SPIDERS IN LOVIN' COOL

ケロロ軍曹(主にクルドロ)や、名探偵コナン(主に平和)の小説。
毎週土曜日は「今週のクルドロ萌え」を予定。

蜃気楼(まぼろし)のパスワード 第四話(Side D66)(ケロロ軍曹【クルル→ドロロ→ケロロ】)

2008-05-05 20:27:15 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ+α)
僕は、なんてバカなんだろう。
想いを告げずにいれば、ずっとあのままでいれたのに。


「泣くなよ…」


後ろから近づいてきたのは、クルルくんだった。


「そんぐらいで泣いてたらな、俺なんて体中の水分なくなっちまうよ。
まっ、あんたの泣き顔も可愛いっちゃ可愛いけどな。」

「クルルくん…見てたの?」

「あぁ、たまたまだがな…」


そういうと、クルルくんは黙って僕の頭を撫でる。


「まったく…隊長も見る目ねぇよな。
俺だったら、あんたのことほっとけないってのによ」

「…僕が、いけなかっただけだよ…」

「………」

「僕って本当バカだよね…。
なんで、これ以上を求めてしまったんだろう…」

「…いいじゃねえか…生き物の本能なんだからよ」


僕を撫でる指先は、いつも強引なクルルくんからは想像が出来ないほどとても優しくて、
僕はそんなクルルくんに、甘えたくなった。


「クルルくん…どうして僕を…」

「好きで好きでたまんねえんだよ。
ただそれだけ。
好きすぎてほっとけないだけだ。」


君は、どんな僕にでも優しくしてくれるの?


「クルルくん…優しいね」

「そ…そんなことねぇよ…」


僕は、優しさを隠そうとするクルルくんに、縋りたい、と思った。
僕は、頭を撫でるクルルくんの手を、僕の頬に当てた。


「クルルくん、僕、今一人になりたくないんだ。
怖いんだ、一人の世界が…」

「……判った…」


クルルくんは、僕の瞳から流れる涙に口づけた。


To be continues…


【あとがき】
次回、ちょっと雲行き怪しいです(もう怪しいって?)