話題になっていた大型ショッピングモール「ららぽーと福岡」へ、ようやく足を運ぶことができました。最寄駅であるJR竹下駅の改札口を出ると、案内板が設置されており、その誘導に従って進みました。ところが、途中から道が分からなくなり、通行人に尋ねると「そこですよ」とのこと。教えられた方向を見上げると、茶色いビルの壁に「LaLaport」という控えめな文字が。予想外の地味さに少し拍子抜けしながら近付くと、緑豊かな植栽が施されており、大都市の高級住宅街にあるショッピングモールのような、品格ある空間が広がっていました。
目を引いたのは、なんといっても等身大ガンダム。ガンダムはお台場にもありますが、ここのガンダムは一味違います。ららぽーとの開店時刻になるとテーマソングが流れ、実際に動くのです。その存在感は圧倒的で、多くの人がカメラやスマホを構え、その瞬間を映像に収めていました。
館内は、衣食住の店舗が揃っているのですが、印象的だったのはテイクアウトの充実ぶり。人気焼鳥店「八兵衛」が出店していたり、西鉄グループ運営の「レガネット」には自社製造のほか「博多いもっ子屋」や「八仙閣」の弁当・総菜が並び、さらに「Market365」でも「かね福」の弁当・総菜が豊富に取り揃えられていました。定番ながら「博多通りもん」のバラ売りもあり、買ったものをその場で味わえるよう、椅子やテーブルが数多く設置されていました。ベビー連れに人気の座敷スペースもあり、人に優しい施設だなと思いました。
ファッションに関してもユニークなサービスが。画像診断とアンケートを通して、自分に似合う色やブランドを無料診断してくれるのです。実際に試してみると、紹介されたブランドが「確かにこれは好きかも」と思えるものばかり。男性にも対応出来るので、ファッションに悩まれる方は是非、試してみて欲しいです。
生活雑貨の売場では、海外高級ブランドよりも「日本のいいもの」が光っていました。伝統工芸品を扱う「サヌイ織物」や「うなぎの寝床」、和食器専門店などが出店しており、食器が欲しい時、ここに行けば欲しいものが見つかりそうな気がしました。また「福岡おもちゃ美術館」では、木工教室が定期的に開催されており「大川家具」の端材を詰め放題で購入できるコーナーも。大川市のアンテナショップのような状態で、無料ゾーンだけでも楽しめました。
この地は、かつて「福岡市中央卸売市場 青果市場」があった場所。昭和43年から平成28年までの48年間、地域に根ざして愛されてきた歴史が、モニュメントとして残されています。歴史と未来、地元の文化が交差するこの場所は、福岡の新しい魅力を感じるのにぴったりのスポット。「ららぽーと福岡」は、福岡の日常に寄り添う、新しい風景のひとつになりそうです。