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ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

15年12月に読んだ本

2016-01-01 23:07:01 | 読書
12月に読んだ本は19作品。

うちミステリーが6作。

◆「満願」(米澤穂信)
このミス、ミステリを読みたい、文春ミステリーの三冠の他、山本周五郎賞を受賞、直木賞候補ににもなった米澤さんの話題作、やっと読めました。
登場人物も趣も違う短編ミステリーが6篇。最初の「夜警」で米澤さんの世界に引きずり込まれました。
「柘榴」は少女でも女の性を持っているってことか、「万灯」は昔の商社マンの話、「関守」「満願」と、最後までドキドキしながら読みました。ほの暗い心の闇、それで結論はどうなっちゃうのと余韻を残して終わる珠玉の短編集でした。

◆「ふちなしのかがみ」(辻村深月)
「踊り場の花子」「ブランコをこぐ足」「おとうさん、したいがあるよ」「ふちなしのかがみ」「八月の天変地異」、ホラー・ミステリーの短編が5編。ファンタジーっぽいホラーでどれも面白かったけど、一つ上げるとすればやはり表題作の「ふちなしのかがみ」かな。
「おとうさん、したいがあるよ」も、狂気の世界っぽくて不気味だけど秀作。

◆「鳩の撃退法(上)(下)」(佐藤正午)
山田風太郎賞受賞作ということで読んでみました。
語り部である作者が、実際に渦中に巻き込まれた体験をリアルタイムで綴ったミステリー小説。それも、作者自身が嘘をついているかもしれない、少なくともすべての真実を語っているわけでもないという、実にややこしいつくりの小説でした。
それに上下巻で900ページ以上、カラクリが見え始めるまでが長かったです。
凝った作りの割には実によくできた、終わってみれば納得のミステリーでした。

◆掟上今日子の推薦文
◆掟上今日子の遺言書(西尾維新)
忘却探偵シリーズの2作目と4作目。
いずれもTVドラマとはちょっと違う結末です。
原作のほうが、今日子さんのキャラが立ってて、ミステリーらしくて、良いです。
新垣結衣さん、今日子さんにしては、背が高すぎるし、正統派美人すぎますよね。個人的には今日子さん役は多部未華子さんにやってほしかったんだけど。
西尾さんらしく、ライトに面白い。シリーズ全作読みたい。

◆「お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂」 (似鳥航一)
ちょっと「和菓子のアン」っぽい、日常ミステリー系のライトノベル。葵さんの正体とか、二人の仲は?とかあるのでシリーズものになるのでしょう。はてさて。

大好きな「神様のカルテ」シリーズから2作。
◆「神様のカルテ0」(夏川草介)
一止やタツ、次郎、千夏、大狸先生、古狐先生、そしてハル、シリーズの登場人物総出演の「神様のカルテ」前日譚が、いつもの信州の四季とともに描かれています。
相変わらずほのぼのとした良いお話。「神様のカルテ」って、そういう意味だったんですね。一止は昔から一止です。
一止とハルの出会いの話があるんじゃないかと期待していたのですが。。。

◆「神様のカルテ 3 (夏川草介)
イチとハル、当然脳内は櫻井翔さんと宮崎あおいさん。二人の会話、相変わらず良い味出してます。章立ても信州の四季が感じられて良い。
それにしても医師としての強烈な覚悟と責任感、そして過酷な環境、この本を読んで、医者になりたいと思う人、かえって減っているんじゃないかと心配してしまいます。

◆「有頂天家族 二代目の帰朝」(森見登美彦)
続編。前作に続き、相変わらず阿呆でバカバカしくも愛らしい毛玉たちでした。矢三郎と海星ちゃんもうまくいきそうで良かったです。

◆「本屋さんのダイアナ」(柚木麻子)
柚月さんの作品は「ランチのアッコちゃん」に続き2冊目だけど、こっちのほうがずっと良かった。
早稲田大学の例のサークルみたいな事件の当事者になってしまった彩子と、父と会うという幼いころからの夢に破れてしまったダイアナの、ふたりの成長物語、親友の人生が運命的に交差する。
はらはらしながらも、地味に勇気づけられる、また読み返したい作品です。

◆「at Home」(本多孝好)
「at Home」「日曜日のヤドカリ」「リバイバル」「共犯者たち」、普通ではない家族の絆、血のつながりが家族なんじゃない、やりなおしの物語。
どれもほのぼのとさせられるお話でした。

◆「ぼくらの七日間戦争」(宗田理)
管理社会に反抗する子供たちという、ステレオタイプのお話。
痛快な娯楽作品として読めばよいのかな。時代を感じる、いかにも昭和って感じのお話でした。

◆「昨夜のカレー、明日のパン」(木皿泉)
昨年の本屋大賞で「村上海賊の娘」に次いで2位になった作品。ゆっくりした、淡々とした小説だった。
夕子さんが死んで、一樹が死んで、それでも時は流れ、人もすこしずつ忘れ、自然と変わっていく。そんな日常生活が何気ない言葉で語られている、たまにはこういうのもありかな。

◆「キャロリング」(有川浩)
主人公の大和と小学生の翔平、闇金の赤木、両親の不仲、不幸な生い立ちの3人が交錯するクリスマスの出来事。
これを読ませてしまう有川さんの筆力はさすがと思うものの、「感動しました」とは言えないくらいは大人になってしまいました。
まあ、読み物として、安心したというか、ほのぼのした気分にはなりましたけど。

◆「とんび 」(重松清)
頑固で不器用で素直じゃなくて、まあ自分とは全くタイプの違う男、ヤス。
こんな人が父だったら息子も大変だよねと思うけど、でも、泣けてしまうのはどうしてだろう。

先月に続き同じ著者の歴史本が2冊。

◆「歴史が面白くなる 東大のディープな日本史 (3)」(相澤理)
全3冊、楽しませていただきました。
ワカタケル大王の後の歴史の空白とか、浮浪・逃亡した農民とか、瀬戸内海の海賊とか、惣村の自治とか、個人的には、古代、中世の問題が実に面白かった。

◆「歴史が面白くなる ディープな戦後史」(相澤理)
「東大のディープな日本史」に続き、今度は一橋大の入試問題。
一橋は我が母校、社会は日本史と世界史で受験した。
近代史対策に岩波新書の「昭和史」を熟読したのと、日本史なのに現国っぽい問題だなと思った記憶があるが、遠い昔のことなので細部は覚えていない。
読むとどれも深い難問ばかりで、「なかなかすごかったんだな、高3のころの自分」と思ってしまった。今の自分の歴史好きは、一橋大の受験勉強の賜物かもしれない。
こうしてみると、日本の戦後の政治家って外交もけっこうしたたかだったんですね。やはり日本国憲法は見直されるべきかな。

◆「世にも奇妙なマラソン大会」(高野秀行)
日本人は、記録、健康、自分のために走る人が多いけど、欧米はマラソンに対する考え方が全く違う。チャリティとかボランティアの精神が根付いている。
確かに海外へ行くと日本人男性と外国人女性よりも、日本人女性と外国人男性の夫婦の方が断然多い気がしてた。なるほどこういうわけか。
確かに戸籍にはフリガナがない。私も、パスポートはTAKATAなのですが、会社の名刺とかはずっとTAKADAで、海外転勤するときに「それは違う名前です」と言われ、名前をパスポート名に統一しました。


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