「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

3.5%と0.5% ~大学院リサーチフォーラム2018

2018-11-09 | 2018年イベント
今日は例年通りに本学医学系大学院フォーラムが開催されました。平たく言うと、大学院博士課程に在籍する学生が発表したり、討論したり、勉強したりする会ですね。私も自分の発表をすこしだけお話させて頂きました。しかし、このリサーチフォーラムのメインは何かというと、おそらく学生の発表ではありません。大学院側が最も注力しているのは、ここ数年、「博士課程修了後の就職」についてですね。本日も、リサーチフォーラムの中で教育講演があり、「いかにして大学院修了後に就職するか(主にアカデミア以外の分野で)」というテーマで多数の演題がありました。

今日、改めて教えてもらった3.5%と0.5%という数値があります。
これらが何を示すかというと、英国における博士号取得者の就職率を意味しており、それぞれ全アカデミックポストに就く割合と最終的に教授になれる割合です。つまり、博士課程を修了してPhDを取得した者が200人いたとしたら、そのうちの僅か7人だけが大学などのアカデミアで正規雇用終身ポストを得ることができ、さらに僅か1人だけが教授になれるということです。

マジすか!?(゚Д゚)
そんなに狭き門なの?

正直、私のように日本の医学部を卒業して医師免許を取得し、医局に所属している者にとっては全く関係が無い話ではありますが、改めて高等教育(Higher education)を終えた人たちの就職の厳しさを垣間見たような思いがしました。
そういう背景を知ると、私に対して「医者だからイイよな~」とやっかみ混じりに絡んでくる人たちの気持ちがちょっとだけ判るような気がしますね。とはいえ、私だって、それなりに努力して日本の国公立大学医学部に入学(私立の医学部には絶対に行きたくなかった)、6年間の専門教育を経て医師国家試験合格、2年間の卒後研修、さらに後期研修までしている訳です。「たとえ研究がうまくいかなくても、つぶしが効くからいいよな~」などと舐めたことを言われると、ちょっぴり腹立たしいですね。じゃあ、あんたも医者になれば良かっただろうと。
もっと正直に言えば「甘ったれるなよ、小僧」という感じでしょうか。

私の場合、大学院博士課程修了後は、日本の医局に戻ることになるかと思います。
問題は私がやりたい研究を続けられるかどうかですが、就職そのものについては心配していません。たとえ医局内において研究できないポジションに就いたとしても、臨床に従事することでおまんまを食えるだろうとは思います。
ただ、できれば今の研究を続けたいですね…



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