SPIDERS IN LOVIN' COOL

ケロロ軍曹(主にクルドロ)や、名探偵コナン(主に平和)の小説。
毎週土曜日は「今週のクルドロ萌え」を予定。

俺にだってできない(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ?】シリアス短編)

2008-05-24 15:07:24 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ)
所詮、作り物は作り物なのだ。
あっけなく死んでしまったあいつの代わりなんて、どこにもいるわけがないのだ。


「クルルくん」


今、俺を呼んだのはドロロではない。
見た目はドロロなのだが、中身が違う。
いや、本当は中身も一緒なんだが、俺としては一緒ではない。


「どうしたの?考え事?」

「あ・・・あぁ、まあな」


何を聞かれても、何をしていても上の空だ。
ドロロが死んで、俺はドロロのDNAからクローンを作り出した。
俺は、完璧なクローンを作ったはずだった。
でも、目の前のクローンドロロを見ても、まったく心が、体が、すべてが満たされない。
作るんじゃなかった・・・虚しくなっただけだ・・・。
生き物は、一度死んだら生き返ることはできない。
天才の俺でも、死んだドロロを生き返らせることは出来なかった。
人の心も、同じことなのだろうか。
死んでしまったやつの心までは、生き返らせることは出来ない。
クローンドロロは、俺を好きだと言ってはくれるのだが、
どうも、心がこもっていないような気がするのだ。
あんたの代わりのあんたの心は、俺にだって動かせない。
俺でも、愛せない。


Fin


【あとがき】
クローンネタを思いついたはいいのだが、
どうもまとまらなかったね(へっ←自嘲)

クルルとドロロの地球侵略ラヂオ(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】)

2008-04-27 15:17:39 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ)
※あくまで非公式&管理人の妄想であります(当たり前だ)。
実際にクルルとドロロのラヂオはありません。
クルルは「9」、ドロロは「D」で表示。

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9「全員敬礼!ただ今より、第一回軍事会議を始める」

D「ぜっ…全員って、クルルくんと僕しかいないんだけど?」

9「モチコース。今日から俺とあんたのラヂオ番組が始まったんだぜぇ~」

D「そうなんだ…。でもさ、僕たちケロロくんやギロロくんと比べたら、世間的にはマイナーなんじゃない?」

9「気にするな。ここに来てるのはマイナー好きの子猫ちゃん&坊主だけだ」

D「そう…だね…」

9「っつうことで、今回の軍事終わり!!」

D「(結局、何の会議だったんだろう…)」

9「じゃあいくぜぇ~。クルルと」

D「ドロロの」

9D「地球侵略ラヂオ~」

(曲:なんて素敵な土曜日)

9「改めましてこんばんにゃ!クルル曹長だぜぇ」

D「改めましてこんばんは!ドロロ兵長でござる」

9「いやぁ~始まっちまったねぇ」

D「始まっちゃったねぇ~意外だよね」

9「なんで?」

D「僕とクルルくんの組み合わせって。」

9「確かにな。アニメでは一緒にいることは少ないからなぁ~
でも、普段はいつも一緒にいるんだぜぇ~」

D「なかなか二人の話はないからねぇ~それでは行ってみましょう。」

9「クルルとドロロの地球侵略ラヂオは、提供なしでお届けします」

D「えぇ!提供なしなの?」

9「当たりめえだ、隊長たちにも内緒で勝手にやってる番組だからなぁ」

D「CMのないラヂオ番組なんて、
2000年に放送された伝説の番組、
「TWO-MIXのMAG!」以来だ…」

9「多分ここの管理人以外知らねえっての」

D「知らないの?文化放送で2000/4から2000/9まで毎週月曜日の26時半からやってた番組。
シヴァヴァくんの中の人が出てたの。
ここの管理人は当時高校生で、
火曜日の授業は睡眠学習だったとか」

9「俺、時々あんたを遠くに感じるよ…。
じゃあ、気を取り直して、番組初回っつうことで、自己紹介を、ドロロから」

D「えっ?僕から!?」

9「年功序列だぜぇ?」

D「判ったよ…ドロロ兵長です。アニメが5年目に入ったというのに、
未だにみんなから忘れられてます…。
でも、地球に優しくない侵略は問答無用!
宇宙規模で平和で仲良しな世界を作っていきたいと思ってます。」

9「なんて真面目な自己紹介…つまんねぇなぁ」

D「じゃあ、クルルくんもやってみなよ…」

9「クルル曹長だぜぇ。アニメ5年目は、俺がペルソナ使いになったり、
ドロロがパルミエ王国の国王になったりするから
見逃すんじゃねぇぜ~」

D「クルルくん…それ、違う番組だから…」

9「バカやろう!ペルソナ使いは眼鏡かけてて、
パルミエ王国の国王はペコポン人じゃない共通点があるだろ!」

D「確かにそうだけど…」

9「じゃあ、それでいいじゃねえか」

D「(この人のペースに飲まれちゃダメだ)気を取り直して、
番組初回だというのに、もうメールが届いてます」

9「にょ?子猫ちゃんからか?」

D「男性から」

9「坊主からかよ…」

D「ラヂオネーム、スコルプ復活キボンヌさん、男性からです」

9「おっ、ありがとう!」

D「クルルさん、ドロロさん初めまして。僕はお二人の大ファンなのですが、
他の小隊メンバーより、クルルさんとドロロさんのグッズが少ないので、寂しい思いをしています。
どうか、クルルさんとドロロさんのグッズを沢山作ってください」

9「それはバンダイに頼んでくれ」

D「……。ガチャポンとかでも僕たち1種類だけのことが多いじゃない?
なかなか出なくて、ここの管理人は1か月で2万もガチャポンで使ったらしいよ」

9「パペットも俺とドロロは非売品だしなぁ~」

D「バンダイさん、よろしくお願いします!」

9「今回は先走ってメールをくれた坊主もいたが、
まだコーナー紹介をしてないな。
いくつかコーナー紹介してみるぜぇ」

D「まず一つ目は?」

9「ドロロ先輩の進路相談室」

D「(どっかで聞いたことあるようなコーナー名だ…)」

9「定番中の定番だな。お悩み相談のコーナーだぜぇ」

D「借金の悩みだけは聞きません!」

9「次のコーナーは「ケロン人を探せ!」だ」

D「(これもどっかで聞いたことが…)」

9「世の中に溢れている不思議な人やもの、
もしかしてそれはケロン人かもしれないぜぇ。
このコーナーでは、リスナーが見つけた不思議な人やものを紹介してもらうコーナーだ!」

D「カレー風呂に入るクルルくんが一番不思議だよ…
んで、次のコーナーは?」

9「拝啓、クルル様、ドロロ様」

D「(やっぱり、さっきっからCLUBココ&ナッツのパクリばかりだ…)」

9「リスナーの子猫ちゃん&坊主のピンチだった話、
死ぬほど恥ずかしかった話などを手紙風に認めて送ってもらうコーナーだ」

D「例えば「遠足に行ったとき、一人だけパーキングエリアに置いて行かれました」とか…(トラウマスイッチオン)
ヒドいよぉ~(泣)。」

9「ちなみにここの管理人は、本当にサービスエリアに置いてけぼりになりそうだったことがあるみたいだぜぇ」

D「本当っ?トラウマ仲間だね!」

9「んで、次のコーナーは…」

D「どうせ聞かなくても判るよ。
「クルルズラボへ、ようこそ」でしょ?」

9「もちコース!クルルズラボで作ってほしいものを考えて送ってくれ!」

D「(もう何も言うまい…)」

9「そして最後のコーナーは、「二人でできるかな?」だ!」

D「パクリどころかそのまんまだ…」

9「俺とドロロ、二人でやってほしいことを書いて送ってくれ!」

D「放送できる範囲でね。あと、二人羽折はやらないから!!」

9「二人羽折やろうぜぇ~?」

D「そしたら絶対前になりそうなんだもん、僕…
クルルくん絶対イタズラする気でしょ?」

9「しないぜぇ、ただいろんなところをわざと触っ」

D「やめてよ!」

9「(眼鏡パリーン)」

D「他には、普通のお便りも受け付けてるでござる」

9「メガネメガネ…」

D「応募方法はコメントでお願いするでござる」

9「メガネメガネ…」

D「しかし、二回目の放送があるかどうかは謎でござる」

9「メガネメガネ…」

D「そろそろ番組終了のお時間がやってまいりました。お相手は」

9「メガネメガネ…」

D「ドロロ兵長でした~それでは、また逢う日まで!」

9「メガネメガネ…」


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あらゆる公式から苦情がきそうだ(爆)

おにいちゃん(ケロロ軍曹【クルル×ちびゼロ】)

2008-04-26 16:46:40 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ)
今までたくさんのメカを作ってきたが、


「クルルくん、こんなにたくさん発明してたんだね」

「あぁ、自分でも覚えてねえやつもあるけどな」

「やっぱりクルルくん天才だよ!もっと違うことに役立ててほしいけど・・・」

「まあな・・・。」


だいたいをほったらかしにしていたので、一つ一つメンテナンスしていた最中だった。


(パーーーーーン)


突然の銃声が消えたと同時に俺の目の前に現れたのは、
幼くなった、ドロロだった。


「えっぐ・・・うぅ・・・」


暴発したのは「ジンセイガニドアレバ銃」
つまり、一定時間たたないと、ゼロロはドロロに戻れない。
銃声が怖かったのか、小さいドロロ、つまりゼロロは泣いている。


「マジかよ・・・」


正直、やっかいなことになったもんだと思う。
俺、ガキ苦手なんだよなあ・・・。
いくらそれが、恋人の変わり果てた姿だとしても・・・。


「うぅ・・・おにい・・ちゃん、誰?」


当然こうなる。俺はドロロの小さいころをよく知らないし、
多少接点はあったといっても、今ゼロロの目の前にいるのは大人になった俺だ。
あのころの姿をした俺じゃない。


「クルル曹長だ。」


とりあえず自己紹介をしてみた。
俺と知り合った後のゼロロなら、名前を聞いて俺をわかってくれるんじゃないかと思ったから。
だが、それもどうやら無駄だったみたいだ。


「クルル・・・おにいちゃん?」


ゼロロは俺と出逢う前のゼロロらしく、俺のことも知らないみたいだ。


「クルルおにいちゃんは、軍人さんなの?」

「あぁ、一応な・・・」

「すっご~~~い!!」


さっきまでの泣き顔はどこへやら・・・急に瞳をキラキラ輝かせてやがる。


「クルルおにいちゃんは、どこの小隊に配属されてるの?」

「それは・・・」


言えねえな。あんたがそのころ好きだったやつが率いる小隊だから。


「クルルおにいちゃんはアサシン?機動歩兵?」

「通信参謀だ」

「なんで通信参謀になったの?」


めんどくさい、だいたいガキは、どうして?なんで?が続くからな。
どうにか気をそらせなくてはならない。
そういえば、まだ名前を聞いていない。
知ってるけど、聞いておかないと


「なんで僕の名前知ってるの?」


って言いそうだし。


「お前、名前は?」

「ゼロロ・・・」

「いい名前だな・・・」

「ありがとう・・・」

「お前・・・ゼロロ、腹減ってないか?」

「空いた」

「なんか食べるか?」

「うん!」


とはいっても、当然、というべきか、ラボにはカレーしかない。
だいたい、ガキが何を好んで食べるかなんて、俺にはわからない。
とりあえず、おっさんにでも聞いてみるか・・・。


------------------------------


「おっさん」

「ん?なんだクルル。お前からここに来るなんて、珍しいな」

「ちょっと聞きたいことがあるんだが・・・」

「なんだ?」

「おっさん、ガキのころ好き嫌いあったか?」

「そうだな・・・お化けが嫌いだったな」

「・・・聞いた相手を間違えたわ・・・」

「??」


やっぱりこういうことはガキに聞いたほうが手っ取り早い。


「おい、タマ公」

「なんですぅ~?」

「お前、食べ物の好き嫌いあるか?」

「お菓子が大好きですぅ~」

「・・・お菓子は飯じゃねえだろ・・・」

「何言ってるんですかクルル先輩!お菓子は立派なご飯ですぅ~~」

「はいはい・・・」


いいや、カレーで。


------------------------------


「はいよ」

「・・・カレー?」

「そうだ。お兄ちゃんの大好きな食べ物だ」

「でも、僕人参とたまねぎ嫌い・・・」

「・・・」


好き嫌いせずなんでも食べる、大人ドロロと同じようにはいかないらしい・・・。


「好き嫌いせず、何でも食え!」

「でも、嫌いなものは嫌いなんだもん・・・」

「好き嫌いしてると、軍人になれないぞ。」

「クルルおにいちゃんは、小さいときも好き嫌いしてなかったの?」

「意外と、な・・・」

「人参とたまねぎも好きだった?」

「嫌いじゃなかったな」

「じゃあ、食べてみる」


しばらく人参とたまねぎを見つめ、目を瞑って恐る恐るスプーンを口元に持っていく。


「・・・うげぇ・・・」


やっぱりだめだったか。好き嫌いなんてそう簡単に直せない。


「どうだ?」

「うん・・・やっぱりだめ」

「まあ、そんなすぐに食えるようにはならないからな・・・」

「・・・」

「でもな、そんなの少しずつ好きになっていけばいいんだよ、
好きになれなくても、食べられるようになればいい。」

「おにいちゃん、怒らないの?」

「なんで俺が怒るんだよ・・・」

「だって、学校の先生は給食残すといつも怒るんだ・・・」

「それは、お前にアサシンになれる素質があるからじゃないか?」

「えっ?」

「アサシンは、同じところに隠れてることが多いから、
食糧もある程度しかもっていけない。軍から支給されるものだ。
その中に、もしお前の嫌いなものがあったら、生きていけないだろう?」

「うん」

「先生が好き嫌いを怒るのは、愛情だ」

「うん・・・」

「立派なアサシンになりたいんだろ?」

「うん」

「じゃあ、アサシンになったら、お兄ちゃんとまた逢おう」

「また、逢えるの?」

「いつか・・・な・・・」

「うん、クルルおにいちゃん、ありがとう」


小さい手が差し出された、跳ね除けることもできず、俺も手を差し出す。


「また逢おうね、クルルおにいちゃん」


もやもやと、煙が立ち込める。
ゼロロは、ドロロに戻った。


「あれっ?なんで僕とクルルくん、握手してるの?」

「さぁな」

「もうこんな時間!!クルルくん、夕飯カレーでいい?」

「あぁ」

「今日は人参とたまねぎが畑で取れたから、具沢山カレーだよ」

「頼む」


あんたが人参とたまねぎを食えるようになったのは、
もしかして、俺に逢いたかったからか?なんて思ってみる。
自意識過剰だな。
でも、そう信じていたいんだ。
自意識過剰なままでいさせてくれ。


Fin


【あとがき】
また長いわりに内容がない・・・。

コンタクト(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】超短編)

2008-04-23 19:15:07 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ)
「クルルくんはコンタクトにしないの?」

「あんな手入れがめんどくせぇもん、付けてらんねえよ」

「でも今は一日用だってあるし」

「あぁ…」

「眼鏡だと邪魔くさいでしょ?」

「ん~…」

「それに、今コンタクトは使い捨てでも安いんだよ」

「ほ~…。」

「って、聞いてる?クルルくん」

「へいへい」

「聞いてないじゃん!」

「んで、何でそんなに俺をコンタクトにしたがるわけ?」

「それは…」


眼鏡を通さないで君の瞳をみたい。
眼鏡を通さないで僕を見て欲しい。
なんてクサいセリフ、言えるわけがない。


Fin


【あとがき】
でも、仮にクルルがコンタクトにしても、
「メガネメガネ」やりそう(笑)

目隠し(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】)

2008-04-18 19:53:54 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ)
時々ね、どうしようもなく君を後ろから目隠ししたくなるんだ。
たまには僕がイタズラしてもいいよね…?
目隠ししたら、クルルくんどんな顔するのかな?
慌てるかな?
慌てたクルルくんの顔、見てみたいな~。
足音を立てず、気配も消して、息も殺してクルルくんの背後から近づく。
アサシン、忍びの得意技だ。


「なんだ、ドロロ。来たのか?」


あれっ?バレた?クルルくんずっとモニター見てたのに…


「なっ…なんで判ったの?足音も気配も消したのに…」

「ん?お前の匂いがしたから」

「匂いなんて…するの?」

「あぁ、なんか透き通った水のいい匂いが」

「水の匂いなんて判るの?」

「あんたの匂いだからな、嗅ぎ分けられる。
ってか、何しようとしてたんだよ?」

「…目隠し…」

「ムダだったみたいだな」

「…うん…」

「あんたが見えなくなるのが怖い…」

「…えっ?」

「他に何も見えなくていい。
だけど、あんたが見えなくなるのは…イヤだ…」

「ごめん…」

「でも、あんたが俺を見なくなる方が、もっとイヤだ」


クルルくんは、マジマジと僕を見つめる。
僕も負けじとクルルくんを見つめる。


「相変わらず…綺麗な瞳ぇしてるな……瞬きも惜しいくらいだ…」


反則だ…どうしてこういう時ばかりクルルくんは瞳をそらさないんだろう。


「キスしてみろよ。」


逆らえない、僕は君のいいなりになってしまう。
僕はクルルくんの思うがまま、キスをした。


Fin


【あとがき】
何が書きたかったんやろ(爆)

spirit(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】)

2008-03-16 12:08:16 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ)
僕の目は、光を失った。
ケロロくんも、小雪殿も、そして、大好きなクルルくんも見えない。


「本当に、見えないのか?」
「…うん…」
「今、何時だか判るか?」
「判らない…太陽の光さえ入ってこないんだもん…」


何の前触れもなく、何も見えなくなってしまった。
朝起きたとき、何も見えないことに気づいた。
最初は、まだ夢の中にいるんだと思っていたんだけど…。


「鑑定眼力も使えないのか?」
「…うん…」


きっと、目の前にいるであろうクルルくんは、
僕のこんな姿を目の当たりにして困った顔をしているのだろう。
僕が君の前からいなくなれば、クルルくんには、
迷惑かけなくて済むのに。
だけど、今の僕は、どこかに消えることさえも許されない身体になってしまった…。


「ごめんね…クルルくんまで困らせちゃって…。
僕、すごく迷惑かけてる。ゴメンネ…ゴメンネ…。」
「謝るんじゃねえ!!」


柄にもなく大声で、クルルくんが叫ぶ。


「謝るんじゃねえよ。
俺はちっとも迷惑だなんて言ってないし、思ってなんかない。
あんたの目が見えなくなったくらいでなんだよ。
そんぐらいで迷惑だなんて思うような、冷たい男じゃねえよ。
俺があんたの目になってやる。
あんたが行きたいところ、どこにでも連れてってやる。
俺が一生あんたの隣にいてやるから。
だから…目が見えなくなったからって、失望なんてするな。
目が見えなくても、あんたには何一つ不自由させない。
ただ、俺の前から消えるなんて考えないでくれ。お願いだ!!」


そういうと、クルルくんは僕に何かを握らせた。


「これ、なにか判るか?」
「クルルくんの…手…?」



冷たくて、滑々な感触。
僕が一番好きな感触…。


「そうだ、俺にこの手がある限り、俺はあんたを守ってやる。
もし、この手がなくなったって、俺はあんたを守る。
矛盾しているようだが、これは俺の本心だ。」


僕はこの手がある限り、生きてゆけそうな気がした。
一筋の光が、何も見えない僕の目の闇を貫いて、差し込んだ。


------------------------------
どんな世界も闇と光あるなら
明るい場所で影を見つけ出すより
暗い闇で僅かな光を見たい
------------------------------


Fin


【あとがき】
タイトルの「spirit」と最後の部分は「spirit/草尾毅」から。
他のアニメのキャラソンだったんだけどクルドロで使えそうだったので。
盲目になったドロロはクルルの言葉と手に守られるのです。

なんとなく覚えていて(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】)

2008-02-15 18:54:43 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ)
クルルくんは時々、ぼ~っと宙を見ている。
そんな時は大抵、幼少時代を思い出してるんだ。

「ドロロ…」
「なぁに?」
「お前…家族のこと、好きか?」
「うん…地球に寝返ったとはいえ、やっぱり家族は大切だよ」
「そっか…俺には、家族の記憶なんて、ほとんどないからな。
そう言えるお前が、すごく羨ましいんだ」

クルルくんには家族がいない。

「俺さ…兄弟いねぇし、両親も俺が小さい頃死んじまったし…
短い間で、親孝行の一つもしてやれなかった…
両親が死んでから親戚に預けられたけど、すぐに邪魔者扱いされて
小訓練所の寮に、半ば強引に入れられちまった。
小さいながらもそれがショックで、
気づいたら、殻に閉じこもってばかりで友達も出来ない、
ずっと…孤独だった…」

この話をする時のクルルくんは、妙に素直な言葉を吐き出す。
黙って聞いてるのは、僕の役目。

「僕が、いつまでも隣にいてあげるから、
もう、悲しまないで。クルルくん」
「たまには有給でもとって…
墓参りでも行こうかな…
お前のことも、紹介しないといけねぇしな…」
「…うん、最高の親孝行だと思うよ」

君が悲しいときは、黙って抱き締めてあげるから。
だから君も、僕を抱き締め返して、
一人じゃないってことを、知って欲しい。

----------なんとなく覚えていて 孤独ではないことを
なんとなく覚えていて 温もりは傍にある----------


Fin


【あとがき】
去年のアニケロ一発目の放送で、クルルだけ里帰りしなかったのは、
やはり家族がいないからだと勝手に思いました(爆)。
クルルの親族出てこないし…いるなんてことすら…。
タイトルの「なんとなく覚えていて」と、「---」で囲まれた部分は、
ドロロ役草尾毅氏の曲、「なんとなく覚えていて」から。
最初はクルル視点で落ち込んだドロロを見守るって話にしようと思ったのですが、
草尾氏の曲なんだからドロロ視点でクルルを見守る方がいい!ってことで。

護ってやれない俺を許してくれ(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】超短編)

2008-01-29 18:12:24 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ)
また…助けられちまったみたいだな。

「俺があんたを護ってやる!」

なんて、年下のくせに年上ぶって偉そうなこと言っておきながら、
最終的にはいつもあんたに助けられちまうんだ。

「クルルくん、大丈夫?どこか怪我してない?」
「あぁ、大丈夫だ。あんたは?派手に奴らとやりあってただろ?」
「うん、でも全然平気。ちょっとかすっただけだから」
「まったく…」

俺はなんて無力なんだ。
俺はなんて非力なんだ。

「クルルくん、ありがとう…」

何であんたが礼を言うんだ。

「いや、礼を言うのは助けられた俺の方だ」
「ううん、クルルくんが相手のシステムダウンさせてくれなかったら
僕完全に負けてたよ。」
「そりゃ…俺様の実力ってやつ?クーックックック~」
「やっといつものクルルくんに戻ったね」

失いたくない…絶対に。
だけど、俺は無力で非力だ。
あんたのその笑顔を、力ずくでは護れない俺を、どうか許してくれ。


Fin


【あとがき】
クルちゃん、ドロちゃんを護るのに、力なんて必要ないのよ。
クルちゃんの愛があれば護れる(なに言ってんだか/爆)

俺が曹長になったワケ(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】)

2008-01-28 17:24:29 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ)
俺は、気づけばその日も極秘軍部情報に不正アクセスしていた。
少佐の俺も覗くことを許されていない、アサシン情報だ。
別に大して興味はない。
だけど、ただ軍にいるだけじゃつまんねぇ。
単なる暇つぶし程度だ。
今どこに誰が潜伏してるとか、
誰がやられたとか、そんなの知ったこっちゃない。
俺は、他人になんて興味ない。
アサシン情報は莫大な量だ。
全ての情報を一日で見ることは不可能だった。
とりあえず昨日の続きからだ。

「ゼロロ兵長…か…」

名前だけなら俺も知ってる。
ケロン軍アサシンのトップで、
宇宙一武闘会7場所連続優勝という前代未聞の記録を出し、殿堂入りしたらしい。
特別興味はないが、とりあえず見てみるか…。

「おい…嘘だろ…?」

俺が今まで見てきたアサシンは、どいつもこいつも残酷な瞳をしていた。
だが、こいつは違う。
写真のゼロロ兵長は、綺麗な、澄み切った空のような瞳をしてやがる。
しかもかなり真っ直ぐそうな性格だ。
俺とは正反対、きっと。

「こいつがアサシントップなんて…」

俺でも勝てそうな気がする。
一目見ただけで、惚れることしかできない俺がいた。
正反対そうだからこそ、気になる。
磁石のN極とS極みたいなもんだ。
一瞬で惹かれちまった。
こいつを…他の奴に見せたくねぇ。
俺だけがこのデータを所有していたい。
他人には興味ないはずなのに、どうかしちまってるぜ、俺は。
俺は、ゼロロ兵長の情報を他の奴らに見られないよう、
アサシン情報を改竄してやった。
俺だけが、あんたを見れればいい…
あんたを他の奴らの目には入れたくない。

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「アサシン情報に不正アクセス、及び故意に改竄、
以上を踏まえ、クルル少佐はこれを以て、
実質のない曹長への降格を命ずる
異議はないね?」
「はい、異議ありません」

軍法会議にかけられた俺は、少佐の階級を奪われた。
それでいい。
少佐なんて暇な日常から抜け出したかった。
曹長なら、どっかの星に飛ばされ、少しは刺激的な日々を送れるだろう。
それに…曹長だったら…もしかしたらあいつに逢えるかもしれないしな。
軍人なんてたくさんいることは判ってる。
あいつに逢えるなんて考えが、生ぬるいってことも。

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曹長になっても、暇なのは変わらなかった。
通信参謀は、機動歩兵や暗殺兵と違って、実際に戦闘なんてしない。
戦闘相手の情報を収集して現場に伝える役目だが、
それもどこかの小隊に配属されての話だ。
現場の兵士と違って、訓練もない。

「なんだよ、これじゃ少佐と変わらないじゃねえか」

結局、あいつにも逢えてない。見かけることもない。

「クルル曹長」

上官がノックもせずに俺の部屋に入ってきた。
かつての部下。階級だけで態度を変えるなんて、よくあることだ。

「そろそろ君にも、別の星に飛んでもらおうと思うのだが?」
「いいっすよ、俺今のままじゃ暇すぎて、
じっとしてるの、柄にあわねえっすから」
「そうか。君を含めた5人でペコポンに行ってもらおうと思ってるのだが」
「どこでもどうぞ。」

俺には家族がいない。
この星を離れることに抵抗はない。
ただ…あいつに逢えなかったことだけが心残りだ。

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「ゼロロと申す。階級は兵長。よろしくお願いします。」

今目の前に立ってるのは、思い焦がれてたあいつだ。

「クルル曹長だ、よろしく」

握手を求められたが、拒否した。
少しでも触れたら、理性が利かなくなっちまいそうだったから。
なんて艶やかなんだ。俺は今まで、こんなに艶やかな男を見たことがない。

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クルル曹長、噂には聞いていたが、気難しそうな人だ。
小隊は、ペコポンを目指し、ケロン星を出発した。
母なる星が小さくなってゆく。

「寂しいのか?星を離れるのが」
「えっ?」

宇宙船を操縦しながら、クルル曹長が言う。

「いや…ただ、もう戻って来れないんじゃないかと…」
「なぁ…なんで寂しいんだ?」

何を言い出すんだろうこの人は。

「家族と離れ離れになります。
寂しくないわけがありません」
「じゃあ、益々わかんねぇ」
「………?もしかして、クルル曹長には家族がいないのですか?」
「…………あぁ」

メガネをかけているとしても、どんな瞳をしているのか判った。
なんて寂しげな瞳をしているんだろう。
冷たそうな手を、ギュッと握って暖めてあげたいと思ったが、
さっき握手拒否されたばかりだし、
嫌われたら今後の活動に影響が出そうだ。

「クルル曹長。あなた、今とても寂しそうな顔をしてますよ。」
「………まさか………」
「あなたは、寂しいことに慣れてしまっているんです。
慣れすぎてしまって、いつも寂しさと付き合ってきたから
逆に寂しいってことがどういうことなのか、判らなくなってるんです。」

------------------------------

確かにそうかもしれない。
俺は、本当はずっと寂しかったのかもしれない。
異例のスピードで少佐まで上り詰めたが、周囲の視線は冷たかった。
出る杭は打たれる、あることないこと噂された。
曹長に降格になってから、ますます周囲に叩かれた。
俺と仕事で組みたがる奴なんて、一人も居なかった。
俺も特に気にはしてなかった。
俺の気持ちが判るのは、俺だけだと思っていたから。
だけど、実際は違ったんだ。
俺の気持ちを判っているのは、俺自身じゃなく、あんたなんだ。

「寂しいときは、素直に声に出して“寂しい”って言うことも大切ですよ。」

ニコっと笑って悟る。

「俺、あんたに逢えて嬉しい…かもな。」

ちょっと素直じゃなかったかな?
でも、今の俺にはこれが精一杯だ。

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「ク~ル~ル~くぅ~ん」

久しぶりにドロロがラボにやってきた。
修行で1週間、この街を出てたからだ。

「クルルくん、これお土産」
「土産なんていらねぇよ」
「なんで?折角買ってきたのに…
クルルくんが好きそうなもの、探すの大変だったんだからね!」
「土産なんていいんだよ。」

そういいながら、キツく抱きしめてやった。

「土産なんて無くてもいい…あんたが帰ってきてくれたから…
あんたがいなくて…寂しかった」
「…クルルくん…何甘えてるの?クルルくんらしくないよ、フフッ」
「おいおい、何笑ってるんだよ。
寂しい時はちゃんと声に出せって教えてくれたのは、
あんたの方だろ?それを笑うなんて」
「ゴメンゴメン、でも、素直なクルルくん、可愛いなって思って」

俺を素直にさせてくれるのは、いつもあんただ。
あんたの素直な瞳に、俺はあの時から惚れちまったんだ。

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僕は、やっぱり素直なクルルくんの方が好きだ。
もう、出来るだけ君に寂しい思いはさせない。
出来るだけ、君の寂しげな顔は見たくない。
綺麗に笑うクルルくんを見て、僕は満たされるんだから。


Fin


【あとがき】
無駄に長くなってクルドロの相手を思う気持ちがあまり書けなかった…
クルルはアサシン情報を見たときからドロロに惚れて、
ドロロ(ゼロロ)は宇宙船でのクルルの寂しげな瞳をみて気になったってことにしてください。
あとがき書かないと伝わらないって…(爆)
しかし、青年ゼロロがどんな喋り方をするのか判らなかったよ。
忍びの村にたどり着く前ですし…。

うちクル?(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】)

2008-01-27 10:02:15 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ)
一人っきりの夜なんて、いつぶりだろう。
小雪殿は林間学校に行ってしまった。

「意外と…寂しいものでござるな…」

風と雨の囁きと、水のせせらぎしか聞こえない。
自然をこよなく愛する僕でも、少し怖く感じる。
眠れない…

「少々、街の様子でも見てくるでござる」

誰もいない水車小屋にそう言い残して、僕は街に出ることにした。
疲れた方が、すんなり眠れる気がするから。

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「雨…か…」

日向家の人間は誰もいない。
夏美は林間学校、冬樹や隊長たちは西澤家のパーティーして泊まるとか…。
日向秋は相変わらず仕事で帰ってこないし、
おっさんは夏美が心配だったみたいで、こっそり林間学校についていったみたいだ。

「ちょっくら、散歩でもしてこようかねぇ」

特に隊長からの頼まれごともないし、暇だしな…。

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雨が降ってるせいか、街は不気味なくらい静かだ。
どこを探しても人影が見あたらない。
まるで、この地球上に僕一人しかいないんじゃないか?って思うくらい。
公園のブランコに座ってみる。
目を閉じると、昼間の子供たちの楽しげな声が聞こえてくる。
僕も幼少の頃を思い出す。

「うわぁ~止めてよ、ケロロくぅう~~ん」
「ゼロロ、こんくらいでビビってんじゃねえよ。」
「止めてよぉお~~~~うわっ」

そのとき僕は、頭から地面に叩きつけられた。
あっ…トラウマスイッチ入りそう…(ドロドロドロ…)

「おいゼロロ!大丈夫か?」
「ゼロロ!しっかりしろ!」
「うわぁ~ん、ゼロロ~ゼロロ~」
「先輩?ドロロ先輩」

僕は最後の声にハッとして我に返る。

「先輩、何してるんすか?こんなところで」
「…くっ…クルル殿!!?」
「クック~さては夜這いでもしてたんすか?
ドロロ先輩って大人しそうでやることはちゃんとやるんすね」
「ちっ…違うでござる!!」
「さてはあれかい?くのいち娘が林間学校に行っちまって、
独りじゃ眠れなくて街に来た…ってやつかい?」
「……………恥ずかしながら、その通りでござる」

そのメガネは人の気持ちをのぞき込む機能が付いてるのかな?
ってくらい今の僕の気持ちをいい当てるクルル殿。

「まぁ、かくゆう俺も、あんたと同じ理由だけどな」
「えっ?」
「意外かい?俺だって、寂しいと感じることくらいあるんだぜ?」
「…意外…でござる」
「クック~まあ、寂しがるなんて、
俺様のキャラじゃねえしなぁ。クーックックック~」
「拙者も…夜がこんなに静かで、
こんなに寂しいなんて思ったのは
久しぶりでござるよ」
「珍しく意見が合ったじゃねえの。
確かに静かすぎても眠れない。どうだい?寂しいもん同士、今夜はうちにクルかい?」
「えっ…えぇ!」
「まあ、うちっつってもラボだけどな。」
「い…いいの?」
「よくなきゃ誘わねえよ。」

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急に笑顔になりやがる。
まっ、そんなところが好きなんだがな…。

「先輩、うちにクルからには…判ってるんだろうな?」
「えっ……?」

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「クルル殿…その…もう無理でござる!!」
「クーックックック~先輩、タダじゃすまねぇって言ったろ?」
「だっ…て…こんな…無理だよ」
「悪いなぁ、最近年取ったもんでな。
長い間やってられねぇんだよ。
とっとと終わらすぜ……

大量のDVDの整理(@皿@)」

クーックックック~。


Fin


【あとがき】
なんだよこのオチ(爆)。
しかも脈絡ねぇし。
つきあう前の二人設定なので、相手の呼び方も異なります。
タイトルだけ思いついて書いたのでまとまりないなぁ…