唐宰相一覧［除皇族］95.格輔元

格輔元。字は？。
汴州俊儀人。
伯父の處仁/仁は博学「陳留八俊」の一人として名がある。
明經に合格し殿中侍御史に至り、
御史大夫同鳳閣鸞台平章事として相に連なる。
地官尚書に遷る。
武承嗣の立太子に反対する。
そのため承嗣派に誣告され誅殺。
子の格遵は亡命し神龍初に父の冤を訴える。贊善大夫に至る。
［宰相履歴］
天授2年6月地官尚書同鳳閣鸞臺平章事～10月殺

唐宰相一覧［除皇族］94.樂思晦

樂思晦・字は？。
雍州長安人。
宰相彥瑋の子。
［新舊書とも伝は簡略］
天授二年六月鸞臺侍郎同鳳閣鸞臺平章事兼検校天官尚書
として相に連なる。
同鳳閣鸞臺三品に進んだかも知れない。
十月則天の革命に反対して左衛將軍李安靜とともに殺される。
籍没された子が狄仁傑など宰相達の冤罪を救ったと
いう故事がある。
［宰相履歴］
天授二年6月鸞臺侍郎同鳳閣鸞臺平章事～10月殺

唐宰相一覧［除皇族］93.傅游藝

傅遊藝。字は？。
衛州汲人。
兄神童は冬官［工部］尚書。
載初初，合宮主簿から左肅政台御史、左補闕。
則天の即位を支援するため符瑞を上書。
功により給事中に昇進。
三ケ月で朝散大夫守鸞台侍郎同鳳閣鸞台平章事に躍進。
周が建国され姓武氏を賜る。
天授二年銀光禄大夫に至る。
唐宗室を一掃することを提言していた。
急な昇進にのぼせ上がり皇帝になった夢を見たと称した。
旧紀では短期に相を免ぜられ司禮少卿になったとされる。
密告されて下獄自殺。五品禮で葬される。
［宰相履歴］
天授元年9月鸞臺侍郎同鳳閣鸞臺平章事～2年9月自殺

唐宰相一覧［除皇族］92.宗秦客

宗秦客。字は？。
河東人
母は則天の従姉妹。
則天の即位に貢献し、天授元年9月鳳閣侍郎兼検校納言として宰相となる。
則天に関する新字の制作や《聖母神皇實錄》を編纂した。
しかし10月に収賄したことを咎められ流され死す。
則天は一族に対しても冷酷であったようである。
弟楚客が宰相となり復爵。
［宰相履歴］
天授元年9月鳳閣侍郎兼検校納言～10月貶県尉

唐宰相一覧［除皇族］91.史務滋

史務滋。字は体乾もしくは樹。
宣州溧陽人
左監門大將軍伯英の子
吏才があり昇進して司賓［鴻臚］卿。
天授元年納言に進み宰相。
則天即位後、地方を視察し安撫する。
侍御史來子に雅州刺史劉行實等共に謀叛を
企画したと誣告され自殺。
子惟肖は清河令。
［宰相履歴］
天授元年9月守納言～2年1月自殺

唐宰相一覧［除皇族］90.武攸寧

武攸寧。字は？。
并州文水人。
則天の伯父士讓の孫。父は懷道。
兄弟には攸暨や攸止がいる。
正史は武氏の事跡は詳述していないため不明な部分が多い。
則天即位とともに建昌郡王，實封四百戶。
天授元年鳳閣侍郎より納言として宰相となる。
二年8月罷され左羽林大将軍となるが、9月再び納言。
また罷され冬官尚書となる。
則天に命ぜられ横暴となった薛懷義を殺す。
聖暦元年夏官尚書から同鳳閣鸞臺三品として相位に。
二年また罷され冬官［工部］尚書。
則天の命により白馬坂に大仏を建造。
唐中宗復位後、江国公に降される。
神龍中岐州刺史在任中に卒する。
贈尚書右僕射。
［宰相履歴］
①天授元年1月納言～2年8月罷
②天授2年9月守納言～長壽元年8月罷
③神功元年9月同鳳閣鸞臺三品？
　聖暦元年9月夏官尚書同鳳閣鸞臺三品～2年2月罷

唐宰相一覧［除皇族］89.邢文偉

邢文偉。字は？。
滁州全椒人。
若年より高子貢・裴懷貴などと共に博學で有名。
咸亨中，太子典膳丞になり、太子に敬される。
高宗にも評価され右史に転じる。
則天臨朝し鳳閣侍郎平章事兼弘文館學士として宰相に進む。
載初元年內史に遷るが宗秦客の不正に連座する。
珍州刺史に左遷され途次に自殺する。
［宰相履歴］
載初元年10月鳳閣侍郎同鳳閣鸞臺平章事～天授元年1月守内史
～10月貶珍州刺史

唐宰相一覧［除皇族］88.范履冰

范履冰。字は？。
懷州河內人。
儒学を以って周王府戶曹となり、鳳閣舎人に進む。
『列女伝』・『臣軌』・『百寮新戒』・『楽書』・『字海』の編纂に当たる。
垂拱中に鸞台侍郎・天官侍郎を歴任する。
載初元年春官尚書同鳳閣鸞台平章事兼修國史として宰相。
4月反逆に坐し殺される。
子の冬芬は宣州刺史。
［宰相履歴］
載初元年10月春官尚書同鳳閣鸞臺平章事～天授元年4月殺

唐宰相一覧［除皇族］87.王本立

王本立。字は？。
［新舊書ともに伝はない］
監察御史裏行など酷吏の一員として活動。
左司郎中時、横暴なため狄仁傑に弾劾される。
その後勝州都督等西域で活動する。
肅州刺史時、則天の命を受け宰相劉禕之を取り調べる。
垂拱4年夏官侍郎より同鳳閣鸞台平章事として宰相となる。
左肅政臺御史大夫に移り同鳳閣鸞台三品に昇進する。
天授元年罷され地官尚書となる。
二月に殺される、理由は不明。
［宰相履歴］
垂拱4年9月夏官侍郎同鳳閣鸞臺平章事～載初元年3月守左肅政臺御史大夫
～7月同鳳閣鸞臺三品～天授元年1月罷

唐宰相一覧［除皇族］86.張光輔

張光輔、字は？。
京兆人。
吏才が有り昇進して司農少卿
文昌右丞に進む。
越王貞の乱の平定に諸軍節度として功績が有る。
鳳閣侍郎として宰相に連なる。
永昌元年には納言に昇進。すぐ內史となり政績をあげる。
ところが洛州司馬弓嗣業等が李敬業の弟の敬真を匿った
件で誣告され誅殺される。
［宰相履歴］
垂拱3年5月鳳閣侍郎同鳳閣鸞臺平章事～4年9月諸軍節度討越王貞～
載初元年3月守納言～守内史～8月殺

唐宰相一覧［除皇族］85.韋待價

韋待價。字は？。
御史大夫韋挺の子
蔭位により左千牛備身。
永徽中舅の江夏王道宗に坐し盧龍府果毅に貶される。
高麗征討で勇戦したが負傷し免官。
その後軍功が認められ蘭州刺史。
沛王賢が涼州大都督となり司馬として吐蕃を伐つ。
蕭州刺史として防衛に功績があった。
右武衛將軍兼檢校右羽林軍事に昇進。
儀鳳三年本官檢校涼州都督兼知鎮守兵馬事として吐蕃侵攻を防ぐ。
舊職に戻り扶陽侯に封ぜられる。
則天臨朝，吏部尚書攝司空として高宗山陵を造営する。
功により金紫光祿大夫、天官尚書に改称し同鳳閣鸞台三品として宰相。
武官出身で学才もなく吏部を統轄し失策が多かった。
垂拱元年燕然道行軍大總管として突厥を防ぐ。
二年文昌右相同鳳閣鸞台三品に代わる。
宰相として文治には才がないと自覚し辭職を申し出るが聴かれず。
安息道行軍大總管として吐蕃を征討。扶陽郡公に進む。
識迦河で吐蕃に大敗し兵を多く失う。
除名され繡州に流されて卒する。
防禦には長けていたがも、攻撃は不得手だったようだ。
［宰相履歴］
垂拱元年6月天官尚書同鳳閣鸞臺三品～11月燕然道行軍大總管
～2年6月守文昌右相～3年12月安息道行軍大總管
～載初元年5月安息道行軍總管～7月流

唐宰相一覧［除皇族］84.蘇良嗣

蘇良嗣。字は？。
巴州刺史世長の子。
高宗時に周王［中宗］府司馬。
周王に諫言し王府を統御する。
洛州長史。下僚に坐し冀州刺史に貶される。
その後荊州大都督府長史から永淳中雍州長史に進む。
時に關中は飢饉で群盗が横行していたが抑える。
則天臨朝し工部尚書。
ついで納言となり宰相となる。溫國公。
西京留守となる。
則天の寵臣で権勢を極める僧薛懷義の非礼を咎めるなど、
剛直で融通はきかない性格であった。
文昌左相同鳳閣鸞台三品に移る。
載初元年春、老齢により文昌左相を辞め、特進として宰相。
不仲の韋方質の事件に連座させられるが特に赦される。
その衝撃からか朝廷で倒れて帰宅して卒する。85才。
贈開府儀同三司益州都督
子踐言は太常丞になるが，酷吏により配流され死。
良嗣の官爵も削られ、家も籍沒。景龍元年追贈司空。
［宰相履歴］
垂拱元年5月守納言～2年6月守文昌左相同鳳閣鸞臺三品
～天授元年1月特進～3月薨

唐宰相一覧［除皇族］83.裴居道

裴居道。字は？。
絳州聞喜人。
隋兵部侍郎鏡民の孫。
父熙載は尚書左丞。
娘が太子弘の妃となる。
左金吾将軍。
秋官［刑部］尚書より同鳳閣鸞臺三品として宰相。
垂拱元年より納言・內史・太子少保を歴任し、翼國公。
垂拱留司格や留司格の編纂にあたる。
載初元年春，酷吏により獄死
［唐朝につながるものの粛清であろう］。
［宰相履歴］
垂拱元年2月秋官尚書同鳳閣鸞臺三品～5月内史
～2年5月納言？/3年4月納言
～天授元年1月太子少保～8月獄死

唐宰相一覧［除皇族］82.韋思謙

韋思謙。本名仁約，字思謙。
鄭州陽武人
音類が則天の父の諱に類するので迎合して変更。
進士に合格する。
應城令より監察御史。
中書令褚遂良の不正を糾弾し左遷させる。
しかし遂良が復帰し清水令に出される。
左肅機兼檢校沛王府長史皇甫公義が起用し倉曹参軍に。
侍御史・右司郎中に進む。
永淳初，尚書左丞・御史大夫など諌官を歴任して活躍する。
堂々とした態度で王公といえども遠慮しなかった。
則天臨朝し宗正卿＝司屬卿に転じる。
光宅元年肅政［御史］台が左右に分離し、右肅政大夫となる。
垂拱初，博昌縣男。鳳閣鸞台同中書門下三品として宰相に。
二年蘇良嗣に代わり納言。
三年老齢として致仕を赦される。加太中大夫。
永昌元年九月卒。贈幽州都督。
子の承慶と嗣立は宰相となった。
［宰相履歴］
垂拱元年2月右肅政臺御史大夫同鳳閣鸞臺三品～2年6月守納言
～3年3月太中大夫致仕

唐宰相一覧［除皇族］81.劉禕之

劉禕之。字は希美。
常州晉陵人。
祖興宗は陳鄱陽王諮議參軍。
父子翼は隋秘書監より唐著作郎弘文館直學士。
若くして孟利貞・高智周・郭正一と共に文才が有る。
直昭文館から右史［起居舎人］弘文館直學士。
「列女傳」「臣軌」「百僚新誡」「樂書」等を共ら撰する。
上元中朝政に参与し北門學士と称される。
儀鳳二年朝議大夫中書侍郎兼豫王府司馬、ついで加中大夫。
賀蘭敏之に坐して流巂州。
後に則天に赦され中書舍人。
儀鳳中。相王府司馬より檢校中書侍郎として相王に侍す。
相王が即位すると中書侍郎同中書門下三品に挙げられ臨淮縣男。
主に詔令作成にあたる。鳳閣侍郎に改称。
則天の意に適い加太中大夫賜物百段。
しかし皇帝［相王］に実権が移らないことが不満であり、
則天を老耄と誹謗した事を賈大隠に密告される。
収賄を誣告され、則天が派遣した王本立の取り調べを
皇帝からのものではないと拒否し殺される。57才。
睿宗［相王］の即位後贈中書令。
［宰相履歴］
光宅元年2月中書侍郎同中書門下三品～垂拱3年5月殺