QAZのつれづれ日記

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ヴェルレーヌの詩に曲をつけた「マンドリン」

2014年04月28日 | 音楽

趣味でマンドリンを弾きますので、いろんな歌の題名や歌詞に「マンドリン」と入っていますと、どんな曲かなと関心が向きます。

ヴェルレーヌ(Paul Verlaine、1844-1896、フランス)の詩にドビュッシー(Claude Achille Debussy、1862-1918、フランス)が曲をつけた「マンドリン」という歌曲があります。

ドビュッシー作曲「マンドリン」

これは春秋社版「世界音楽全集」第38巻(1933)所載の楽譜で、訳詩は門馬直衛です。

♫ あでなるセーレネダス 麗し乙女ら
♫ 言葉交わす宵 囁く枝影・・・

曲が速いですし、なかなか歌いにくい曲のように感じます。

ヴェルレーヌの詩「マンドリン」にはドビュッシーのほかにもフォーレ(Gabriel Faure、1845-1924、フランス)、デュポン(Gabriel Dupont、1878-1914、フランス)、アーン(Reynald Hahn、1875-1947、フランス)も曲をつけています。

フォーレ作曲「マンドリン」


フォーレの「マンドリン」はとても美しくおしゃれな感じがします。

ヴェルレーヌはルーブルで度々見たワトー(Jean Antoine Watteau、1684-1721、フランス)などのロココスタイルの絵画に強い影響を受けたと言われます。
ワトーの絵画にはマンドリンがよく描かれています。
ヴェルレーヌの「マンドリン」はワトーの絵画そのものだと言う人もいます。

ドビュッシーのかき鳴らすマンドリンに対してフォーレのマンドリンは爪弾くマンドリンと例えられたりしますが、どちらの曲からも直接マンドリンをイメージするのはちょっと難しそうです。

日本では、鈴木静一(1901-1980)のマンドリンオーケストラの作品に「ヴェルレーヌの詩に寄せる三楽章」という曲があり、この第三楽章が「マンドリーヌ」となっています。

鈴木先生ご自身の解説に、「私は青春の頃からヴェルレーヌの詩を愛読した。しかしヴェルレーヌの孤独、抵抗、嘆きなど深い感懐など理解する力もなく、ただ詩の韻に溺れていたに過ぎない。「マンドリーヌ」はあの詩がもつ、艶やかしき情趣そして退廃的なムードにひたりきって、意識してシャンソンのニュアンスを取り入れ素直に書いた。大体ヴェルレーヌの詩に奇せた作品は大変多く、ドビュッシー、ラベル、コダーイなど、それぞれ優れたものばかりである。それなのに私がおこがましく書いたのは、キラキラしい美しさの反面グルーミーな陰影をもつマンドリン合奏の響きに制作欲をそそられたこともあるが、もうひとつ遥かになった青春を醸しむ心の現われであるかも知れない。」

この曲は鈴木先生自ら指揮をされた竹内マンドリンアンサンブルの第10回定期演奏会(1970.5.23、虎の門ホール)で演奏され、この時私も1stマンドリンを弾いています。
YouTubeのドルチェ・マンドリーノディあきたの演奏で聴くことができます。
久し振りに聴き直してみましたが、弾いたのがずい分前のことでどんな曲だったかすっかり忘れています。



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