻馬に乗った。日本は本当の意味であの戦争の総括をまだしていない。衆愚に走る国民と未成熟なジャーナリズム、あの昭和一桁の時とあまり変わっていないと著者達は警鐘を鳴らす。

◆7つの習慣―成功には原則があった!(スティーブン・R.コヴィー)

固いビジネス本なのに国内100万部、この手の本ではすごいベストセラーです。
読むきっかけはこの日本法人主催の本書の講演会に行ったこと。谷原章介さん主演の特集番組も見ました。
要は仕事以前に人格形成という話。Win-Winいうことばが定着したの、この本からですよね。
読んでみれば当たり前のことなんだけど、それが体系的に書かれていて、具体的に実施する方法まで示唆してあって、実に有益でした。
早速自分のミッション・ステートメントと週間行動計画を文書化してみました。毎週振り返りをするようにします。
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