ある日のロシアの配給所で、いつものとおり食料の到着を待つ人々が朝早くから行列を作っている。
待っても待っても食料が来ないので、係員があまりにも長い列を何とかするためにこんな張り紙をした。
「ユダヤ人はお帰りください。」
それでも、まだ食料は来ないので昼頃に今度は、
「共産党員以外の方はお帰りください。」
それでもまだ来ないので、夕方になって今度は、
「1917年のロシア革命に参加していない方はお帰りください。」
もう老人ばかりになった列の人々はそれでも食料の到着を待っていた。
しかし結局、食料は来なかった。
「本日の配給はありません。」
との貼り紙を横目に老人たちは去っていく。
結局、朝帰って行ったユダヤ人が無駄に並ばずにすんで、最後まで並んだロシアの老人たちは無駄骨に終わった。
そこで一人の老人がこうつぶやく、
「くそお。いつもユダヤ人の奴らははいい思いをする・・・。」