ある日突然、街の空き地に大きな穴が出現した。
1人の少年が名前入りのおもちゃをその穴に落としてしまった。
穴はとても深くて底が見えない。
どうやら本当に底なしらしい。
やがてこっそりゴミを捨てる人が出てきた。何人も何人も。
でもどんなにたくさん捨てても、ゴミは穴に吸い込まれて消えていく。
やがて誰もが要らなくなったものをどんどんその穴に捨てるようになった。
危険な産業廃棄物、放射能汚染物質。
膨大な量のゴミを穴に捨て続けた。
町はいつも綺麗で発展を遂げて行った。
やがて大人になった少年は、ある朝
いつもの様に出勤のため、街中を歩いていた。
ふと空から何かが落ちてきた。
拾い上げてみると、
それはかつて、穴に落とした自分の名前入りのおもちゃだった。
彼は空を見上げた。
真っ青な空の彼方から次々と「何か」が落ちてくるのが見えた。
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