同世代がやる遊びなんて単純で、俺にとってはつまらないものばかりだ。
同級生の輪に入らず、ただ流れていく時間をぼ~っと過ごす。
だけど本当は、輪に入らないのではなくて、入れない。
素直じゃない俺は、大勢で遊んでる同級生たちに、
「仲間に入れて」
と、どうしても言えない。
だから冷めた子供ぶってるだけ、
本当はみんなと一緒に遊びたい。
ふと隣を見ると、俺と同じく輪に入れないのであろう、少年が一人。
「みんな楽しそうでいいな…」
「仲間に入ってくればいいじゃねえかよ」
「僕、身体弱いから、誰も仲間に入れてくれないんだ…」
妙に幼い声、幼い顔。
たぶん俺より年下だろう。
「お前、何年生だ?」
「3年生」
「はぁ?嘘つくんじゃねえよ。
どう見たって1年坊主だろうが」
「ほっ…本当に3年生なのにぃ~」
泣かせてしまった。
よく見ると確かに、名札に3年と書いてある。
「3年なら、もっとしっかりしろよ」
「君は…?君は何年生なの?」
「俺は、2年だ」
「2年生か…僕、本当は今2年生のはずだったんだ。
でも、予定よりだいぶ早く、小さく産まれちゃって…。
あと1日遅かったら2年生だったのに。
もう少し遅く産まれたら、僕、こんな身体に産まれなくて済んだのかな?」
そんなこと判りゃしない。
「君は、みんなと遊ばないの?」
「俺は…友達いねぇから…」
「僕も…あまり学校に来れなくて、なかなか友達ができないんだ…」
「…そうか…」
「ねぇ、僕たち、友達になろうよ」
「はぁ?」
「お互い最初のお友達、いいでしょ?」
俺に友達が出来る?こんな俺と友達になりたいって?
嬉しくて動揺を隠せなかった。
「…あんたがそこまで言うなら、なってやってもいいぜ」
やはり素直じゃねえな、俺。
「本当!?ありがとう!僕はゼロロ。よろしくね!」
こいつは素直に喜んでる。
どうやったらそんなに素直になれるんだろうか。
「俺はクルルだ。まあ、しょうがねえから仲良くしてやるよ」
「クルルくんか…。クルルくん、ブランコで遊ぼうよ!」
俺にとってはつまらない遊びだと思ったが、
それでも、友達が出来た喜びが大きくて。
「いいぜ、ブランコ」
俺はゼロロの手を取って駆け出す。
ゼロロは、はぐれないように俺の手を、強く握っていた。
Fin
【あとがき】
そして長い時間をかけて恋人繋ぎに(笑)
うちの小説は特に一つ一つの話に繋がりはありません。
だから以前書いたものと比べると、矛盾だらけです。
このお題で別Ver.も考え中。
同級生の輪に入らず、ただ流れていく時間をぼ~っと過ごす。
だけど本当は、輪に入らないのではなくて、入れない。
素直じゃない俺は、大勢で遊んでる同級生たちに、
「仲間に入れて」
と、どうしても言えない。
だから冷めた子供ぶってるだけ、
本当はみんなと一緒に遊びたい。
ふと隣を見ると、俺と同じく輪に入れないのであろう、少年が一人。
「みんな楽しそうでいいな…」
「仲間に入ってくればいいじゃねえかよ」
「僕、身体弱いから、誰も仲間に入れてくれないんだ…」
妙に幼い声、幼い顔。
たぶん俺より年下だろう。
「お前、何年生だ?」
「3年生」
「はぁ?嘘つくんじゃねえよ。
どう見たって1年坊主だろうが」
「ほっ…本当に3年生なのにぃ~」
泣かせてしまった。
よく見ると確かに、名札に3年と書いてある。
「3年なら、もっとしっかりしろよ」
「君は…?君は何年生なの?」
「俺は、2年だ」
「2年生か…僕、本当は今2年生のはずだったんだ。
でも、予定よりだいぶ早く、小さく産まれちゃって…。
あと1日遅かったら2年生だったのに。
もう少し遅く産まれたら、僕、こんな身体に産まれなくて済んだのかな?」
そんなこと判りゃしない。
「君は、みんなと遊ばないの?」
「俺は…友達いねぇから…」
「僕も…あまり学校に来れなくて、なかなか友達ができないんだ…」
「…そうか…」
「ねぇ、僕たち、友達になろうよ」
「はぁ?」
「お互い最初のお友達、いいでしょ?」
俺に友達が出来る?こんな俺と友達になりたいって?
嬉しくて動揺を隠せなかった。
「…あんたがそこまで言うなら、なってやってもいいぜ」
やはり素直じゃねえな、俺。
「本当!?ありがとう!僕はゼロロ。よろしくね!」
こいつは素直に喜んでる。
どうやったらそんなに素直になれるんだろうか。
「俺はクルルだ。まあ、しょうがねえから仲良くしてやるよ」
「クルルくんか…。クルルくん、ブランコで遊ぼうよ!」
俺にとってはつまらない遊びだと思ったが、
それでも、友達が出来た喜びが大きくて。
「いいぜ、ブランコ」
俺はゼロロの手を取って駆け出す。
ゼロロは、はぐれないように俺の手を、強く握っていた。
Fin
【あとがき】
そして長い時間をかけて恋人繋ぎに(笑)
うちの小説は特に一つ一つの話に繋がりはありません。
だから以前書いたものと比べると、矛盾だらけです。
このお題で別Ver.も考え中。