清き心と未知なるものの為に⑧・・・ダグ・ハマ-ショルドの日記より
おまえがけっして耳を傾けたがらないなら、聞こえるという能力を、おまえは
どうして保持してゆくことができようか。神がひまをかけておまえにかかずら
うべきだ。ということがおまえには当然のように思われるらしいが、そのくせ
おまえのほうでは神にかかずらうひまがないとは!
家がからっぽだと、魔神は招かずとも入ってくる。ほかの客人にむかっては、
じつにおまええのほうから戸を開けてあげねばならぬ。
「自分の条件で」。この星のもとに生きるのは、みずからの人生がいかなる
道筋を辿るかを、孤独という代価を支払って学ぶことである。
栄誉・権力・特権をめぐる闘争が繰り広げられている。この瘴気のたちこめた
ジャングルから脱け出すには、道はひとつしかない。すなわち、われとわが手
で作りあげたもろもろの障害物のさなかにあって、死を受け入れることである。
おまえが内なる声に耳を傾けるほど、おまえの外側で響いている物音がいっそう
よく聞こえてくるであろう。そして、耳の聞こえる人だけが、口をきくこともで
きる。その道を辿ってこそ、おまえはふたつの夢を溶け会わすことができるので
あろうか。--------精神を磨ぎすまして(生)を映しだし、、また心情をきよめてお
のが人生を形づくってゆくという、ふたつの夢を。