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算額(その1152)

2024年07月16日 | Julia

算額(その1152)

九九 春日部市小渕 観音院 明治30年(1897)
埼玉県立図書館:埼玉県史料集 第二集『埼玉の算額』,昭和44年,誠美堂印刷所,埼玉県与野市.

キーワード:円7個,最大値

面積が 262155154.5032769612 坪の正五角形の土地の一辺の長さはいかほどか。

以下の図は GeoGebra で,一辺を与えた正多角形をかき,その面積を求めたものである。算額の「答」を得るために,「問」の数値を変えている。

注:10間四方=1坪

正五角形の一辺の長さを a,一辺の両端と正五角形の中心を結ぶ二等辺三角形の高さを h とする。
h = a/2/tand(Sym(72)/2) で,正五角形の面積は,5 * a*h/2 = 5 * (a * (a/2)/tand(72/2))/2 である。

include("julia-source.txt")

using SymPy

@syms S::positive, a::positive

S = 5 * a*h/2
S |> println

   5*a^2/(4*sqrt(5 - 2*sqrt(5)))

a^2 にかかる係数 5/(4*sqrt(5 - 2*sqrt(5))) = 1.7204774005889671 を「五角法」と呼ぶ。

5/(4*sqrt(5 - 2*sqrt(5)))

   1.7204774005889671

慣例的に,五角法の近似値として 1.72 が使われていた。その場合,正五角形の面積は S = 1.72*a^2 となる。a について解けば a = sqrt(S/1.72) である。

与えられた条件は,正五角形の面積が 262155154.5032769612 なので,正五角形の一辺の長さは sqrt(262155154.5032769612/1.72) = 12345.6789 = 123456.789 間である。
この「きれいな結果」を出すために,あのとんでもない長い数字列の面積が与えられたのだ。

sqrt(262155154.5032769612/1.72) |> println
sqrt(big"262155154.5032769612"/big"1.72") |> println

   12345.6789
   12345.67890000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000004

しかし,近似値でない五角法を使えば,「きれいな数値は出てこない」

sqrt(262155154.5032769612/1.7204774005889671) |> println
sqrt(big"262155154.5032769612"/big"1.7204774005889671") |> println

   12343.96593263111
   12343.96593263111017155386297511751038450862787310648018338764402293502103615974

最初の図に示したが,正確な五角法を使うときには,「正五角形の面積は 262227917.89 坪」といえばよい。そうすれば答えは 123456.789 間になる。

sqrt(big"262227917.89"/big"1.7204774005889671")

   12345.67890000004107475558293899828913755690970317874535819580788216955810780953


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