ライバルがいなくなるのは俺にとって好都合だ。
しかし、元々ライバルだったのだろうか?
俺は異星人、こいつは女だ。
夏美と付き合うには、お互いにリスクが伴っていたのではないだろうか?
東谷小雪が俺の前に姿を現したのは、数刻前。
「ギロロさん!ちょっといいですか?」
思えば、この女と1対1で話したことなんてなかったかもしれない。
「んん?なんだ?」
「ちょっとご相談があって・・・」
ドロロにではなく、大して親しくもない俺に相談するなんて、
よほどな事情がない限りありえない。
「ギロロさんは・・・夏美さんのことが好きなんですよね?」
「うがぁあああ!!」
いきなりすぎる、しかもストレートな質問に、俺は動揺するしかなかった。
「あっ・・・あぁ・・・」
何故だろう。こいつの前では嘘なんてつけない。
ドロロの前で嘘をつけないのと同じだろう。
「違う星の下に生まれた者同士って、どうすれば結ばれるんでしょうか?」
「しっ・・・知らん!そんなこと判っていれば、俺はとっくに夏美を・・・」
「そうですよね・・・」
「・・・!?まさかお前、宇宙人にでも恋したのか?」
「・・・はい、実は・・・ドロロを・・・」
「そうか、ドロロにか・・・・。って、えぇ!?」
「おかしいですか?ギロロさんなら、この気持ち判ってくれるんじゃないかと思ったんですけど・・・」
相当、悩んでいるみたいだ。
一つ屋根の下、違う星の人間同士とはいえ、男女が二人で暮らしているんだ。
そんな気持ちが生まれてもおかしくはない。
「しっ、しかし、お前は夏美のことを・・・」
「夏美さんのことはもちろん好きです。
でも、ドロロに対しては、夏美さんや他のみなさんに対する“好き”とはまた違う“好き”なんです。」
「しかしドロロはケロン人、お前はペコポン人ではないか」
いや、でもドロロなら異星人同士の恋愛でも・・・と思った。
ケロン星のみならず、アサシンとして宇宙中に名の知れているドロロは、
ケロン人女子のみならず、宇宙中の女子からのファンレター&ラブレターが絶えない。
しかし、ドロロは昔からどうも趣味が悪い。
初恋の相手がケロロだったり(しかも長い間思い続けてた)、
今の恋人が陰湿陰険陰鬱ひねくれのあのクルルだ。
「別に女性に興味がないわけじゃないんだけどね」と言っていたし、
恋愛におけるリスクを背負ってもなお、自分の気持ちを貫き通す、
ちょっと頑固なところがある。
異星人同士の恋愛、なんてリスク、今までのドロロにとっては軽いほうだろう。
いや、しかし・・・
「ドロロのことは・・・知ってるんだろう?」
「はい、クルルさんと付き合っているってことは知ってます」
「じゃあ、諦めろ。お前のためだ。
言葉がきついかもしれないが、今、あいつはクルルに夢中だ。
お前の出る幕はない。」
「そう・・・ですよね・・・
でも、ギロロさんは、夏美さんのこと、諦められるんですか?」
「ふん・・・諦められるわけないだろっ」
「私、ドロロと一つ屋根の下で寝食を共にするのが、今一番辛いんです。
一緒に笑ったり、悲しんだり、それってすごく幸せなことなんだと思うんですけど、
辛くて辛くてしょうがないんです。」
「たとえば、ドロロがいなくなったら?」
「それはそれで・・・辛い・・・」
「ドロロは、お前のことを大切に思ってる。俺にもわかる。
ドロロだって、お前がいなくなったら、辛いに決まってる。
お前らは、お互いを思いやって生きてるんだ、それでいいじゃないか。」
何の解決にもならなかったと思う。
しかし、異星人に恋をする俺と小雪は、それでも幸せなんだ。
たとえ相手に届かない思いでも、
すぐに侵略してたら、決して出逢うことのなかった相手に出逢えた。
相手を思いやる気持ちも、好きだという気持ちも、
出逢わなければ、教えてもらえなかったことだろうから。
Fin
【あとがき】
本当に何も解決してねえ(爆)。
そして「蜃気楼のパスワード」の更新はいつ?(苦笑)。
タイトルは、コナンで「赤と黒のクラッシュ」ってのがあったので、
思いつきで黒を白にしただけだし。
終わってるなあ~。
しかし、元々ライバルだったのだろうか?
俺は異星人、こいつは女だ。
夏美と付き合うには、お互いにリスクが伴っていたのではないだろうか?
東谷小雪が俺の前に姿を現したのは、数刻前。
「ギロロさん!ちょっといいですか?」
思えば、この女と1対1で話したことなんてなかったかもしれない。
「んん?なんだ?」
「ちょっとご相談があって・・・」
ドロロにではなく、大して親しくもない俺に相談するなんて、
よほどな事情がない限りありえない。
「ギロロさんは・・・夏美さんのことが好きなんですよね?」
「うがぁあああ!!」
いきなりすぎる、しかもストレートな質問に、俺は動揺するしかなかった。
「あっ・・・あぁ・・・」
何故だろう。こいつの前では嘘なんてつけない。
ドロロの前で嘘をつけないのと同じだろう。
「違う星の下に生まれた者同士って、どうすれば結ばれるんでしょうか?」
「しっ・・・知らん!そんなこと判っていれば、俺はとっくに夏美を・・・」
「そうですよね・・・」
「・・・!?まさかお前、宇宙人にでも恋したのか?」
「・・・はい、実は・・・ドロロを・・・」
「そうか、ドロロにか・・・・。って、えぇ!?」
「おかしいですか?ギロロさんなら、この気持ち判ってくれるんじゃないかと思ったんですけど・・・」
相当、悩んでいるみたいだ。
一つ屋根の下、違う星の人間同士とはいえ、男女が二人で暮らしているんだ。
そんな気持ちが生まれてもおかしくはない。
「しっ、しかし、お前は夏美のことを・・・」
「夏美さんのことはもちろん好きです。
でも、ドロロに対しては、夏美さんや他のみなさんに対する“好き”とはまた違う“好き”なんです。」
「しかしドロロはケロン人、お前はペコポン人ではないか」
いや、でもドロロなら異星人同士の恋愛でも・・・と思った。
ケロン星のみならず、アサシンとして宇宙中に名の知れているドロロは、
ケロン人女子のみならず、宇宙中の女子からのファンレター&ラブレターが絶えない。
しかし、ドロロは昔からどうも趣味が悪い。
初恋の相手がケロロだったり(しかも長い間思い続けてた)、
今の恋人が陰湿陰険陰鬱ひねくれのあのクルルだ。
「別に女性に興味がないわけじゃないんだけどね」と言っていたし、
恋愛におけるリスクを背負ってもなお、自分の気持ちを貫き通す、
ちょっと頑固なところがある。
異星人同士の恋愛、なんてリスク、今までのドロロにとっては軽いほうだろう。
いや、しかし・・・
「ドロロのことは・・・知ってるんだろう?」
「はい、クルルさんと付き合っているってことは知ってます」
「じゃあ、諦めろ。お前のためだ。
言葉がきついかもしれないが、今、あいつはクルルに夢中だ。
お前の出る幕はない。」
「そう・・・ですよね・・・
でも、ギロロさんは、夏美さんのこと、諦められるんですか?」
「ふん・・・諦められるわけないだろっ」
「私、ドロロと一つ屋根の下で寝食を共にするのが、今一番辛いんです。
一緒に笑ったり、悲しんだり、それってすごく幸せなことなんだと思うんですけど、
辛くて辛くてしょうがないんです。」
「たとえば、ドロロがいなくなったら?」
「それはそれで・・・辛い・・・」
「ドロロは、お前のことを大切に思ってる。俺にもわかる。
ドロロだって、お前がいなくなったら、辛いに決まってる。
お前らは、お互いを思いやって生きてるんだ、それでいいじゃないか。」
何の解決にもならなかったと思う。
しかし、異星人に恋をする俺と小雪は、それでも幸せなんだ。
たとえ相手に届かない思いでも、
すぐに侵略してたら、決して出逢うことのなかった相手に出逢えた。
相手を思いやる気持ちも、好きだという気持ちも、
出逢わなければ、教えてもらえなかったことだろうから。
Fin
【あとがき】
本当に何も解決してねえ(爆)。
そして「蜃気楼のパスワード」の更新はいつ?(苦笑)。
タイトルは、コナンで「赤と黒のクラッシュ」ってのがあったので、
思いつきで黒を白にしただけだし。
終わってるなあ~。