アメリカの裕福な家に生まれて何不自由なく育てられた彼女は、明るく美しい
幸せいっぱいの少女でした。
恋愛ののちに結婚した好青年は、金遣いが荒くなり、女癖も悪くなりと豹変。
彼女は貢がされ、虐げられ、嫉妬と怒りと悲しみを感じながらも
何も出来ないのでした。
一人の息子に偏執的な愛情を注ぎ、
「お前だけが私の幸せ」とばかりに可愛がって可愛がって育てる毎日。
やがて夫が死に、借金まみれの生活の中で息子だけには不自由をさせまいと
女手一つで働くものの、息子は甘やかされて育てられたものですから、
我が侭に育っていく一方。
最後は病気で動けない母親をおいて、ある女とどこかに去ってしまうのでした。
彼女は最後に言います。
「人生の幸せの量は皆同じ。
私は自分の分を人生の前半に使い切っただけ」と。