どうも朝から体調の悪いお父さん。
しょうがないから店番を与太郎にまかし、2階でちょっと休んでいようと思いました。
「どなたかいらっしゃったら、おとっつぁんは他行でございます、とお断りをしておくれ」
言い聞かせても、そこは与太郎さん。なかなか憶えることができません。
「わかったわかった。お前は馬鹿だ馬鹿だと言っても、字の読めるのがとりえだ。おとっつぁんがここに書いてやるから、どなたかいらっしゃったら、これを読んで聞かせるんだぞ。いいか、いいね」
メモを受け取った与太郎さん。誰かお客が来ても、メモさえ読めば帰っていくので、すっかり得意になってしまいました。
ところが、与太郎さんが目を離した隙に、このメモが風にとばされて見当たらなくなってしまいます。
「こんちは。おとっつぁんいるかい?」
「あ、おじさん。おとっつぁんはね。えーと、えーと・・・あれ? あれれれ? おとっっあん、おとっつぁ~ん!! ・・・大変だ。おとっつぁん、なくなった」
「なくなった? い、いつなくなったんだい!?」
「うん。ついさっき」
「さ、さっき? ずいぶん急だよ、おい。何でなくなったんだい?」
「たぶん風」
「風邪かあ。これだから風邪は万病のもとだってんだよ。でもね、与太郎さん。気を落としちゃいけねえよ」
「今更落とすなっていわれても。。。」
と、ひょいと下を見る与太郎。
「あ、おとっつぁん、あった!!」
「な、なんだい、そのあったってのは」
「えーと、おとっつぁんは他行でございます」
「・・・ふーん。与太郎さん、他行なんて難しい言葉つかっちゃって。どういう意味だか知ってるのかい?」
「しってるよぉ。2階でもって寝てることだい」
かき麿
しょうがないから店番を与太郎にまかし、2階でちょっと休んでいようと思いました。
「どなたかいらっしゃったら、おとっつぁんは他行でございます、とお断りをしておくれ」
言い聞かせても、そこは与太郎さん。なかなか憶えることができません。
「わかったわかった。お前は馬鹿だ馬鹿だと言っても、字の読めるのがとりえだ。おとっつぁんがここに書いてやるから、どなたかいらっしゃったら、これを読んで聞かせるんだぞ。いいか、いいね」
メモを受け取った与太郎さん。誰かお客が来ても、メモさえ読めば帰っていくので、すっかり得意になってしまいました。
ところが、与太郎さんが目を離した隙に、このメモが風にとばされて見当たらなくなってしまいます。
「こんちは。おとっつぁんいるかい?」
「あ、おじさん。おとっつぁんはね。えーと、えーと・・・あれ? あれれれ? おとっっあん、おとっつぁ~ん!! ・・・大変だ。おとっつぁん、なくなった」
「なくなった? い、いつなくなったんだい!?」
「うん。ついさっき」
「さ、さっき? ずいぶん急だよ、おい。何でなくなったんだい?」
「たぶん風」
「風邪かあ。これだから風邪は万病のもとだってんだよ。でもね、与太郎さん。気を落としちゃいけねえよ」
「今更落とすなっていわれても。。。」
と、ひょいと下を見る与太郎。
「あ、おとっつぁん、あった!!」
「な、なんだい、そのあったってのは」
「えーと、おとっつぁんは他行でございます」
「・・・ふーん。与太郎さん、他行なんて難しい言葉つかっちゃって。どういう意味だか知ってるのかい?」
「しってるよぉ。2階でもって寝てることだい」
かき麿