SPIDERS IN LOVIN' COOL

ケロロ軍曹(主にクルドロ)や、名探偵コナン(主に平和)の小説。
毎週土曜日は「今週のクルドロ萌え」を予定。

蜃気楼のパスワード(第七話 Side966)(ケロロ軍曹【クルル→ドロロ→ケロロ】)

2008-06-09 22:20:57 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ+α)
あれ以降、ドロロ先輩とは何もない。
ただ一つ変わったことは、ドロロ先輩から話しかけてくることが多くなったことくらいだ。
正直、無理をしてるんじゃないかと思うと胸が痛む。
それ以上に、俺にとっては拷問に近かった。
隣にいるのに、抱きしめることも、それ以上も許されないのだから。


「クルルくん、あんまり暗いところで作業すると、
また目悪くなっちゃうよ」

「いいんだよ、これ以上悪くはならねえよ。
だいたい、頭がいい奴は眼鏡キャラって法則があるだろっ?」

「ふふっ…何それ?」


幼さが残りつつも、どこか妖艶な笑顔にハッとする。
暫く見とれてしまった後、我に返る。


「天は俺に二物を与えてしまったんだ。良い頭と、良い顔をな。
目が悪いのはその代償だ。」

「へぇ~。クルルくん、神様を信じるんだ?
ちょっと意外だね?」

「別に、信じちゃいないけどよぉ…
もしいたらの話だ。」

「そっか…」


突然沈黙が襲う。
何か言葉にしようと思ったが、上手く言葉に出来ない。
その結果…


「……///」


気づけば、俺はドロロ先輩を引き寄せ、一方的な口づけを交わしていた。


「あっ…悪ぃ…」


理性が効かず、意図せぬことではあったが、
それでも、非の打ち所は完全に俺にある。


「ううん…謝らないで…」

「…?」

「クルルくん、この間僕に、“何も言うな”って言ったでしょ?
だから、クルルくんも僕に、謝らないで」

「どういう意味だ?」

「僕…イヤじゃなかったんだ、キスされても」

「どうして…」

「最初は…“あの日”は…
クルルくんは、僕がどんなに甘えても許してくれる、
だからどんなことされてもイヤじゃない、我慢できるって思ってた。
でも、あれからずっと、クルルくんのことを見てきて、
今まで知らなかった、クルルくんのいろんな姿に気づいたんだ。
僕、クルルくんが好きです。
僕と、お付き合いしてください。」


一瞬、何が起こったのかさっぱり判らず、ようやく理解出来たと同時に発した言葉が、


「バカ、あんたが告白してきてどうすんだよ。
俺様の今までのロマンチックな言葉は、全部無意味かよ。
ちきしょ~次はどんなロマンチックな言葉をあんたにプレゼントしようか、
作戦を練っていたのによぉ」


だった。
告白されるのは、告白するより照れくさかった。


To be continues…


【あとがき】
このシリーズ、3週間ぶりくらいの更新の割に、
まったく思いつきで書いてます(爆)。
そのくせ詰めが甘いっていう(笑)
長編やっぱり苦手だな…
次はケロロ出てきますよ、きっと(笑)。

蜃気楼(まぼろし)のパスワード 第六話(Side D66)(ケロロ軍曹【クルル→ドロロ→ケロロ】)

2008-05-16 21:14:56 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ+α)
「なんだ、まだ居たのか?」

「ごっ、ごめん。すぐ帰るね」

「いや、ゆっくりしてけばいい…」

「で…でも、これ以上迷惑かけられないよ」

「……いて…よかった…」

「えっ?」

「朝が来たら、あんたがいなくなってるんじゃないか?って思った…
ずっと朝が来なければ…って思ったんだ。
だから、あんたがいてくれて、よかった…」

「クルルくん…」

「俺にだって怖いことくらいあるんだぜ?」


後ろから回された腕は、とても優しい…。


「クルルくんって…意外と優しくしてくれるんだね?」

「意外とかよ…」


苦笑いしつつも、きっと背中越しの君は、柔らかい眼差しをしているんだろうな。


「俺も、一人になるのが怖かったんだろうな…」


気がかりなのは、僕はクルルくんを傷つけはしなかっただろうか?と言うこと。


「クルルく……ん……」


クルルくんの顔を見ようと思い、振り返ると同時に、口付けられた。


「……ふっ……」

「…ク…ルルく…?」

「何も聞かないでいい…」

「……?」

「俺、あんたが思ってるようなこと、ないから…」

「傷…ついてないってこと?」

「あんたが…居てくれただけで、俺はそれでいいんだ…」


どんな気持ちで、君はそんな優しい言葉をくれるの?
強がってるって僕にだって判る。
でも、傷ついてなんかいないって強がってる優しい君に、
僕は誰よりも傷ついてるふりをして、また甘えてしまいそうになるんだ。
何度だって君は、僕を許してくれるって知ってるから。


To be continues…


【あとがき】
もう、続きが思い浮かばないんだけど(爆)。
ってかマジでケロロどこ行っちゃったんだ?
ケロロ無視で話が進んでる…

蜃気楼(まぼろし)のパスワード 第五話(Side 966)(ケロロ軍曹【クルル→ドロロ→ケロロ】)

2008-05-08 20:53:00 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ+α)
----------ねえ聞かせてくれよ
そのキスは誰のフェイク
ハートは誰のダミー----------


こんなことして、何になるってんだ。
きっと、ドロロの気持ちは変わらないだろうに。

俺は、ドロロを抱いた。

ドロロは、俺の背中に腕を回し、力を込める。
でも、その力さえも俺のものではない。
ドロロは、俺の中に隊長の影を見ているのだろう。
それでもいい。
それでドロロの気持ちが満たされるのであれば。
しかし、その一方で、俺だけを見ていて欲しいという独占欲が生まれる。
どんだけ深いキスをしたって、
どんなに身体を重ねたって、
ドロロの心自身は、俺を受け入れてはくれない。
涙目のドロロに、俺は、心の中で問いかける。

涙の奥には、隊長がいるんだろ?

それでも俺が、もう引き返せなかったのは、
手加減できないほど、ドロロを愛してしまっていて、
どうしようもなく、今だけは自分だけのものにしたかったからだ。
その眠りについた、潤んだ寝顔を見て、虚しさだけが残った。


「なにやってんだ…俺…」


0センチの距離にいながら、
ドロロがとてつもなく遠く感じる。
もう、何も考えたくない。
俺も、眠りにつくことにした。
目覚めたら、ドロロがいなかったら…という、
最悪な恐怖に怯えながら。


To be continues…


【あとがき】
直接的な表現を使わずに書ききるのは結構難しいです。
ついに過ちが起きた!!
果たしてドロロはクルルが目覚めたら、ちゃんとそこにいるのだろうか?
そしてケロロはどこに行ってしまったのか(爆)

蜃気楼(まぼろし)のパスワード 第四話(Side D66)(ケロロ軍曹【クルル→ドロロ→ケロロ】)

2008-05-05 20:27:15 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ+α)
僕は、なんてバカなんだろう。
想いを告げずにいれば、ずっとあのままでいれたのに。


「泣くなよ…」


後ろから近づいてきたのは、クルルくんだった。


「そんぐらいで泣いてたらな、俺なんて体中の水分なくなっちまうよ。
まっ、あんたの泣き顔も可愛いっちゃ可愛いけどな。」

「クルルくん…見てたの?」

「あぁ、たまたまだがな…」


そういうと、クルルくんは黙って僕の頭を撫でる。


「まったく…隊長も見る目ねぇよな。
俺だったら、あんたのことほっとけないってのによ」

「…僕が、いけなかっただけだよ…」

「………」

「僕って本当バカだよね…。
なんで、これ以上を求めてしまったんだろう…」

「…いいじゃねえか…生き物の本能なんだからよ」


僕を撫でる指先は、いつも強引なクルルくんからは想像が出来ないほどとても優しくて、
僕はそんなクルルくんに、甘えたくなった。


「クルルくん…どうして僕を…」

「好きで好きでたまんねえんだよ。
ただそれだけ。
好きすぎてほっとけないだけだ。」


君は、どんな僕にでも優しくしてくれるの?


「クルルくん…優しいね」

「そ…そんなことねぇよ…」


僕は、優しさを隠そうとするクルルくんに、縋りたい、と思った。
僕は、頭を撫でるクルルくんの手を、僕の頬に当てた。


「クルルくん、僕、今一人になりたくないんだ。
怖いんだ、一人の世界が…」

「……判った…」


クルルくんは、僕の瞳から流れる涙に口づけた。


To be continues…


【あとがき】
次回、ちょっと雲行き怪しいです(もう怪しいって?)

蜃気楼(まぼろし)のパスワード 第三話(Side K66)(ケロロ軍曹【クルル→ドロロ→ケロロ】)

2008-05-03 20:42:10 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ+α)
ドロロの気持ちは知ってる。
だけど、もっと愛して欲しい、甘い言葉を囁いて欲しいと思ってしまう。
だからと言って、我輩はドロロを愛してるのか判らない。


「そもそも、愛って何でありますか?
友達と恋人の違いって何?」


残酷にドロロに問う。
ドロロは、下を向いて黙ってしまった。ちょっと冷たかっただろうか?


「正直、ウザいんだよね。好きだの愛してるだの。
迷惑って感じでありますよ。
一方的に感情を押しつけないで欲しいであります」


本心から出た言葉なのかは定かではない。
肩を小さく震わせながら、鼻を啜るような音がする。


「ゴメン…ごめんなさい…」

「もうさぁ、そうやって泣かれるのも迷惑なんだよ」


これ以上に泣くと判っていて、我輩はわざとその言葉を選んだ。
泣いた可愛い顔をもっと見たかったから。
もっと泣いてくれ。もっと泣いて、我輩みたいな奴でも、誰かに愛されるってことを教えてくれ。
愛に飢えてる、それ故に愛を受け取れない。
愛され方が判らない。
どうやって受け取ればいいのか判らない。
だから、我輩は愛されてるってことを確かめたくて、
ドロロに冷たい言葉しかかけてやれない。
次、もう一度愛の言葉をくれたら…
次、また一度愛の言葉をくれたら…
その繰り返しだ。


「我輩の前から消えてくれ」


ドロロは、黙って背を向けた。


----------欲しいものは ヒマと金 チャンスと愛か
そんなものは俺にとって イミはない----------


To be continues…


【あとがき】
なんかこれじゃあまりにもケロロが悪者だ…
ケロロは愛がなんなのか、よく判ってないんですよね。
実は管理人も…(え)
ぶっちゃけ、軍曹みたいに「愛って何ですか?」って振ったことあるし(爆)

蜃気楼(まぼろし)のパスワード 第二話(Side D66)(ケロロ軍曹【クルル→ドロロ→ケロロ】)

2008-05-02 21:40:55 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ+α)
正直、自分でも訳が分からなかった。
なぜ、ここまでケロロくんに執着するのか?
なぜ、クルルくんの言葉を受け入れられないのか?
クルルくんの気持ちはすごく嬉しい。
実際、何度も縋りたくなった。
その優しい腕に入っていきたくなった。
だけど、縋ったところで、最終的に傷つくのは僕じゃない。
クルルくんだから。
これ以上、クルルくんを傷つけたくはなかった。


「俺、二番手でもいいからさ…」


彼の口からまさかそんなセリフが出てくるとは思わなかった。
君を愛してない僕を、それでも君は受け止めてくれるの?
そんなの、悲しすぎるよ…。


「つうか、あんたを抱いて愛してやりたい。
俺も男だからな…好きな奴みて欲情くらいするぜ?」


「ごめんね、クルルくん…」


クルルくんは、はぁ、と、小さくため息をつく。


「それでも…好きだぜ?」

「ありがとう…でも…」

「どうしても耐えられなくなったら、俺んとこに来な…」

「僕を抱いても、感情のないただの人形だよ?
君に何もしてあげれない」

「…それでも愛してやるよ…」


クルルくんにしては珍しく、寂しげな表情だった。


To be continues…


【あとがき】
いつまで続くんだろう(笑)
なんかBad endになりそうな予感がする…。
無理にでも幸せになってもらいますけどね(笑)
クルルは欲情だなんて言ってますか、純粋にドロロを求めていて、
別に身体目当てじゃありませんよ!

蜃気楼(まぼろし)のパスワード 第一話(Side 966)(ケロロ軍曹【クルル→ドロロ→ケロロ】)

2008-04-30 11:43:31 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ+α)
----------まぼろしのパスワード 手に入れるまで おまえを追いかける
愛してるなんて言葉ぐらいじゃ そのドアは開かない----------


「先輩、隊長なんてやめて、俺んとこ来いよ」

「・・・ごめん・・・」

「なんで隊長のことがそんなに好きなんだ?
 俺、あんたをこんなに愛してるのに」

「・・・・・・・・・・」


こんなありきたりな言葉なんかじゃ、あんたを振り向かせることは出来ない。
判ってる、あんたは隊長が好きで、どうしようもないってこと。
でも、俺はあんたが好きで、俺もどうしようもないんだ。


「俺のところに来れば、あんたをこんなに苦しませたりしないのによぉ」

「いいんだ、苦しくても。僕はそれでも、ケロロくんが好きだから」

「・・・年下じゃ、頼りないか?」

「そんなんじゃない!」

「何か足りないものがあるとか?」

「違うよ・・・」

「じゃあ、何だってんだ?」

「・・・クルルくんの考えてることが判らない・・・」

「そんなこと言ったら俺だって、あんたの考えてることが判らない。
 でも、好きなんだからしょうがねえだろ?」


感情に任せて、この胸の中に閉じ込めようとした腕を、
あんたは、するりと通り抜けていく。


「強引だよ、クルルくんは・・・」

「・・・悪ぃ」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」


暫く、今まで生きてきた中で、もっとも苦痛な沈黙が続く。


「俺、二番手でもいいからさ・・・」

「!?そんなこと、クルルくんらしくないじゃない」


確かに、俺らしくもない言葉だったかもしれない。
だって、そうでもしなきゃ、あんた俺のこと見てくれないだろ?
俺、あんたに見てもらってないと、どうにかなっちまいそうなんだから。


To be continues・・・


【あとがき】
続きます。
クルドロケロの三角関係っつうことで。
ちなみにタイトルは草尾氏の曲から。
CDを買ったときに「この詞は三角関係のときのクルドロっぽい」
と思ったので。
さてと・・・続きはどうしようか(考えてないんかい)

君、どっち?(ケロロ軍曹【ギロロ+クルル×ドロロ】?)

2008-04-07 18:57:11 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ+α)
「ギロロくんは、S?M?」

「なっ…急に何を言ってるんだ!?ドロロ」

「クルルくんと比べたらMだし、でも、僕と比べたらSだし…」

「を…をぃ!やめんかい!」

「ギロロ先輩はMだよなぁ?」

「なっ…なにを!!」

「えぇ~!?僕はギロロくん、Sだと思う」

「ギロロせんぱぁい、自分ではどっちだと思うんだい?」

「おっ…俺はその場の状況によって…
いやっ、違う!俺はどっちでもない!!」

「どっちでもないわけないよ。
絶対どっちかだよ。」

「やっ…やめんかい!こんな話は」

「でも、日向夏美に頼まれて聞いてるんだがな?」

「なっ…夏美にだとぉ?」

「夏美殿、ギロロくんがどっちなのか知りたいんだって」

「なっ…夏美が俺のこと…夏美が俺のこと…
おっ…俺は夏美に合わせるぜ…」

「なぁに赤くなってんだよ?先輩」

「たかだかSかMか選ぶだけなのにねぇ。
どっちなの?
服のサイズ!!」


Fin


【あとがき】
よくありそうなネタ(笑)。
ドロロはともかく、クルルは絶対楽しんでるはず(爆)

そんなもん(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ+ケロロ】)

2008-03-07 19:04:48 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ+α)
「“そんなもん”、ペットショップで売れるかっての!」
「そっ…“そんなもん”?僕は…“そんなもん”なの?」
「隊長、“そんなもん”なんてヒドくないか?」
「“そんなもん”は“そんなもん”でしょうが!」
「いくら隊長だろうと、ドロロを“そんなもん”扱いするなんて許せねえ」

ことの始まりはケロロくんの言葉だった。
僕を“そんなもん”扱いしたことに、
クルルくんが怒ったのだ。

「隊員を“そんなもん”扱いするなんて、
あんた隊長としてどうかしてる」
「隊長の言うことは絶対なのでありますよ!
クルルに隊長の気持ちなんか判ってたまるかであります」
「あぁ、隊長の気持ちなんて判んないね。
でも、あんただって隊員の気持ちなんて判んねえだろ。
だいたいこんなんでペコポン侵略出来るかってんだ」
「ムキムキ~~我が輩だって一生懸命やってるんだ!」
「ふ…二人とも…もうやめてよ」
「あんたは黙ってろ!」
「ドロロは黙ってろであります!」

完全に蚊帳の外に追いやられてしまった。

「隊長…」
「なんでありますか?」
「俺、ケロロ小隊抜けるわ」
「はっ?」
「もうついてけねぇよ。あんた隊長失格」
「なんでありますか!
勝手にすればいいであります!」
「ほら、行くぞ、ドロロ」
「えっ…?」
「お前もこんな小隊抜けた方がいい」
「ちょ…ちょっと!クルルくん?」

非力なクルルくんからは想像できないほど、
強い力で腕を惹かれた。

「ねえ、クルルくん。マズいよ、さすがに」
「俺が本気でケロロ小隊抜けると思うか?」
「へっ?」
「ケロロ小隊抜けたら、俺もう居場所ないっての」
「じゃあ、どうして?」
「決まってんだろ?一時的にだよ。
今やケロロ小隊は俺の天才的開発能力と、
あんたの神がかった戦闘能力がなきゃ成り立たない。
隊長は後で絶対引き止めにくるだろうからな。」
「そんなことしてどうするの?」
「謝らせるんだよ、あんたを“そんなもん”扱いした隊長に」
「い…いいよ、もう。そんなに気にしてないから…」
「よくない!俺はあんたを“そんなもん”扱いした隊長が許せない。」
「そ…そんなに怒らなくても…」

いつもクールでポーカーフェイスなクルルからは想像も出来ない。

「あんたは、“そんなもん”なんかじゃない。
俺の…一番大切な人だ。
大切な人を傷つけられて黙ってられるほど、
俺はまだ、人間出来てないぜ?」
「僕のために怒ってくれてるの?」
「当たり前だ」
「ふふ…クルルくん、可愛い…」

不意に、頬に口づけを。
予想外の展開に、クルルくんは

「バ…///いきなり何しやがる!」

と、慌ててる。

「だって、クルルくん、子供っぽくって可愛いんだもん」
「嬉しくねえ言葉だな…クック~」
「僕ね、別に“そんなもん”でもいいんだ…ちょっと悲しいけどね。
でも、周りから見れば“そんなもん”でも、
クルルくんにとって特別でいられればそれでいい。」
「……悪かったな、ムキになって」
「ううん、僕のためにムキになってくれてありがとう」
「なぁ、もう一回してくれないか?
ほっぺにチュウ」
「な…なに言ってるの!」

今度は僕が慌てる番だ。

「だってよぉ~ほっぺにチュウしてくれた時の感触がよぉ、
すっげぇ柔らかくてなにげにエロかったんだも~ん。
ドロロお兄ちゃん、クルちゃんのほっぺにチュウしてぇ~!」
「もう!クルルくんのバカ!!」

自分からキスするなんて、恥ずかしいんだからね!


Fin


【あとがき】
唐突にほっぺにチュウ:プライスレス
お金で買えない価値がある(をぃ)
途中からケロロ置いてけぼり…。
「ケロロ 初心に帰る」が元ネタ。
ドロロはうちみたいな人(笑)に売れると思います(爆)
クルルとセット売り希望(笑)

独り占めしたいのに(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ+小雪】)

2008-01-19 14:55:41 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ+α)
今日はみんなで雪山に来てる、
俺は、雪山なんて性に合わない。
みんなゲレンデに出て行ってしまった。
あれっ?みんなゲレンデに行ったと思ったら、ドロロと小雪はまだいる。

「ねえドロロ。みんながゲレンデに行ってる間に鎌倉を作って、
みんなを驚かしちゃおうよ!」
「冬の風情でござるな、心得た。小雪殿。」

なんだって~~~~!!!
小雪とドロロが二人きりで鎌倉作りだと?
絶対に・・・絶対に二人きりにはさせねぇ・・・。

「ク~ックックック~。鎌倉作りかい?
なんだったら俺様が手伝ってやってもいいぜ~。」
「あれっ?クルルくんさっきは
“俺様に雪山は性に合わねぇぜ、部屋でパソコンでもいじってるとするか”
って言ってなかったっけ?」
「俺様、こう見えても鎌倉作りにはうるさくてねえ~
(本当は全然興味ないけど)
なんだったら、俺様が鎌倉作りのコツを伝授してやってもいいぜ~~」
「ドロロ、クルルさんにも手伝ってもらおうよ。」
「そうでござるな、小雪殿。クルルくん、ぜひコツを伝授してよ!」

とりあえずドロロと小雪を二人きりにさせずに済んだみたいだ。
小雪は俺のことよく思ってないみたいだから、どうなることかと思ったぜ。
それにしてもさみぃな。
外に出てきたことを後悔させる寒さだ。
でも、ドロロと小雪を二人きりにさせるよりはマシだ。
俺は雪山の猛威という名の寒さに耐える。

「クルルくん、鎌倉作りのコツって何?」

ドロロが純粋な顔でこっちを見てる。
もちろん、俺は鎌倉作りのコツなんて知らねぇ。
それどころか、鎌倉を作ったことなんて生まれてこの方一度もねぇ。

「ん?とりあえず、なるべく大人数で楽しく作ることだよ」

適当にそう言ってやった。

「そう、そうだよね、クルルくん!楽しく作ろう!」

ドロロは、そんな俺の言うことを素直に聞いてる。
本当、あんたはコロコロ笑うよな。
誰に対しても、同じ笑顔を見せる。
俺も、あんたみたいにうまく笑えたらな。
あんたみたいに優しい顔が出来たらな。
あんたみたいに素直になれたらな。
素直に「小雪と二人きりになるな」っていったら、
きっとあんたは俺のこと、
「束縛が強くてヤダ」とか言って、嫌いになるのかな?

「クルルさん」

今まであまり喋ったことのない小雪のほうから話しかけてきた。

「クルルさん、ドロロのことどう思ってるの?」
「あんたには関係ない。」
「好きなんでしょ?ドロロのこと」
「・・・別に・・・あんたに何がわかるってんだよ?」
「分かるよ、だってクルルさん、みんなといても、
ずっとドロロの事見てるんだもん。
ドロロも、ずっとクルルさんの事見てる。
私、クルルさんって今まで悪い人だと思ってたんだ。
でもクルルさん、ドロロと一緒にいると優しい顔になるんだもん。
ドロロも、クルルさんといると私なんかに見せる顔よりもっと優しくなるんだよ?」
「俺様、褒められるのは嫌いなんだが・・・」
「ううん、クルルさん、ずっとドロロの事見てる。
そんなドロロを見る顔が、本当にすごく優しいんだって。」

責め立てられることは慣れているが、褒められることに俺は慣れてない。

「関係ねぇよ。」

本当は褒められてすごくうれしかったのだが、
照れくさくてそんなことを言ってしまった。

「クルルさん、ドロロを幸せにしてあげてね。
ドロロ、みんなに忘れられていつも悲しい思いをしてきたけど、
クルルさんはずっとドロロのこと見ててくれるから。」
「・・・言われなくても、いくらでも幸せにしてやるぜ」
「小雪殿~クルルく~~ん、何してるでござるか?」

遠くの方からドロロの声がする。

「ごめん、ドロロ、私喉渇いたから、
ジュース買ってくるね。」

小雪は俺にウィンクをして、ジュースを買いに行ってしまった。

「クルルくん、小雪殿と何を話してたの?」

二人で喋るなんて珍しい、といわんばかりだ。

「別に・・・ただの保護者面談だぜ」

ドロロは首をかしげて「?」という顔でこっちを見てる。

「ドロロ」
「な~に?クルルくん」
「俺、今どんな顔してる?」
「・・・別に何も付いてないみたいだけど・・・?」
「そうじゃなくて、俺、お前の前でどんな顔してる?」

しばらく考え込む。
いいことを言おうとしているのか、それとも・・・。

「クルルくんは、今すごい優しい顔をしてるよ。
今だけじゃなくて、僕の前ではずっと優しい顔してる。」

そうか、俺はそんな風に見られていたのか・・・。
優しい顔に見られてるなんて、俺様の柄じゃないが、
なんだか嬉しかった。
きっと、いつもあんたが傍にいてくれるから、
あんたの優しい顔が、俺にも感染しちまったんだな。
まったく、インフルエンザよりたちが悪い笑顔だぜ。


Fin


【あとがき】
1回書いたのに消えてしまって書き直した・・・(泣)。
今日放送の「私もスキーに連れてって」を見て、
雪山の似合わない(爆)クルルが、鎌倉作りの現場にいた理由を考えて、
裏を読んだらこんな感じになりました(笑)。
小雪の許しも得たことだし、
あとはケロン星の両親に挨拶しに行くだけ(爆)。
温泉&卓球Verも書きたいなあ~。