ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

24年3月に読んだ本

2024-04-01 15:33:49 | 読書
2024年3月は16冊、積読になっていた文庫本を中心に読みました。

◆女生徒 (角川文庫)(太宰 治)
表題作や「きりぎりす」など、女性のモノローグ形式の短編が8編、さすが色男の太宰さん、女性になり切ってます。女性の性、弱さと諦観、潔癖症的な強さ、思い込みとプライド、様々なものが垣間見えます。

◆意識のリボン (集英社文庫)(綿矢りさ)
積読本消化中。女性を語り手に日常を描いた短編が8編、最初はエッセイ?とか思っちゃいました。
「履歴のない妹」の昔のやばい写真を棄てる件、あるあるなのですが、自分の恋人が、自分と美人の裸体の並べて写真を撮るというのはどういうシチュだったのでしょうか、生々しいです。
「声のない誰か」、どう考えても一発でデマとわかりますよね、普通。

◆意地悪な母と姉に売られた私。何故か若頭に溺愛されてます (富士見L文庫)(美月りん)
読んでるこっちがこっぱずかしくなるような、何のひねりもないシンデレラ・ストーリーでした。僭越ながら、これなら自分にも書けるんじゃないかと思ってしまいました。

◆地面師たち (集英社文庫)(新庄 耕)
これ、実際にあった事件が元ネタなんですね。小説はかなり面白かったけど、事実は小説より奇なり、実際の事件の方のドキュメンタリー本も読んでみようかな。
ネトフリでドラマ化もされるみたいですねー。入ろうかな、ネトフリ。

◆オフマイク (集英社文庫)(今野 敏)
今野敏さんは「隠蔽捜査」シリーズがイチオシですが、この「スクープ」シリーズも好き。
シリーズものの好みは主人公のキャラによりところが大きい。この作品の主人公、布施はTV局の記者だが、組織になじまない飄々とした一匹狼、おとぼけで表には出さないが、でもジャーナリストとしての使命感、正義感を感じる。サブキャラの匿名捜査係・黒田巡査部長も昔ながらの刑事って感じで良い。
今回は、20年前の学生サークルで起きた自殺事件に今を時めくIT長者が絡み、番組キャスターが拉致監禁される、ハラハラドキドキなお話。

◆金木犀とメテオラ (集英社文庫)(安壇 美緒)
積読本消化中。舞台は北海道の新設の中高一貫女子校、ヒロインは東京出身でマイペースな寮生・宮田佳乃と地元出身の優等生・奥沢叶。佳乃は父子家庭で父親とそりが合わず不本意ながら当校へ。母子家庭の叶は家庭環境を隠し、不幸な自分の境遇から脱出しようとあがき、恵まれた佳乃に嫉妬する。隣の芝生は青い、とびぬけた優等生の二人とそれを取り巻く友人たちの葛藤と友情と成長の物語。こういうの、結構好きです。

◆歪笑小説 (集英社文庫)(東野 圭吾)
積読本消化期間中。東野さんってこういうの書いてもお上手ですね。面白くて一気読みでした。

◆パイロットフィッシュ (角川文庫)(大崎 善生)
ヒリヒリ系の恋愛物語、といっていいのだろうか。アラフォーの山崎くんに19年前に別れた切りの元恋人・由紀子からの突然の電話。二人が分かれた原因となった由紀子の友人・伊都子とのエッチは、男目線で言えば出会いがしらの交通事故、でなければ準強姦、女にこう来られたら男に避けるすべはない。由紀子、別れる相手を間違えてんじゃない?
皆それぞれ青春があり後悔を伴う記憶がある。でも過ぎてしまったことは変えられない。それもひっくるめて一度限りの自分の人生、身につまされるお話でした。

◆私が殺した少女 (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-2)(原 りょう)
第102回直木賞受賞作、ハードボイルド・ミステリーの傑作という触れ込み、文体も、探偵・沢崎のキャラも興味深く読めたが、事件の結末、ホワイダニットは、、普通そんなこと絶対にしないよな、なんだかなーって気がしないでもない。

◆学校の怪談 (集英社文庫)(岡崎 弘明)
積読本消化。昔の映画のノベライズ。よくある旧校舎に纏わるホラーもの。私の母校も古い校舎は取り壊されすっかり姿を変えてしまったけど、伝説、友情、想い出、旧校舎ってなんかあるよね。

◆あなたの愛人の名前は (集英社文庫)(岡崎 弘明)
「蛇猫奇譚」を除きヒリヒリ系の恋愛を描いた短編が5編。パートナーがいるのに揺れ動く女性の心理、ま、これはこれで。

◆魔女の宅急便 (角川文庫)(角野 栄子)
なんか読んだことがあるなあと思ったが、やはり再読だった。ジブリの映画も見たが原作はかなり違う、かわいい話。続編もあるんですね。読んでみようかな。

◆実はあなたもやっている!? ウザい話し方 (PHP文庫)(五百田 達成)
実は自分の母親が、この本に書かれていることにいくつも当てはまる、典型的な「ウザい話し方をする」人で、閉口していあのですが、試してみたい対処方法がいくつかありました。といって、いまさら改まらないだろうけどなー。

とまあ、積読になっていた文庫本を13冊読んだのですが、積読本はまだまだ100冊近くある。
4月は図書館本の順番がどっと回ってきそうなので、山はなかなか崩せそうにありません。

図書館本を2冊。
◆ハヤブサ消防団(池井戸 潤)
池井戸さんお得意の勧善懲悪系の企業ものではない、自然豊かな田舎町を舞台にした作品。
その牧歌的な町に、連続放火、そして殺人事件が発生するというミステリー仕立て、ホームズ役は都会から移り住んだ小説家の三馬太郎、彼が戸惑いながらもどっぷり集落の人たちの生活に巻き込まれていく様がなかなかに楽しい。ドラマにもなってましたよね。観ればよかった。

◆ともぐい(河﨑 秋子)
著者の作品は「締め殺しの樹」に次いで2作目。前作は候補にとどまったが、今回は直木賞受賞おめでとうございます。
時は日露戦争前夜、北海道の山に生きる熊爪という奇妙な名の猟師と熊の対決の物語。山の自然と同化して生きる熊爪のありように圧倒される。猟師だけではない、女の生きざまも決して受け身ではない、どこか獣じみている。
第131回直木賞受賞作の「邂逅の森」と似ている。インパクトはあっちがやや上かなという気はするものの、こちらも納得の受賞作。

◆岩波テキストブックス 発達心理学 ことばの獲得と教育(内田 伸子)
今、保育園にかかわる仕事をしている。仕事仲間に勧められ、借りて読んだが、なかなか難しかった。幼児が容易に言語を習得するメカニズム、識字するメカニズム、子供の知能って、脳のしくみって、まだまだ分かんないことだらけなんだろうけど、感覚的に納得できることも多かった。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 豊後森・旧機関車操車場 | トップ | 2023年4月に読んだ本 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事