「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

長かったような短かったような1年間~まだ夢の途中

2017-09-02 | 留学全般に関して
まず、今更ではありますが、フットボール男子日本代表の勝利とW杯出場決定、おめでとうございます!
2018年ロシアで開催予定のW杯への進出が決まったのは日本で4か国目とのことですが、来年W杯で母国チームを応援できる機会を得られて私も嬉しく思います。開催地が都市となるオリンピックとは違って、W杯は国家単位での開催ですからどうしても国内移動が多くて大変だと思われますし、とくにロシアは領土が広いですからなおさらでしょう。一体どんなW杯になるのか、楽しみですね。

さて、また9月になり、私が渡英してから約1年が経過しました。
長かったような気もするし、短かったような気もします。途中3回帰国して、合計で約1カ月半は日本に滞在したのですが、基本的には英国に居たのでした。その間、現在投稿中を含めて5報の論文を書き、1冊の本を出版しました。また、幾つかの研究助成や賞も頂戴しました。研究は当初の予想を良い意味で裏切る形で二転三転しつつも前へ進んでおり、学業でも色々とありましたが進級を果たしています。こうして振り返ると、英語運用能力はあまり伸びていないものの、やはり自身の成長につながるような経験はそれなりに積むことが出来たように感じます。
海外留学は今回で3度目ですが、前2回はいずれも数カ月の短期滞在でした。今回のような年単位での長期留学はおそらく最初で最後になるでしょうか。私は福島で放射縁防護学体系の在り方に疑問を抱き、「先端研究成果をもって旧概念を駆逐し、新しい放射線防護の概念を樹立し、ひいては福島原発事故被災地の復興の一助となりたい」と思って、わざわざ英国の片隅までやってきたのでした。今のところ研究はうまく運んでおりますが、この留学を終えるまでに成果として結実できればと願っています。

ここ最近、研究の打ち合わせで根を詰めていたので、今日は自宅でのんびりと休んでいます。
ここBelfastを含めて北アイルランドは日本人が少ない地域ではありますが、この1年の間に幾人もの若き日本人学生が来て、そして去っていきました。私はいつも迎えて、そして見送る側になりますが、彼らとの思い出もまた、この1年で得た宝物といえるでしょう。ちょっぴり感傷的な気分になって、自室で本を片手に紅茶を飲みながら窓の外を眺めていると、流れる季節を感じます。

He who would learn to fly one day must first learn to stand and walk and run and climb and dance; one cannot fly into flying.
(いつか空を飛ぶことを覚えたいならば、まず立ち上がること、歩くこと、走ること、登ること、躍ることを覚えなければならない。一足飛びには飛ぶことはできない)

先は長いですが、ひとつひとつ進めていくしかありません。次の1年も頑張ります。